日本には「栗」と言ったら「栗」しかありませんが(ドングリはあるけど)、フランス語には、栗を意味する単語は、marron (マロン)と、châtaigne (シャテーニュ)の2つあります。
2つの栗の違いを説明している2分の動画を紹介します。
タイトルは、CHÂTAIGNE VS MARRON : quelles différences ?(シャテーニュVSマロン、違いは何?)
CHÂTAIGNE VS MARRON
2分17秒。
トランスクリプション
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Salut les Épicurieux.
Connaissez-vous la différence entre le marron et la châtaigne ?
Voici une châtaigne, je l’ai ramassée à côté de chez moi dans la forêt.
Elle se trouvait enveloppée dans une bogue comme celle-ci recouverte de piquants.
On en fait de bonnes soupes très riches…
Mais aussi d’excellentes crèmes et de délicieuses friandises.
Mais pourquoi dans ce cas-là, parle-t-on de “marron” et non plus de “châtaigne” ?
Pourquoi déguste-t-on la dinde avec des marrons et non pas des châtaignes ?
Alors que le fruit du marronnier n’est pas comestible.
D’autant que, même s’ils se ressemblent impossible de les confondre.
La châtaigne peut avoir plusieurs faces plates et elle est surmontée de petits poils qu’on appelle “la torche”.
Pas le marron, qui vous le voyez lui, a une forme patatoïde.
Alors d’où vient cette confusion ?
En fait en cuisine, le terme marron est utilisé pour désigner une châtaigne bien ronde et volumineuse.
Comme celle-ci !
Ce terme est issu de l’italien, “marrone”, qui signifie grosse châtaigne comestible.
Du coup en France, il existe plusieurs variétés de châtaignes qu’on n’appelle pas châtaignes mais marrons: le marron de Lyon, de Goujounac, de Laquépie, ou encore celui de Paragon…
Pendant très longtemps, le marron fut une nourriture de base dans les campagnes du sud de la France.
On en fait de la farine.
D’ailleurs dans certaines régions le châtaignier était surnommé “l’arbre à pain” ou encore “l’arbre à saucisses”.
Car ses fruits servaient à engraisser les cochons !
C’est marron !
Euh… C’est marrant !
シャテーニュとマロン
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エピキュリユーのみなさん、こんにちは。
マロンとシャテーニュの違いを知っていますか?
これが、シャテーニュです。家の近くの森から採ってきました。
いがに包まれています。たとえばこんなふうに、とげにおおわれています。
これでとてもこくのあるスープができます。
でも、クリームやおいしいお菓子にもなります。
それならば、どうして、「マロン」と言って、「シャテーヌ」とは言わないんでしょうか?
なぜ、七面鳥をマロンと食べて、シャテーヌとは食べないのでしょうか?
それは、マロニエの果実は、食べられないからです。
この2つはよく似てはいても、混同するはずがありません。
シャテーニュは、平らな面がいくつかできることがあり(pen註釈:割れ目や筋があるということですかね? マロンはつるっとしています)、一番上に「トーチ」(la torche)と呼ばれる短い毛があります。
マロンは違います。ごらんのように、パタトイドの形をしています。(pen註釈:patatoïdeはポテト patate からきた言葉で、wikipediaによれば、じゃがいものような表面です。でもマロンはつるっとしているので、この説明は、私にはピンと来ません。形の違いは後半で紹介している2つ目の動画を見るとよくわかります)。
では、どうして混乱するようになったのでしょうか?
実は、料理の世界では、丸くてボリュームのあるシャテーヌをマロンと呼んでいます。
たとえば、こんな栗です。
マロンは、イタリア語で、大きな食用のシャテーニュを意味するマローネ(marrone)から来た言葉です。
フランスでは、シャテーニュと呼ばず、マロンと呼ぶシャテーニュがいくつかあります。「マロン・ド・リヨン」「マロン・ド・グジュナック」「マロン・ド・ラケピ」「マロン・ド・パラゴン」など。
ずいぶん長い間、マロンは南仏の田舎の主食でした。
栗から粉を作っていました。
栗の木のことを、「パンの木」や「ソーセージの木」と呼ぶ地域もあります。
家畜を太らせるために栗の実を使ったからです。
おもしろい(marron)ですね。
いえ、おもしろい(marrant)ですね。
(*発音が似ている、marron と marrant の洒落で、marron に「おもしろい」という意味はありません)。
単語メモ
la bogue いが
un piquant とげ
comestible 食べられる、食用の
d’autant que + ind. ~だから、だけに
patatoïde ジャガイモのように、でこぼこした表面。
みんなシャテーニュを食べている
(食用の)マロンとシャテーニュは、実は同じものです。
日本で有名なのは、圧倒的にマロンですが、みんなが、「マロンだ、マロンだ」と喜んで食べているのは厳密に言うと、すべて、シャテーニュです。
マロニエの実であるマロンは、見た目がシャテーニュによく似ていますが、毒があるので食べることはできません。
だから、マロンと呼ばれていても、食用はすべてシャテーニュなのです。
それなら、「マロン・グラッセ」は、「シャテーニュ・グラッセ」と呼ぶべきなのでは? と思いますが、食用のシャテーニュは、たいてい、マロンと呼ばれているので、マロン・グラッセでいいのです。
栗の粉をベースにした食べ物は、シャテーニュという名称を使うことが多いです。
マロンは、食用に合うよう栽培したシャテニエ(châtaignier、栗の木)からとれる栗、と理解してもOKです。
なお、シャテニエから採れる実(つまり栗)には、シャテーニュだけでなく、マロンと呼ばれる栗もありますが、このマロンも人間の食用です。
食べ物の栗のことは、マロンと呼び、栗の栽培の話をしているときに出てくる栗は、シャテーニュと呼べばいいですね。
栗・関連動画
■Quelle est la différence entre MARRONS ET CHÂTAIGNES ? On vous dit tout !(マロンとシャテーニュの違いは何? すべて説明します)
2分
マロンとシャテーニュはいがの形が全然違いますね。
人間が食べない栗(シャテーニュ)は、飼料に使われていて、「家畜と一緒にしないでほしいわ」と思った高貴な人たちが、シャテーニュをマロンと呼び始めた、というのはおもしろいですね。
■Comment reconnaître la châtaigne et le marron, très simple(シャテーニュとマロンの見分け方:すごく簡単)
2分50秒。
タンタンみたいに毛がついている、という説明がわかりやすいですね。
■Enquête : tout sur la châtaigne, trésor de l’automne (調査:秋の宝物、シャテーニュのすべて)
6分30秒。
フランスの栗と日本の栗は品種が違うみたいで、このページにある栗は⇒栗の魅力を探ってみよう:農林水産省 上に毛がついていません。それともとったあとの写真なのか?
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農林水産省のページによると、私たちが食べているのは栗の果肉ではなく、種の部分だそうです。
いが⇒皮
鬼皮⇒果肉
鬼皮を向いた部分⇒種(渋皮含む)
栗は1つひとつが小さくて、いがと鬼皮に厳重に守られているから、収穫も料理も手間がかかりますね。
お久しぶりです。栗の美味しい季節ですね。先日までNHKで放送されていた、アストリッドとラファエルというフランスのミステリードラマにハマってCSで纏めて観ました。それで仏繋がりで?このブログにたどり着きました。またフレンチポップスの訳詞をリクエストしますね。
ルゥルゥさん
こんにちは。
栗のみならず、いろいろおいしい季節ですね。
アストリッドとラファエル、知ってます。
確か、パイロットは全部見ました。
(フランス語で見たので、あまりよくわかっていません。
自閉症のほうの人、突然だだだだーっとしゃべるので
全くついていけません)。
NHKで放映されるなんて、人気のドラマなんですね。
はい、フレンチ・ポップスのリクエスト、してください。
(前のにまだ応えてきれてないけど^^;)
コメント、ありがとうございました。
pen
アストリッドとラファエル、シーズン3までみたのですが、アストリッドのボーイフレンドになるのが日本人で、ヤクザの話の回とか面白かったです。私は全くフランス語ができないので、日本語字幕が頼りです。ずっと見てたらアストリッドの平坦な喋り方と仕草、チャーミングに思えてファンになりました。次のシーズンが待たれます。
ルゥルゥさん
アストリッドって自閉症の方のほうですよね。
ボーイフレンドが登場するんですね。
シーズン3まであるということは、やはり人気なんですね。
私も、もう一度、気を取り直して見てみようかと思います。
pen