アスプルモン

虎と小鳥のフランス日記

アスプルモン~プロヴァンス地方の小さな村「虎と小鳥のフランス日記」第19話

「虎と小鳥のフランス日記」のバックナンバー、今週は第19話の復習をしました。第16話 サン・マロ(ブルターニュ)から始まった2011年夏のヴァカンスシリーズの4つ目です。

今回はアスプルモンというニースの北13キロのところにある小さな村が舞台です。

カミーユのナレーションでこの静かな村が紹介されています。今回は会話ではなく、ディクテ用によい素材です。レベルとしては仏検準1ぐらいですね。

きょうのメニュー

  • 3つのキーフレーズ
  • キーフレーズの解説
  • 豆知識~丘の上の村~ヴィラージュ・ペルシェ(village perché)
  • それでは、ここがどんな場所なのか早速見ていきましょう。

    3つのキーフレーズ

    人口は2000人

    この村は海抜530メートルのところにあり、人口は2000人です。

    アスプルモン

    Le village se trouve à 530 mètres d’altitude et sa population est de 20000 personnes.

    定期的に買い物に来る

    アスプルモンの中心の広場に、住民は定期的に買い物に来ます。

    アスプルモン

    Sur la place principale d’Aspremont, les habitants de la commune viennent régulièrement faire leur marché.

    ・・・お店がなく、業者がバンに食べ物を積んできて、広場で販売するようです。

    洗濯するのに使っていた場所

    これは、昔、村人が洗濯物をするのに使っていた共同洗濯場です。

    アスプルモン

    Et voici la lavoir qu’utilisaient autrefois les villageois pour nettoyer leur linge.

    キーフレーズの解説

    être de (数量、値段などが)~である

    être de は「 ~の出身である」という意味が有名ですね。
    Pen est de Nagoya. penは名古屋生まれ。

    ほかにも数量や値段を言うときにも être のあとにdeがつきます。
    Le nombre des élèves de cette classe est de 40.
    このクラスの生徒の数は40名である。

    Le prix de ce livre est de 150 euros.
    この本の値段は150ユーロです。

    deをつけなくてもわかりそうなものですが、つけないとフランス人の耳には変に聞こえるようです。

    venir régulièrement faire leur marché

    venir + 不定法 は「~しに来る」という意味です。

    Venez déjeuner chez moi.
    私の家にお昼を食べに来てください。

    キーフレーズはこの venir と次の不定法の間にrégulièrement(定期的に)という副詞がはさまっている形です。

    このように動詞が2つ並んでいるとき、副詞があればあいだに来ることが多いです。

    動詞はいろんな事情で2つ並びますが、たとえば複合過去形なども、êtreかavoirのあとに、メインの動詞が来ますね。そのようなときも副詞があれば、あいだに来ます。

    J’ai beaucoup mangé.
    私はたくさん食べた。

    ただ、副詞の位置はわりと自由なので、いつもあいだにはさまっているとは限りません。強調したり、語調を整えたりという理由で、別の場所に行くこともあります。

    la lavoir qu’utilisaient les villageois

    関係代名詞のあとの倒置

    voici la lavoir これは共同洗濯場です。

    と言ってから、その洗濯場の説明を関係代名詞 que をつけて説明しています。queのあとの文を普通の並びにすると、

    les villageois utilisaient la lavoir 村人が使っていた洗濯場
    (utilisaient < utiliser 利用する の半過去形 3人称、複数)

    となりますが、主語のles villageoisと動詞のutilisaientがqueのあとで倒置(場所が逆になること)しています。

    前の名詞を説明する文が続く関係代名詞のあとで、このような倒置がよく起きます。

    ほかの例
    C’est un endroit où sont passés tous les plus grands musiciens de jazz.
    ここは最も偉大なジャズ・ミュージシャンたちが訪れてきた場所です。

    これは第73話 カルティエ・ラタンのスイングの聖地 のキーフレーズです。

    動詞 sont passés が関係代名詞où の直後に来て、そのあとに、主語tous les plus grands musiciens de jazz が続いています。

    関係代名詞のあとにje, tu, il, elleなどから始まる文が続くときは倒置は起きませんね。「主語が長いから倒置するのかな~」、と思っていいるですが、理由は定かではありません。

    読解などしていて、「なんか変?」と思ったら、動詞の活用に注意して、倒置の可能性を疑ってください。

    豆知識~丘の上の村 village perché

    アスプルモンはプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏の、アルプ・マリティーム県にいうところにあります。このあたりの高台には、昔、ムーア人、アラブ人、トルコ人などの敵が来られないように作られた要塞都市(ville fortifiée)であった村がたくさんあります。

    アスプルモンもその一つ。このような村の特徴は、丘や断崖など見晴らしのいい高いところにあり、簡単には侵入できないように、道が狭くて迷路のようになっていて、中世の名残の建物が残っているところ。

    ヴィラージュ・ペルシェとして有名なエズ村には、中世の町並みがたくさん残っており、夏場はツーリストスポットになっています。

    ヴィラージュ・ペルシェの例~エズ村

    ここは海に近い場所で、海抜420メートルです。かなり観光地化されている雰囲気ですね。アスプルモンは海抜530メートルなので、ここよりまだ100メートル上です。

    ☆「虎と小鳥のフランス日記」で出てきたほかの要塞都市:
    ベルヴェデール 第118話

    クルセグル 第119話

    きょうのおまけ~アスプルモンにいた猫

    アスプルモンの猫
    死んでいるわけではありません。

    あまり観光地化されていないこうした村では、猫もとってものんびりしていますね。

    それでは、次回の「虎と小鳥のフランス日記」の記事をお楽しみに。






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