アーモンド

フランスのお菓子

プラリーヌの作り方(フランスのお菓子32)

フランスのスイーツの紹介、今回はプラリーヌ(praline)です。「プラリン」と書いたほうがフランス語の発音に近いと思いますが、日本語では、このお菓子は、プラリーヌとよばれます。

プラリーヌとは?

プラリーヌは、焼いたアーモンドに、加熱して褐色にした砂糖(キャラメリゼした砂糖)をからめたお菓子です。

プラリーヌという名前は、この菓子を考案した料理人の雇い主が、Praslin公爵だったから、と言われています。たぶん「プラスラン」と読むと思います。

17世紀の中頃、ルイ14世の時代、フロンドの乱(1648-1653)という内乱が起きました。このとき、ルイ14世は幼かったので、ジュール・マザランという人が、実質、宰相をつとめていました。

マザランが、怒っている民衆と話し合いをするために、ボルドーに差し向けた人間が、プラスラン公爵です。1649年に、プラスラン公爵が民衆の代表を晩餐に招き、デザートとして供したお菓子がプラリーヌである、という話が残っています。

フランスには、プラリーヌと似た Chouchou(シュシュ)というお菓子があります。シュシュはピーナッツ(cacahuète)に砂糖をからめたもので、プラリーヌは、通常、アーモンド(amande)を使います。

どちらも、縁日の定番のお菓子です。

プラリーヌはそのまま食べるお菓子ですが、アーモンドなどに砂糖をからめて板状にしてから砕き、ペーストにした製菓材料があり、これはプラリネ(praliné)と呼ばれます。

さらに、プラリネと呼ばれるケーキもあり、これはプラリネを挟んだスポンジケーキです。

ベルギーでは、プラリネをチョコレートでコーティングしたチョコレートボンボンをプラリーヌと呼びます。

トップの画像はプラリーヌではないと思いますが、アーモンドなので使ってみました。

では、まずプラリーヌのレシピを紹介しますね。

プラリーヌの作り方

5分26秒

■材料:アーモンド(amandes)、砂糖(sucre)、水(eau)すべて150グラム。

■作り方:

1)鍋を火にかけ、アーモンド⇒砂糖⇒水を入れ、混ぜる。温度が115度になるまで、混ぜ続ける。

2)115度になったら、弱火にするか、火をとめ、さらにガーッと混ぜ続ける。そのうち、砂糖の再結晶化が始まります。

3)数分混ぜ続けたら、また火にかけて、さらにアーモンドを混ぜ続けます。砂糖が溶けて、アーモンドにからまります。すべてのアーモンドにからまったら、プラリネのできあがり。

4)皿などに移してさまします。

プラリーヌの作り方は、複数ありますが、このレシピでは、最初にすべての材料を混ぜていて、ひたすら混ぜ続けていますね。シンプルでよいと思います。

砂糖やアーモンドを焦がしすぎないのがポイントです。

つづいて、Chouchouの作り方です。

シュシュの作り方

2分56秒

■材料

200g de cacahuètes ピーナツ (ローストしていない、塩で味付していないもの)
50g de sucre 砂糖 ☆砂糖の量は、ピーナツの重さの25%。
10g d’eau 水
5g de beurre バター

■作り方

前準備:ピーナツを140度のオーブンで30分、ローストしておく。

鍋に水と砂糖を入れ、シロップを作り、ピーナツを投下して、やさしく混ぜる。

ピーナツにだいたい砂糖がからまったら、バターを入れて、さらに混ぜる

砂糖がキャラメリゼして、ピーナツにしっかりからまったら、火をとめ、ベーキングシート(動画ではシリコン製のシートを使っています)にうつし、へらで、手早く、くっついているピーナツをばらす。

ポイントは、根気よく混ぜることです。

プラリネ(ペースト)の作り方

2分29秒

プラリネのペーストは、patte praliné といいます。

■材料

200g de sucre 砂糖
150g d’amandes entières ホールアーモンド
150g de noisettes entières ホールヘーゼルナッツ

■作り方

1)フライパンを火にかけ、ヘーゼルナッツを入れる。アーモンドも入れて、かきまぜながら炒る(torréfier)

2) ナッツを炒ったら砂糖を入れる

3)かきまぜているうちに、砂糖がキャラメリゼされ、ナッツにからむ

4)しっかりからまったら、シリコンのベーキングシートの上に広げてさます

5)板状になっているのを適当な大きさにちぎり、フードプロセッサーでペースト状になるまでかくはんする。☆ナッツに脂肪分があるのでねっとりしてきます。

最後に参考として、プラリネはさんで仕上げることが多いパリブレストを紹介します。

パリブレスト

Paris-Brestはパリとブレスト(ブルターニュ半島先端の港湾都市)を結ぶお菓子、という意味です。

その実体は輪っかの形をシュー菓子(シュークリーム)です。1891年に行われた、自転車レース、パリ・ブレスト・パリの開催を記念して考えられたと言われています。

このお菓子が丸いのは、自転車の車輪と見立てているからです。

リング状のシュー菓子なら、大きく焼いても小さく焼いてもかまいません。

バリプレストのレシピ動画は長いものが多いのですが、もっとも短いものを紹介します。手順だけ確認してください。

2分8秒。発話はありません。

■材料

Ingrédients praliné:(プラリネの材料)
– 45 g de noisettes ヘーゼルナッツ
– 45 g d’amandes アーモンド
– 70 g de sucre 砂糖
– vanille en poudre (facultatif) パウダー状のバニラ(オプショナル)

Ingrédients pâte à choux: (シュー生地の材料)
– 50 ml d’eau 水
– 50 ml de lait ミルク
– 2 g sel 塩
– 2 g de sucre 砂糖
– 45 g de beurre バター
– 55 g de farine 小麦粉
– 2 œufs (100 g) 卵
+ dorure (œuf battu) シューに照りをつけるための溶き卵

Ingrédients crème mousseline praliné: (プラリネのムスリーヌ)
– 3 jaunes d’œuf 卵黄
– 40 g de sucre 砂糖
– 20 g de maïzena コーンスターチ
– 25 cl de lait ミルク
– 150 g de beurre mou (demi-sel) 少し塩気のあるバターを室温で柔らかくしたもの。ドゥミ・セルは、0.5~3%の塩分を添加したバターです。
– 100 g de praliné プラリネ

ムスリーヌとは、ペーストみたいにしたもの(ピュレとか)に泡立てた生クリームを混ぜたものです。

手順は、プラリネを作る⇒シュー生地を作る⇒ムスリーヌを作ってシュー生地にはさむ、です。

詳しいレシピを知りたいときは、動画の説明部分にありますので参照してください。

シュークリームの作り方はこちらを参考に⇒簡単おやつ、シュケットの作り方:フランスのお菓子(22)

中にはさむクリームは、カスタードクリームでもなんでもいいです。リング状に焼いて、中に何かはさんで、「パリブレストです」といえば、それがパリブレストです。

いちごをあしらったおしゃれっぽいパリブレストもありますが、伝統的なパリブレストは粉砂糖とアーモンドのスライスでシンプルに仕上げたものだと思います。

きょうは、プラリーヌを紹介しました。

フランスからのたくさんの移民が渡ったアメリカのニューオーリンズでも、プラリーヌというお菓子があり、これはおせんべいというか、ひらべったいクッキーみたいな形をしています。






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