フランス語でフランスのお菓子の作り方を学ぶコーナー。第27回は、フルーツのアップサイドダウンケーキです。
アップサイドダウンケーキは、日本語にすると「逆さまケーキ」。型の底にフルーツを敷き、その上から生地を流して焼いて、取り出すとき逆さまにします。
するとおいしそうなフルーツが上に来て見栄えのよいケーキになるのです。
フランス語で「逆さま」はランベルセ
アップサイドダウン(upside-down) は英語です。
フランス語では renversé (ランベルセ)です。renversé は renverser(ひっくり返す、逆にする)という動詞の過去分詞からできた形容詞。
renverser は envers(裏、裏側)からできた単語です。
上下を逆にするほか、立場・方向・順序を逆にする、という意味もあります。
例文:
Fais attention à ne pas renverser ton verre. コップを倒さないように気をつけなさい。
Un enfant a été renversé par une automobile. 子供が自転車にひかれた。
逆さまケーキは、gâteau renversé (ガトー・ランベルセ)です。
最初に紹介するのは桃のアップサイドダウンケーキ。フランス語で桃は pêche (ペッシュ)なので、桃の逆さまケーキは、gâteau renversé aux pêches となります。
ガトー・ランベルセに使われるフルーツは、桃のほかに、パイナップル、りんご、ブルーベリー、バナナ、洋梨など。お好みの果物で作ってみてください。
では、まず750gの桃のガトー・ランベルセの作り方です。
桃のアップサイドダウンケーキの作り方
材料
■カラメル用
カラメルとは、砂糖を焦がして茶色く香ばしくした液体です。
作り方
■下準備
オーブンを予熱
型にバターを塗っておく
生地に使うバターを室温で柔らかくしておく
- 桃の皮をむく
- カラメルを作る
- 桃を型に入れる
- 生地を作って型に入れて焼く
トマトの皮をむくのと同じ要領で湯むきします。
桃を熱湯に12~15秒ほど入れて取り出し、冷水に入れた後、包丁でちょっと切れ目をいれて、つるっと皮をむきます。
その後、桃をスライスします。
カラメリゼ用の砂糖と水を鍋にかけ、茶色くなるまで加熱。できあがったら、型に入れる。
切った桃を型に並べる(並べ型は動画を参照してください)。
バターをつぶし、砂糖を入れ、木べらで混ぜる
卵を1個ずつ割り入れ、そのたびにぐるぐるかきまぜる
小麦粉とベーキングパウダーを入れて、塩少々も加える
しっかりかき混ぜて生地のできあがり
生地を桃の上に入れて、表面をならす
180度で40分ほど焼く
焼けたら、型を反対にしてケーキを取り出す
見本のケーキの上に散らしているのはピスタチオだと思います。卵の泡立てがないのでひじょうに簡単にできるケーキです。桃が余っていたり、まずい桃に当たったらお試しください。
アプリコットのケーキの作り方
アプリコットを使ったケーキを紹介します。
材料
☆semoule はセモリナのこと。粒子の細かい砂糖ですが、粉砂糖ほど細かくはありません。グラニュー糖でも三温糖でも好みの砂糖を使ってください。
☆maïzenaは有名なコーンスターチのブランドで、「コーンスターチ」という意味で使われます。
コーンスターチは、fécule de maïs とか farine de maïs といいます。
fécule は「でんぷん」、maïsは「トウモロコシ」のこと。
■カラメル用
桃の逆さまケーキより一回り大きな型を使っているようです。
作り方
■下準備
オーブンを予熱
バターは溶かしておく
型にバターを塗って、小麦粉をはたいておく
- カラメルを作る
- アプリコットを型に入れる
- 生地を作って型に入れて焼く
鍋に砂糖と水を入れてカラメルを作る⇒型に流す
アプリコットを2つ割りにして、種をとって型に並べていく
ボールに卵を割り入れ、砂糖を入れてかきまぜる。ここへ溶かしバターを入れ、さらにかきまぜて、小麦粉とコーンスターチを入れる。よく混ぜて、さらにベーキングパウダーを入れてかきまぜる⇒生地のできあがり
できた生地をアプリコットの上に流して、180度で45分ほど焼く。(動画では、360度と言っていますが、これは華氏です)。
型から取り出してできあがり。
とても柔らかそうなケーキですね。
パイナップルのアップサイドダウンケーキ
アメリカのお菓子の本によくのっているパイナップルのアップサイドダウンケーキ、フランス風?
材料
■キャラメル用
作り方
■下準備:
オーブンを180度Cに予熱
バターを室温で柔らかくしておく
シリコンの型じゃない型を使う場合はバターを塗っておく
- カラメルを作る
- 型にパイナップルを並べる
- 生地を作って型に入れて焼く
鍋に砂糖と水を入れて、火にかけ、ときどきゆすりながらカラメルを作る。できたら、型に入れます
カラメルの上にパイナップルの輪切りを並べる
柔らかくしたバターをボールに入れ、砂糖を入れてかきまぜる
卵を1個ずつ加えて、さらにかきまぜる
ベーキングパウダーと小麦粉を入れてかきまぜる
ラム酒をいれてなめらかになるまでまぜて、生地のできあがり
パイナップルの上に生地を流し表面をならして、180度で30分ほど焼く
☆パイナップルの真ん中にチェリーをのせて作ることもあります。
パイナップルは缶から取り出して、ちょっと水を切るだけなので、簡単ですね。
なお、フランス語でパイナップルは ananas (アナナ) です。知らないと、バナナと思ってしまいますが、バナナは banane (バナヌ)です。
果物の名前はこちらで紹介しています⇒かわいいフランス語、教えます~その2果物編
★きょうのお菓子用語:fouetter 泡立てる;むち(鞭)で打つ、という意味もあります。fouet は 「むち」です。こちらの動画にもでてきました⇒フランス語で学ぶチョコレートの歴史
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アップサイドダウンケーキでちょっとめんどうなのはカラメル作りと、果物の用意ぐらいでしょうか? パイナップルを使えば簡単だし、子供にも受けます。
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