ダリア

虎と小鳥のフランス日記

ファッション・ウィークその2~虎と小鳥のフランス日記 第124話

今週の「虎と小鳥」はファッション・ウィークその1~第123話の続編です。

2013年10月1日、パレ・ド・トーキョーという美術館で、アニエス・ベーのデフィレ(ファッション・ショー)が行われました。

今回は、カミーユとアントワーヌがアニエス・ベーにお勤めの女性3人に会場のそばでインタビューしています。

今回はおしまいのほうに発話が入っているので、きょうはまずここを学習しました。

きょうのメニュー

  • サンプル部分のフランス語チェック
  • 大切な表現3つ
  • 表現のプチ解説
  • アニエス・ベーが監督した初の長編映画 «Je m’appelle Hmmm…»
  • それでは早速復習、行ってみよう!

    サンプルに出てきた発話のスクリプトと和訳

    Le décor c’était…euh…donc des…
    Voilà.
    Comment ça s’appelle ces fleurs ?
    Dahlias.
    Des dahlias.
    Des dahlias, qui étaient disposés tout autour, et donc euh…voilà.

    装飾…、これは、えーと…。
    これね。
    この花の名前は何だったかしら?
    ダリアよ。
    ダリアね。
    ダリアですね。この花で(会場の)まわり全体を囲っていました。

    使えそうな表現は
    Comment ça s’appelle ces fleurs ?
    ですね。
    des fleurs のところをいろんな名詞に入れ替えて、物の名前をど忘れしたときに聞くことができます。

    disposer 並べる、配置する
    autour まわりに、周囲に
    dahlias ダリア Hを読みませす。。
    ダリアは上の写真のような花です。

    ★ほかの花の名前はこちらをどうぞ⇒かわいいフランス語、教えます~その12 花の名前

    今週の表現

    その1 いつもの決まりです

    それが、決まりなんです。

    アニエス・ベー 2014ss

    C’est une institution.

    ロックのテーマとグラフィックなデザインはアニエス・ベーのコレクションにいつも登場する、という話です。

    その2 知らなかった

    私、知りませんでした。

    パレ・ド・トーキョー

    Moi j’me rends pas compte.

    なぜファッション・ショーのシーズンは現実のシーズンより半年早いのか、その理由を教えてもらったあとのカミーユの言葉。

    しかし、ここは声が小さくてほとんど聞き取れませんでした。

    その3 行われる

    この期間中、他のデフィレもパリで行われていました。

    パリ ファッション・ウィーク

    Et pendant ce temps, d’autres défilés ont lieu dans Paris.

    ここは最後のアントワーヌのナレーションの部分より。「ファッション・ウィークのあいだ、ほかのデザイナーのショーもある」、ということですね。

    表現をちょっと解説

    習慣、決まり

    institutionは「制度」という意味ですが、口語で「習慣、決まり」という意味があります。また、皮肉として「制度、ある分野における権威、カリスマ的存在」という意味で使うこともあります。

    La corruption est ici une véritable instituion.
    買収はここでは全く制度と化している。

    ~に気づく

    se rendre compte de qc/que+直接法
    ~に気づく、~を理解する、納得する

    あなた、事態に気づいているの?
    Tu te rends compte de la situation ?

    行われる

    avoir lieu
    これはこのまま覚えるべき表現。
    「虎と小鳥のフランス日記」にもよく出てきます。

    La cérémonie d’inauguration aura lieu demain à 9 heures.
    開会式はあす9時から行われる予定です。

    きょうの豆知識~アニエス・ベーが監督した初の長編映画

    第123話で、

    Agnès B, c’est aussi quelqu’un d’important dans le milieu de l’art, du cinema.
    アニエス・ベーはアートの世界や映画界でも重要人物です。

    と出てきましたが、彼女はもともと大の映画好き。いわゆるシネフィル (cinéphile 映画狂)です。

    これまでさまざまな映画に衣装を提携、また、カンヌ映画祭を後援したり、自身の映画製作会社を持っていましたが、ついに、自ら映画を作りました。

    その長編第1作が «Je m’appelle Hmmm…»
    邦題は「私の名前は…」

    YouTubeに予告編が2つあがっているのでご紹介しますね。

    舞台は南仏のボルドーから始まります。ある日女の子が赤いトラックに乗り込みます。

    彼女は父親に性的な虐待を受けているのです。というのもお母さんは毎晩遅くまで働いていて、お父さんは無職でずっと家にいるんですね。

    彼女は3人姉妹の長女で11歳。学校から海辺に遠足に出かけたとき脱走します。

    もう一つの予告編には、この映画のタイトルが出てきます。

    乗り込んだトラックの運転手はフランス人ではなく、スコットランドの人で、ふだんは英語をしゃべっているようです。といっても、女の子が乗り込んでくるまでは一人ぼっちだったのですが。

    彼に名前を聞かれても、女の子は答えることができません。そして、2人の旅が続きます。

    いわゆるロード・ムービーですね。

    この映画は、第14回東京フィルメックス(2013年11月23日~12月1日)で、特別招待作品として上映されます。

    東京だけですが、興味のある方は足を運んでみてください。

    私はこの作品を見ていませんが、不幸な家庭環境、家出、海辺、逃走などから、トリュフォーの「大人はわかってくれない」を思い出しました。






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