2018年の夏、日本はとてつもなく暑かったですね。
暑かったのは、日本だけではなく、地球のあちこちで、異常な暑さが観測されました。今回は、今年の猛暑をリポートしている、フランスの子供新聞記事を紹介します。
フランス語で猛暑は canicule です。たぶん、これから毎年暑いと思うので、この単語は覚えておいたほうがいいですね。
なぜこの夏はこんなに暑かったのか?
きみも気づいていましたね。この夏はすごく暑かったです。
2018年はこの100年のうち、2番めに暑かったのです。7月24日から8月8日まで猛暑が続きました。
この暑さの原因はなんでしょうか?
この現象を理解するために、franceinfoのちびっこジャーナリストたちが、メテオ・フランス(フランスの気象庁)の気象予報士に質問をしました。
フランス北部の街も暑かった
この夏休み、どこにヴァカンスに行っても、フランス国内でも、ヨーロッパでも、すごく暑かったはずです。
多くの地方で、長いあいだ、こんなに気温が上昇したことはありませんでした。
たとえば、リールでは摂氏37度を越えました。北フランスの都市であるこの場所にとっては最高記録です。さらにポルトガルでは、摂氏46度を越えました。
真夏の熱波は終わりましたが、赤ん坊や高齢者といった身体の弱い人にとっては、暮らすのが困難な暑さでした。
暑さにやられない対策を知りたいなら、こちらの動画を見てください。
canicule とは何?
C’est quoi la canicule ?
トランスクリプト
C’est une période de très forte chaleur qui dure au moins 3 jours d’affilée… de jour comme de nuit !
Ce phénomène météorologique a lieu de juin à août, pendant les mois où les températures sont les plus élevées.
« Canicule », du latin Canicula, signifie « petite chienne » et désigne l’étoile Sirius, la plus brillante du ciel, dans la constellation du Grand Chien.
Il y a longtemps, on pensait que cette étoile, qui apparaît et disparaît avec le soleil en été, était responsable des chaleurs excessives. C’est faux, bien sûr !
Mais la canicule est-elle dangereuse ?
Oui, on peut même mourir de chaud si on ne respecte pas certaines précautions.
Il faut boire très régulièrement pour ne pas se déshydrater et maintenir la température du corps autour de 37 °C.
Et surtout ne pas sortir ou faire du sport aux heures les plus chaudes de la journée, entre 12h et 16h quand le soleil est haut dans le ciel.
Les gens qui courent le plus de risques sont les personnes âgés, les jeunes enfants et les femmes enceintes.
En 2003, un épisode de canicule de 15 jours a frappé la France.
Il a causé 15 000 morts, soit 2,5 fois plus qu’en temps normal.
Depuis, l’Etat a mis en place des mesures de prévention. Ce Plan canicule est prêt à être déclenché chaque été.
Alors, pense à boire et à t’éventer, à porter des vêtements légers et à rester dans des endroits frais en cas de canicule.
和訳
それは、ひどい暑さが昼夜3日以上続くことです。この気象現象は7月から8月にみられ、この2ヶ月のあいだに、気温がとても高くなります。
canicule はラテン語のCaniculaから来た言葉で、意味は、「メスの子犬」です。Caniculeは、シリウス星のことでもあり、この星は、おおいぬ座の中でもっとも明るい星です。
シリウス星は、夏のあいだ太陽と同時に表れ、消えるので、昔、人々は、この星のせいで、すごく暑くなるのだと考えていました。もちろん、これはあやまりですよ。
ところで、熱波は危険なのでしょうか?
はい。ちゃんとした予防をしなければ、暑さのせいで死んでしまうことすらあります。
脱水症状にならないように、まめに水を飲み、体温を37度あたりに保たなければなりません。
1日のうちでもっとも暑い、太陽が高い位置にある、12時から16時までは、外にスポーツをしに出かけてはいけません。
もっとも危険なのは、高齢者、小さな子ども、妊婦です。2003年、15日間続く熱波がフランスを襲いました。このとき、15000人が亡くなりました。これは、通常時の2.5倍になります。
この時以来、政府は予防措置を敷きました。この対策は、毎年夏になると、いつでも始動できるようになっています。
熱波のときは、水を飲んだり、あおいだりし、涼しい服を着て、涼しい場所にいてください。
熱波は地球温暖化と関係あるの?
今年の熱波は地球温暖化と関係があるのでしょうか? 今後も、暑さはどんどんひどくなるのでしょうか?
専門家の中には、「そのとおりである、警戒するべきだ」という人たちもいます。
詳しいことを、franceinfo junior のちびっこ特派員が、フランス気象庁の気象予報士、エマニュエル・ドゥマエルに聞きました。
[このあと、インタビュー音声があります。興味のある方は聞いてください]
元記事 → Pourquoi a-t-il fait si chaud cet été ?
単語メモ
ingénieur prévisionniste 気象予報士
canicule 盛夏、猛暑、熱波
d’affilée 一気に、続けざまに
de jour comme de nuit 昼も夜も
la constellation du Grand Chien おおいぬ座
南天の星座の1つ。アルファ星はシリウスで、全天でもっとも明るい恒星です。
la canicule は 土用、三伏(さんぷく)という意味もあります。これは、シリウス星が太陽と同じ時刻に昇り、没する7月22日から8月23日までのことです。
se déshydrater 脱水症状になる
courir un risque/des risques 危険を冒す
déclencher ~を始動させる
s’éventer (自分を扇などで)あおぐ
canicule 関連動画
最後に、C’est quoi la Canicule ? というタイトルのショートフィルムを紹介します。1分ほどです。
カニキュルって何と聞く幼い女の子とお母さんの会話です。フランス語の字幕を出すこともできます。
「地球が病気になると、人も病気になるの?」と女の子が聞いた直後に、通行人がタバコの箱を落としますが、実はタバコは地球温暖化に関係があります。これは日本では、あまり知られてないかもしれません。
タバコの葉を乾燥させるために、アフリカやアジアにある木を切って作った薪が大量に使われているのです。つまり森林破壊です。
その点を説明している動画です(英語、2分)。
そもそもたばこは、人体によくありません。年間、700万人の人を殺していると言われます。
もちろん喫煙すれば有害物質が空気中に放出されるし、たばこの吸殻はゴミの山を作ります。
たばこは、ヘルスケアのコストをあげているだけでなく、環境にもかなりの負荷をかけているのです。それでも、たばこが好きな人はやめないのでしょうね。まあ、需要があるから、製造されるのですが。
たばこ関連の記事はこちら⇒最近のフランスのたばこ事情。政府は禁煙を奨励。
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2003年のヨーロッパの熱波により、フランスで、たくさんの死者(ほとんどが高齢者)が出たのは、もともと暑くならない北のほうまで暑くなったからです。
空調設備がない場所が多かったし、皆、暑さに慣れていなかったのでしょう。
日本では、きのう大きな台風がありました。これからは、想定外の災害がどんどん起きるかもしれません。
地球が病気になると、人間はもろにその影響を受けますね。
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