パリの20の行政区めぐり、第2回です。
前回はパリには20個の行政区(arrondissement)があること、中心から渦巻状に番号がふられているので、時にエスカルゴと呼ばれることなどを、チェックしました。
今回はそれぞれの区のイメージについて
それぞれの行政区の特徴
きょうもまず地図をごらん下さい。
File:Paris arr jms-num.gif – Wikipedia, the free encyclopediaよりお借りしました。
1と書いてあるところが1区です。
では、ビデオの続きを訳します。
4分56秒
今回は1分12秒から2分57秒まで。
Mais, pour les Parisiens, les arrondissements ne sont pas uniquement des zones administratives ou géographiques.
Ce sont des univers. Chaque numéro d’arrondissement évoque à tout Parisien quelques clichés bien définis.
でも、パリ市民にとって、行政区は行政上の、あるいは地理上に区切られた場所というだけではありません。
それぞれが独特の世界なのです。おのおのの行政区の番号を聞くと、パリ市民は、お決まりのイメージを思い浮かべます。
A l’ouest, il y a les riches.
Si le 7ème, le 8ème et le 15ème arrondissements sont bien lotis, c’est le 16ème qui est l’archétype de l’arrondissement bourgeois, avec ses beaux immeubles et ses rues calmes où se côtoient des vieilles dames aux caniches toilettés et des hommes d’affaires pressés.
On dit d’ailleurs, pour décrire une personne chic, guindée, qu’elle “fait très 16ème”.
西部は裕福な人が住んでいます。7区、8区、15区が金持ちの区なら、有産階級の区の典型は16区です。
そこには美しい建物、静かな通りがあり、着飾ったプードルを連れた老婦人が顔を合わせ、ビジネスマンは急いで通りすぎていきます。
ちなみに、シックで、もったいぶった女性を「彼女はすごく16区している(fait très 16ème)」と言います。
Comme dans la plupart des grandes villes européennes, les arrondissements les plus pauvres, eux, se trouvent au nord-est de la ville.
Dans nos latitudes, les vents soufflant principalement d’ouest en est, la répartition de la population se serait rapidement opérée lors de l’industrialisation du 19e siècle.
A l’ouest, la bourgeoisie protégée des fumées, à l’est, les ouvriers sous la fumée.
Ainsi, on trouve toujours les Parisiens les plus populaires ainsi que beaucoup d’immigrés du Maghreb, d’Asie ou d’Afrique noire dans les 18ème, 19ème et 20ème arrondissements.
ヨーロッパの大都市の大部分同様、最も貧しい行政区は街の北西にあります。
パリの風土では、風はおもに西から東に吹きます。19世紀の工業化のさい、次のような人口の分布が急速に進みました。
西部では、お金持ちが工場の煙を吸わず、東部では労働者が煙のもとに住んだのです。
このようにして、もっとも庶民的なパリ市民は、たくさんのマグレブ地域やアジア、北アフリカからの移民とともに、18区、19区、20区に住んでいるのです。
Le 13ème ? Pour le Parisien, c’est Chinatown.
Il vous parlera des supermarchés asiatiques, des restaurants exotiques et du fameux défilé du nouvel an chinois.
Le 11ème, lui, est le lieu branché par excellence : magasins bio, réparateurs de vélo et ateliers d’artistes attirent des populations jeunes et créatives.
13区ですか?パリ市民にとってそこはチャイナタウンです。
アジアンなスーパーマーケット、エキゾチックなレストランや、中国の新年の有名なパレードのことを彼らはあなたに語ってくれるでしょう。
11区は特にレンドの街です。たとえば、オーガニックの店、自転車修理店、若者や、クリエイティブな人々に人気の芸術家のアトリエがあります。
Inutile de vous dire que, dans tous ces arrondissements, on trouve aussi des gens normaux qui résistent à tous ces clichés…
もちろん、すべての行政区に、このイメージにあわないごく一般的な人々が住んでいるのは、言うまでもありません。
前回の記事はこちら⇒パリの20の行政区~第1回
単語メモ
cliché clicher (しばしば軽蔑して)型にはまった表現[考え]、決まリ文句、紋切り型
se côtoyer (互いに)接触がある。顔を合わせる。
caniche プードル ←caniche
guindé(e) guinder もったいぶった、しゃちほこばった、仰々しい
répartition 分布
s’opérer 行われる、起こる
populaire 庶民
branché 流行の、流行に通じた
C’est branché. それはナウい(と辞書にありましたが、ナウいはもう死語でしょうか?)
par excellence 際立って、特に、典型的な
réparateur 修理、修繕する人
(Il est) inutile de vous dire que + ind. …は言うまでもない
なるほど。おもしろいですね。
ヨーロッパでは風が西から東に吹くから、北東に工場が多いのですね。風のむきは学校の地理で習ったかもしれませんが、すっかり忘れていました。
そういえば、私の住んでいる街も北のほうに貧しいアパートがいっぱいあります。
13区は流行発信地と言っていますが、自転車修理店がおしゃれなんでしょうか?ちょっと謎です。
パリの行政区めぐり、次回をお楽しみに。
この記事へのコメントはありません。