ラジオ講座も残すところきょうの分を入れてあと9回です。
このままいけば、今回は完走できるかも?
きょうは「現在分詞とジェロンディフ」です。分詞は動詞から「分かれた詞(ことば)」。もと動詞ですが、別れてしまったあとは活用はしません。
そういう意味ではわかりやすいです。さっそく、復習、行ってみよう。
分詞とは?
分詞は動詞の形が変化した形で、その動詞の意味を持ちながら、形容詞*のように使うもの。
分詞には過去分詞と現在分詞の2種類あります。
過去分詞は複合過去を作るときに出てきましたね。
過去分詞は性数一致がありますが、現在分詞はいつも同じ形です。
※形容詞は名詞を説明するものです。
たとえば、「かわいいpen。」「penはかわいい」という文のどちらの「かわいい」も形容詞です。
現在分詞
形(作り方)
現在形のnousの活用から語尾のonsをとり、antをつけます。
たとえば
écouter (聞く)
nous écoutons
onsをとる écout
antをつける écoutant 現在分詞
finir
nous finissons
onsをとるfiniss
antをつけるfinissant
※この方法で作れないもの3つ。
語尾のantは変わりません。
être ⇒ étant
avoir ⇒ ayant
savoir ⇒ sachant
使い方
1.形容詞みたいに使う。
これはラジオ講座には出てこなかったのですが、一応書いておきます。
たとえば
Il y a beaucoup d’enfants souffrant de faim.
飢えに苦しんでいる子どもがたくさんいる。
souffrant は souffrir(苦しむ)の現在分詞
※現在分詞は過去分詞のように性数一致はありません。いつも同じ形です。ただ、動詞の過去分詞や現在分詞から派生して、形容詞になってしまった単語があります。
「現在分詞だと思ったけど、Sついている?」と不思議に思ったら、それは形容詞なのです。
「どれが分詞でどれが形容詞なの?」といった細かいことを気にする必要はないと思いますが、「どうしても白黒つけたい」時は、辞書を見れば品詞が書いてあります。
2.分詞構文
分詞構文は簡単に言うと分詞が入っている語句の並びです。理由、時、条件などの説明を付け加えることができます。
これも講座では話がなかったので、一つだけ例文書いておきます。
こんな感じのもの↓
Ayant faim, pen a mangé du pain.
おなかがすいたので、penはパンを食べた。
分詞構文は書き言葉に多く使われる表現です。日常生活では、ふつう次に説明するジェロンディフをよく使います。
ジェロンディフ~en+現在分詞
形
en+現在分詞
使い方
一番基本的なのは 「~しながら」
Je fais la cuisine en écoutant la radio.
料理をしながらラジオを聞いている。
料理をしている状況をより詳しく説明するために「ラジオを聞きながら」というジェロンディフを使っています。
その他の意味、使い方
久松先生はまず「~しながら」という基本的な意味をおさえてから、文脈に応じて意味を考えるように言われていました。
確かにジェロンディフの場合、それだけ見ているといろんな意味にとれることがあります。
J’ai rencontré un ami en allant à la banque.
allant は aller(行く)の現在分詞
この文を「銀行に行きながら、友達に会った。」と訳すのは変です。
これは
銀行に行くとき、友達に会った。
あるいは
銀行に行く道すがら、友達に会った。
ほかに「~なのに」「~したとたんに」と訳したほうがふさわしいものもあります。
それがジェロンディフだということがわかって、話の流れがとれていれば、和訳にそんなにこだわる必要はありません。
メインの動詞のほうが大事ですから。
フランス語脳プロジェクトの文法編では、分詞構文やジェロンディフの訳は自由だと習いました。
というのも、時間の関係などをはっきり言いたいときは、動詞を動詞として使って明確に表すことができるからです。
そこをあえて現在分詞を使っているのは、あまりはっきりさせる必要もない、ということなのです。
ジェロンディフのまとめ~基本のダイヤローグ
Je fais toujours la cuisine pour toi en pleurant …
Tu es vraiment adorable !
妻:私、いつもあなたのために泣きながら、お料理をしているわ。
夫:きみはなんて可愛いんだ。
妻は玉ねぎを切っている、というオチです。この講座に出てくる夫と妻のダイヤローグは旧来型の図式のものが多いですね。別にいいのですが。
ジェロンディフは en pleurant
pleurant は pleurer(泣く)の現在分詞です。
☆ラジオ講座関連記事目次はこちらから
■ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その1(概要)
■1課~47課まで⇒ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その2
■48課以降⇒ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その3
「おしえてマダム」のコーナーでジェロンディフを使ったことわざが一つでてきました。
C’est en forgeant qu’on devient forgeron.
人は鉄を鍛(きた)えることによって、鍛冶屋になる。
⇒習うより慣れよ。
forgeant < forger (金属を)鍛える、鍛造する
※このことわざについてはこちらに詳しく書いています⇒フランス語のことわざ62~鉄を鍛えていればこそ鍛冶屋になる(習うより慣れろ)
「ジェロンディフの使い方もこの方法で慣れていってください」ということです。最初はよくわからなくても、使っているうちに、わかってくることが多いのです。
だから、「最初に知識としてすべてを知っておきたい」と思ったり、「知識として知っているから大丈夫」と安心しているとうまく行きません。
だって、そのスキルは実際に使うこと、やってみることをしないと身につかないのですから。
これは語学に限らず、何にでも言えることだと思います。
ラジオ講座、明日は条件法です。お楽しみに。
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