「虎と小鳥のフランス日記」のバックナンバー、きょうはピガールのエピソードをご紹介します。
ピガールはパリの北のほうにある場所で、9区と18区のあたり。
ムーランルージュ(Moulin Rouge)があるところですね。
歓楽街として有名ですが、モンマルトルとは逆の方向のピガールの南のほう(9区)には楽器屋さんがたくさん並んでいます。
ここでカミーユが、サックスを首からさげる使うストラップを探すというのが今回の趣向です。
どの店にあるのかわからないけど、とりあえず買いに来たのです。
今回のエピソードの特徴は長いこと。4分45秒ぐらいあり、スクリプトのPDFも3枚あります。
30~40話のあたりのエピソードは長いものが多いですね。
しかも、45話は聞き取りが難しいです。熟語が多いし、しゃべりが早いです。
では、いつものように3つのキーフレーズを紹介します。
3つのキーフレーズ
キーフレーズその1
地下鉄から出てきました。
私が背負っている、この可愛い動物のために、ある物を買いに行きます。でも、何かは言わないわよ。こっちです。
キーフレーズその1にすでに文が三つもあります。
背中の動物というのは、ケースに入った彼女のサックスです。
キーフレーズその2
地下鉄の駅から歩いて、ドゥエ通り(la rue de Douai)に来ました。
ここが楽器街です。
カミーユはアントワーヌに「実は私が探してるのはcordelière(ストラップ)なの。これって何かわかる?」と言います。
アントワーヌがわからないと言ったので、それは首にかけるものなんだけど、と説明します。
それで、丈夫で柔軟なサクソフォーン・ストラップを見つけなければ。でもどこに行けばいいのかな?何かいいアイデアある?
キーフレーズその3
最初の店にはなかったので、2件目の店にやってきました。
親切な店のおじさんが、いらっしゃいませ、どうぞこちらへ、と言うのに対して
ありがとうございます。私のサックス用に、サクソフォーン・ストラップを探しているのですが・・。
答え
1. Je vais acheter quelque chose pour mon petit animal derrière. Mais je te dis pas quoi. On va aller par là.
2. Donc y faut que je trouve une bonne cordelière, bien élastique. Donc euh…j’sais pas trop où aller. T’as une idée toi ?
3. Merci, je…en fait je cherche une cordelière pour euh…un sax…pour mon saxophone.
店のおじさん。親切な人でした。
cordelière(ストラップ)をつけて様子をチェック。30ユーロでした。
キーフレーズをちょっぴり解説
1.On vas aller par là. こっちよ。
こっちの方向に行きましょう、という意味です。
là ってけっこう出てきますね。時間的に今、という意味のときもあるし、場所がこっち、という場合もあります。
2.Donc y faut que je trouve une bonne cordelière
このyはilのことです。il faut que ~しなければならない、のくだけた表現です。
ここでは、y faut que je trouveを一気に、ひじょうに早口でしゃべっています。しかも、となりでバイクがブワ~ンと通りすぎてるので、ますます聞き取りにくいです。
bonne cordelièreのところを強く、ゆっくりしゃべっているので、ああ、ストラップがほしいのね、とわかるぐらいでしょうか。
3.j’sais pas trop où aller …どこへ行けばいいのかわからない
j’sais pas = je ne sais pas
j’sais pas trop où allerも早く言っており、しかも、顔をむこうにむけてるので、マイクがあんまり音を拾ってないのか、パトロアレ みたいにしか聞こえないですね。
4.T’as une idée toi ? ねえ、なにか(いい)考えある?
どこに売ってるか知ってる?ということです。
T’as une idée toi ? = Tu as une idée toi ?
ここはタニデトワと聞こえます。
今回のキーフレーズは、構文は難しくないのですが、カジュアルな表現であり、早く話しているので、聞き取りが難しいです。
ここが一発で聞き取れれば、相当自信を持っていいのではないでしょうか? 私はスクリプトを見ながら聞いても「う~む」とういうレベルです。
きょうのアルバム
街の様子を一枚におさめました。雰囲気がわかるでしょうか?
きょうの豆知識:ムーラン・ルージュ
ピガールでひときわ目立つ赤い風車、ムーラン・ルージュについてご紹介します。
Moulin rouge のmoulinは風車、rougeが赤い、という意味の単語です。
いわゆるミュージック・ホールで、一流アーチストによるさまざまなショーが行われています。ショーを見る時、高いお酒やご馳走を食べることができるようです(未体験です)。
ムーラン・ルージュは、1889年のパリ万博のときにダンス・ホールとして誕生。
フレンチカンカンという踊り子さんがみんなで足をふりあげる踊りで有名ですね。
1914年火事で焼けてしまい、1918年にミュージック・ホールとして新たに作られ、ダンス・ホールはその隣に建設。
現在のムーラン・ルージュと呼ばれている場所はダンス・ホールのほうです。
画家のトゥールーズ・ロートレック(1864-1901)が、ムーラン・ルージュのポスターや絵をたくさん描いていますね。
この動画は英語ですが、彼の絵のモデルであり、ムーラン・ルージュの人気ダンサー、ジャンヌ・アヴリルを描いた作品を集めた展覧会の説明です。
3分55秒
動画では、ロートレックがムーラン・ルージュにいるところを別の画家が描いた絵が紹介されていましたね。
昔のムーラン・ルージュにあった大きな象は万博から買い取ったものだそうです。ものすごく目立っていたことでしょう。
この記事へのコメントはありません。