不思議の国のpenアリス

タイトルのフランス語

第15回『不思議の国のアリス』

誰もが知っているこのお話、でも、題名はフランス語でどう言うんだろう?

そんなタイトルを1つずつご紹介するシリーズが「タイトルのフランス語」です。

15回めのきょうは「不思議の国のアリス」です。

女の子に人気の物語ですね。
そもそもアリスという名前がかわいいです。

Aliceという名前の語源は古いフランス語のAalis。これはAdelaisを短くしたもの。そしてAdelaisの起源はドイツ語のAdalheidisまでさかのぼります。

Aliceは12世紀に、フランスと英国で人気のある名前でした。19世紀に「不思議の国のアリス」が出版されたあとは、この本の人気とともに、アリス⇒不思議の国のアリス、という連想が広く行き渡るようになりましたね。



「不思議の国のアリス」はフランス語で

Les Aventures d’Alice au pays des merveilles
(発音は下で紹介している朗読音声を参照してください)

les 複数名詞につく定冠詞
aventure 冒険
d’ = de ~の
au = à + le  の縮約 
pays 国
des = de + les の縮約
merveille 不思議
*merveille の今の意味は「驚異、驚嘆すべきもの」です。
les sept merveilles du monde 世界の七不思議

でも、古くは、「不思議、奇跡、神秘的現象」という意味がありました。また、merveille というお菓子もあります。揚げ菓子に砂糖をかけたもので、カーニバルのお菓子です。

こちらは2010年のティム・バートン監督の映画の予告編
フランス語の吹き替え版です。

この映画のアリスはちょっととうが立っているといいいますか、大人すぎる気がしますね。

「不思議の国のアリス」は英国の小説

この物語は数学者のチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンが、ルイス・キャロル(Lewis Carroll)という名前で1865年に出版した英語の児童小説です。

オリジナルのタイトルは
Alice’s Adventures in Wonderland

もともとは、ドジソンが学者として勤務していた大学の学寮長のヘンリー・リデルという人の娘、アリスに即興で語った物語がベースになっています。

ピクニックでお話をしてあげたそうです。

その子の名前はアリス・リデルというのですが、この物語の大成功のおかげで、本人も有名になりました。

アリス(Alice Liddell)
アリス・リデル

話の内容はアリスという女の子が、白いウサギを追っかけていったら、不思議な国に入ってしまい、いろんな冒険をするというもの。

にやにや笑う猫とか、トランプのハートの女王とか、お茶会をしてる帽子屋やウサギとか、ドードー鳥とか、変わった人や動物が登場します。かなり奇想天外な話です。

さまざまなメディアの作品になっており、この小説に影響を受けた小説やパロディも多数生まれていますね。

私は、子どもの頃、ディズニー映画をもとにした本を持っていて、これでアリスに親しみました。

特に「私をお飲み」というラベルのついた瓶の中身を飲んで小さくなったアリスとか、「私をお食べ」とあるケーキを食べて、大きくなってしまうアリス。自分の涙でおぼれるアリスなど印象に残っています。

そんなケーキを食べてみたい、なんて思っていましたね。



「不思議の国のアリス」関連サイト

この小説はもちろんパブリックドメインなので、オリジナルも仏訳版もネット上で読むことができます。

いろいろなところにありますが、

Ebooks libres et gratuits

Auteurのところで Carrolle, Lewisを選べば、
・Alice au Pays des Merveilles
・Alice’s Adventures in Wonderland

続編の「鏡の国のアリス」
・De l’Autre côté du miroir
・Through the Looking Glass

の4作出てきます。

音声はこちらで聞くことができます。

ゆっくりめの読みですし、この人、うまいですね。

朗読はこちらにもあります。こちらは女性です。
Livre audio gratuit Alice au pays des merveilles de Lewis Carroll

最初の1分、BGMが入っていてうるさいのですが、そのうち消えます。

不思議の国のpenアリス

■関連記事

カミーユがヴァロンティーナの靴を「かわいい。アリスの靴みたいね」と言ってほめます⇒ビュット・ショーモン公園「虎と小鳥のフランス日記」第3話 

パリで行われたティム・バートン監督の展示会について⇒ティム・バートンの世界 アメブロです。

アリスと言えば、大昔、私が英会話学校に行っていたときのこと。
クラスメートに「ありさ」という名前の女の子がいました。
お父さんがジッドの「狭き門」のアリサから命名したとか。

自己紹介で「私はありさです」と彼女が言ったら、ネイティブの先生が「アリサ、ほ~、アリスに似てるね」とおっしゃいました。

あまりにも平凡な自分の名前がうらめしかったです。
それでは、次回の「タイトルのフランス語」をお楽しみに。

もっと「タイトルのフランス語」を読みたい方はこちらからどうぞ⇒『タイトルのフランス語』の記事の目次

「この話をとりあげて」、といったリクエストも承っております。






スタジオのカミーユTIPAの初アルバム紹介~「虎と小鳥のフランス日記」第145話前のページ

形容詞 (1)かわいいフランス語教えます~その28次のページクロッカス

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コメント

  1. penさん、こんにちは!
    フランス語のタイトル、とても興味深いです!
    それでは、アリスという名の語源は、ハイジと同じなのでしょうか?ハイジって、アーデルハイドですものね?意外でした!

      • フランス語愛好家
      • 2014年 4月 08日 11:15am

      シシィさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

      そうなんです。

      ドイツ語の名前の Adalheidis は フランス語では、Adélaïde

      この名前から派生した名前は
      英語の名前なら Ada, Addie, Addy, Della …
      フランス語なら  Alice, Alix, Alison …
      ドイツ語なら Adelheid, Ada, Aleida, Alida, Heida, Heidi

      ハイジは Heidiですから、起源は一緒ですね。

      アリッサとかアリシアなんかもこの仲間です。

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