エジプトの遺跡から発見された壺に残って油から、死体の防腐処置技術がわかったと伝える2分のニュースを紹介します。
タイトルは、Égypte antique : le mystère de l’embaumement résolu(古代エジプト:防腐処置の謎が明らかに)
Le mystère de l’embaumement
トランスクリプション
La nécropole de Saqqarah, à 30 km au sud du Caire. Un site archéologique exceptionnel. On y trouve la plus ancienne pyramide construite par l’homme et un ensemble de tombes, royales ou non, qui ne cessent, année après année, de livrer leurs secrets.
Aujourd’hui c’est le mystère de l’embaumement qui s’éclaircit. Il y a sept ans, à treize mètres sous terre, des égyptologues ont découvert un atelier qui servait à la momification. À l’intérieur, plus d’une centaine de récipients en céramique.
Cette jarre, c’est mon petit trésor car elle contient des traces d’huile piégée à l’intérieur de la paroi. On ne sait pas de quelle huile il s’agit, de quelle plante elle a été extraite. Mais aujourd’hui on va avoir la chance de savoir exactement quelle huile a été versée dans cette jarre.
Les résidus ainsi que les instructions figurant sur les poteries sont analysés pendant trois ans par une équipe de spécialistes. Première surprise, certaines essences utilisées venaient de très loin, d’Asie du Sud-Est notamment. Autre découverte, il y avait plusieurs recettes, certaines pour la tête, d’autres très subtiles pour le corps.
On a un mélange de graisse de ruminants mélangée avec l’huile de genévrier, avec de l’huile de cèdre, de l’huile d’olive, de l’élémi… Et on a même des marqueurs moléculaires qui montrent que ça a été chauffé et cuit ensemble. Donc on a finalement tout le procédé de la recette et jusqu’au dernier récipient qui servait à cuire tout ça ensemble avant l’application sur la momie.
L’embaumement avait pour but de permettre au défunt d’arriver intact dans l’au-delà. Grâce à ces recettes, ils ont en tout cas traversé 2 500 ans d’histoire.
防腐処置の謎・和訳
カイロから南へ30キロ行ったところにあるサッカラの大埋葬地。考古学にとっては、並外れた場所です。
ここには、人類が建てた最古のピラミッドや、王族かそうでないかにかかわらず、年々その秘密が明かされ続けている一連の墓があります。
今日明かされつつあるのは、防腐処理の謎です。
7年前に、地下13メートルのところで、エジプト学者たちが、ミイラ作りに使われていた作業場を発見しました。
内部には、100個以上の陶器の入れ物があったのです。
– この壺は私のちょっとした宝物です。内側に油の残りが閉じ込められているからです。その油が、どの植物から取ったものなのかはわかりません。でも、今は、この壺に注がれた油が何であるのか、正確に知ることができます(知る機会があります)。
陶器に残留していた物質と説明書きは、3年かけて専門家のチームが分析しました。
まず驚いたのは、いくつかの油は、遠い場所、とくに東南アジア由来のものだったことです。
次にわかったのは、いくつかレシピ(調合法)があることで、頭用のものや、体用のとても巧妙なものがあります。
– ジェニパー油、シダー油、オリーブ油、エレミなどが混ぜ合わさった油脂が残っていました。さまざまな油を一緒に加熱し、火を通したことを示す分子レベルのマーカーもあります。最終的に、調合のすべてのプロセスと、ミイラに使う前に、油を混ぜて火を通すのに使った入れ物までが、手に入ったのです。
防腐処理の目的は、死者をそのままの状態で来世まで送り出すことでした。いずれにしろ、これらの調合法のおかげで、死体は2500年の歴史を経ることができたのです。
単語メモ
une nécropole 古代の大規模な墳墓、墓所
livrer (秘密などを)もらす
s’éclaircir 明らかになる
Cette affaire ne s’est pas encore éclaircie. その事件はまだ解明されていない。
piéger ~を罠で捕らえる
une graisse 油脂
un genévrier ヒノキ、ジェニパー
un élémi エレミ(樹脂)
古代エジプト・関連動画
Secrets d’Histoire JUNIOR : l’Égypte antique(歴史の秘密、ジュニア:古代エジプト)
エジプトの古代文明について、子供向けに平易なフランス語で説明している動画。
4分20秒。
ピラミッドをはじめ、エジプトに関しては、まだたくさんの謎があります。
L’Égypte ancienne – 5 choses que tu devrais savoir – Histoire pour les enfants (古代エジプト:知っておきたい5つのこと-子供の為の歴史)
これも子供向けの動画でアニメーションで説明しているのでわかりやすいです。
2分25秒。
■関連記事もどうぞ⇒ラスコー洞窟はどんなふうにして発見されたのか?
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エジプト学という学問があるぐらい、エジプトは探究しがいのある場所のようです。
でもいったいどうやって、あんな大昔に、死体が腐らないような香油の調合法を見つけることができたんでしょうか?
不思議といえば、ピラミッドの建設方法もまだわかっていません。
文明は進化したはずなのに、昔の人にできたことで、今の人にできないことがあるんですね。
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