2019年1月8日に、テヘランで、ウクライナ航空の飛行機が離陸直後に墜落して、乗客とクルー、176名全員が亡くなりました。
このニュースを伝える、CBC/Radio Canada のニュースクリップを紹介します。
タイトルは、Écrasement en Iran : l’enquête s’annonce complexe(イランにおける粉砕:捜査は複雑になる見込み)
ウクライナ航空の旅客機、墜落
CC(フランス語の字幕)を表示させることができます。
ケベックのフランス語なので、多少、おっとりした感じがしますね。
トランスクリプション
Voici ce qui reste de l’appareil Boeing 737 quelques minutes à peine après son décollage de l’aéroport de Téhéran, tôt ce matin.
Des débris et des passagers en proie des flammes, un brasier si intense que les secouristes ont été incapables d’en sortir qui que ce soit vivant.
C’est une fois le soleil levé que l’ampleur de la catastrophe s’est confirmée; il n’y a aucun survivant.
176 personnes étaient à bord.
L’avion se dirigeait vers Kiev, mais la grande majorité des voyageurs y faisaient seulement escale avant de poursuivre leur chemin vers le Canada.
63 étaient d’ailleurs des citoyens canadiens.
Parmi les autres disparus, 82 étaient des Iraniens, 10 Suédois, 4 Afghans, des Allemands et des Britanniques.
Et tout l’équipage d’Ukrainiens.
A l’aéroport de Kiev, les employés étaient sous le choc, des familles incrédules en sanglots.
Visiblement secoué, le président du transporteur Ukraine International Airlines a expliqué que l’équipage était des plus expérimentés.
Et que l’appareil, un Boeing 737-800, était non seulement un des meilleurs de leur flotte, il était neuf et avait passé avec succès une révision technique le 6 janvier.
Alors qu’est-ce qui s’est passé?
Les autorités iraniennes priorisent la thèse d’une défaillance catastrophique des moteurs de l’avion.
Mais l’Ukraine n’écarte, pour le moment, aucun scénario.
Cette boule de feu est bel et bien l’appareil qui se dirige vers le sol quatre minutes après le décollage. Aucun signal de détresse n’a été envoyé.
L’avion a simplement disparu des radars.
Le premier ministre ukrainien a refusé de commenter les informations selon lesquelles l’appareil aurait pu être abattu par des missiles visant les forces américaines en Irak.
Mais par mesure de précaution, il explique que toutes les compagnies ukrainiennes ont reçu l’ordre d’éviter l’espace aérien de l’Iran, et ce, jusqu’à nouvel ordre.
L’enquête se poursuit et l’Ukraine y participera officiellement. Une équipe a été dépêchée d’urgence à Téhéran, où les boîtes noires de l’appareil ont été recupérées et seront analysées sous peu.
C’est donc officiel, l’Ukraine va participer à cette enquête cruciale.
Mais pour le moment, les autorités iraniennes refusent catégoriquement de laisser le fabricant américain Boeing y collaborer, ce qui ajoute au climat de méfiance qui entoure cette tragédie aérienne, dans une région qui sera dorénavant évitée par les plus grands transporteurs du monde, y compris Air Canada, Lufthansa et Aeroflot de Russie, tant et aussi longtemps que les doutes persisteront quant aux risques de la survoler.
和訳
これが、けさ早く、テヘラン空港を離陸数分後のボーイング737の旅客機の残骸です。
破片や乗客は火に飲み込まれ、あまりに炎が強烈だったので、救急隊員は、たとえ誰かが生き残っていたとしても、助け出すことは不可能でした。
翌朝になり、惨事の規模が明らかになりました。生存者は1人もいません。176人が乗っていました。
この飛行機はキエフ行きでしたが、ほとんどの乗客はキエフで乗り継ぎ、カナダに行くところでした。
事実、63人がカナダ市民です。
ほかに亡くなった人は、82人がイラン人、10人がスエーデン人、4人がアフガニスタン人、ドイツ人、イギリス人です。
乗務員は全員ウクライナ人でした。
キエフ空港では、従業員全員が大きなショックを受け、家族は信じられない気持ちですすり泣きしました。
明らかに動揺しながら、ウクライナ国際航空の社長は、乗組員は全員、経験豊かであると説明しました。
また、飛行機はボーイング737-800で、飛行機の中では最高のものであるだけでなく、まだ新しく、1月6日に技術的な検査を受けたばかりで、問題なしだったととも言いました。
では、いったい何が起きたのでしょうか?
イラン当局は、飛行機のモーター(エンジン)に、重大な不具合があったと言っています。
しかし、ウクライナでは、今のところ、ほかのシナリオの可能性も捨てていません。
この飛行機は確かに、火の玉となって、離陸して4分後に、地面に向って落下しました。異常を伝えるシグナルは発せられませんでした。ただ、レーダーから消えたのです。
ウクライナの首相は、イラクで、アメリカ軍を狙ったミサイルによって撃ち落とされた可能性があるという情報に関してコメントはしませんでした。
しかし、慎重を期して、すべてのウクライナの会社は、当面の間、次の指示があるまで、イラン上空を飛ばないよう命じられていると説明しました。
捜査は続けられており、ウクライナも公式に捜査に参加します。調査チームが、急いでテヘランに向いました。そこでは、墜落機のブラックボックスが回収され、すぐに分析されます。
つまり公式に、ウクライナはこの重要な捜査に参加します。
しかし、今のところ、イラン当局は、アメリカのメーカー、ボーイング社と協力することは、断固として拒否しており、それが、この飛行機事故の悲劇を包む不信感を増大させています。
この地域は、世界の大手の航空会社、エアカナダ、ルフトハンザ、ロシアのアエロフロートを含みますが、そうした会社の飛行機は運行を避けるでしょう。ここを飛行するのは危険だという疑いが続く限りは。
単語メモ
ampleur (規模の)大きさ、広がり
escale 寄港(地)、着陸(地)
flotte 航空隊
défaillance (機械などの)機能低下、不具合、動作不良、故障
prioriser 優先する (ケベコワ)
écarter 取り除く
bel et bien 実際に
selon ~の見地からの
par mesure de précaution 用心のため、念のため
se poursuivre 続けられる
sous peu すぐに
catégoriquement きっぱりと、断定的に、はっきりと
dorénavant 今後は、これからは
補足
この記事を書いている今は、カナダ時間で、9日の夜ですが、アメリカのメディアでは、イランが、この旅客機を、アメリカ軍の飛行機と間違えてミサイルで攻撃したと報道しています。
その可能性はあると思います。
とても安全性の高い飛行機だし、事前に定期点検を受けているし、たとえ何か不具合やトラブルがあったとしても、管制塔になんの連絡もなく、いきなりまっさかさまに落ちて、ものすごい火に飲み込まれて、何もかも粉砕しちゃうなんて、あまりないことです。
しかも、イランは、ブラックボックスをメーカーに渡さないと言っています。
新年早々、トランプ大統領が、イランのソレイマニ司令官を殺害させたので、報復として、イランが、イランに駐留するアメリカ軍の基地に弾道ミサイルを発射したのと、ほぼ同じタイミングで、この事故は起きました。
しかし、その一方で、アメリカじゃなくてほかの国の一般人を乗せている飛行機を狙うなんて、たとえ間違えたとしても、そんなことあっていいのか、とも思います。
亡くなった人の冥福を祈るばかりです。
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この飛行機事故の一報、私は娘のメッセージで知りました。
朝早く(私はまだ寝ていた)、娘からアイメッセージが入ったのです。
実は、亡くなった乗客の中に、娘と高校、大学が一緒のひじょうに優秀な女子学生がいました。お姉さんと一緒に飛行機に乗っていたそうです。
この飛行機には、35歳以下の若い人がたくさんのっていました。
ご本人たちはもちろんとてもお気の毒ですが、残された両親、家族、子どもたちのことを思うと、本当に心が痛みます。
2020年になったばかりで、皆、希望に胸をふくらませていたと思います。
カナダでは、飛行機事故で一度にこんなにたくさんの国民(ほとんどがイランとカナダの二重国籍の人)が亡くなったことは初めてなので、事故以来、大きな話題になっています。
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