カスカード通り

虎と小鳥のフランス日記

カスカード通りで議論する「虎と小鳥のフランス日記」第6話

今週の「虎と小鳥のフランス日記」のバック・ナンバーはパリの20区にあるカスカード通りが舞台です。

ここは古き良きベルビル・メニルモンタン地区で下町。パリの北のほうです。

ここのカフェで、カミーユと友だちのヴァロンティーナがちょっとした議論をしています。といっても、熱心にしゃべっていたのはバロンティーナだけですが。

その後、ここにある古い銅版画の印刷所で、店の人が銅版画の印刷方法を説明してくれます。

前半の2人の会話は、ごくふつうのネイティブの会話で難しく、後半の印刷の説明は、情報量が多くて難しい、という2つの違った難しさが楽しめる回です。

きょうのメニュー

  • キーフレーズ3つ~議論を展開
  • 文法ワンポイント
  • 銅版画
  • それでは、復習、行ってみよう。

    キーフレーズ

    その1 でもね

    最初にヴァロンティーナが、「ここは自転車があれば何でもできる」と言ったのに対して、カミーユが

    うん、でも、でもね、登り降りがたくさんあるし

    カミーユ

    Ouais mais quand même y’a beaucoup de montées et de descentes, hein.

    坂が多いから自転車はきついよ、ということですね。

    それに対して

    その2 だから

    うん、でもだからこそ、ここから見える所はメトロがない場所なのよ。だって、そこまで行けばメニルモンタン通りだけど、バスだもの。

    ヴァロンティーナ
    Ouais, mais justement, c’est les coins où tu vois, y’a un vide de métro. Parce que t’arrives là, t’est à la rue de Ménilmontant, et là c’est les bus.

    「坂がいっぱいあるから、メトロがない、だから自転車よ」ということです。

    その3 おわかりでしょうが

    印刷所で、銅版画の説明です。

    そして、インクを塗りますが、おわかりだと思いますが、この「人形」と呼ばれる、これを使います。

    印刷所

    Et on met de l’encre, vous voyez c’est avec une « poupée »:on appêlle ça.

    プペ(人形)と呼ばれる、てるてる坊主みたいな布切れで、インクを塗っていくのだそうです。

    文法ワンポイント voir の2つの意味

    見える

    2つ目のキーフレーズの

    c’est les coins où tu vois,
    直訳:あなたに見えているこのあたり。

    のvoir は「見る、見える」という意味。

    De sa maison, on voit les montagnes.
    彼女の家から山々が見える。

    わかる

    その3の vous voyez の voirは「わかる、認める、気づく」という意味。

    Tu vois.
    わかると思うけど。

    Vous voyes.
    わかると思いますが。

    Je vois.
    ああ、なるほど。

    Je verrai. あとで分かるだろう、様子を見よう、よく考えてみよう。 (単純未来)

    銅版画 la gravure

    銅版画は、銅板に線を彫ったり、酸で腐食させて絵を描き、そこにインクを入れ印刷します。

    ビデオに出てきたのは、とても古い印刷所とのこと。説明してくれた手法も昔ながらのものです。

    銅版画の手順(店の人の説明)

    1.彫る(いろいろな道具や薬品を使用)
    2.版をヒーターにのせ加熱
    3.インクを版全体に塗る。(プペを使用)
    4.新聞紙やターラタン(tarlatane インク拭き取り用の丸めた寒冷紗(かんれいしゃ)*でインクをこすって、彫った溝や穴にインクを入れる。
    5.表面のインクをきれいに拭き取る。
    6.版を印刷機にのせる。
    7.その上に紙をのせる。
    8.その上にフェルトをのせる。
    9.すべてを印刷機に通し、インクが紙に移れば完成。

    *寒冷紗:折り目の荒い薄手の布地。濃いのりで仕上げて、カーテン、かや、造花、芯地などに使用。

    印刷機の圧力はとても強いそうです。彫リ方や彫るために使うものによって、いろいろな手法があります。

    関連動画~銅版画の作り方

    このビデオではおじさんが銅版について説明してくれています。


    このGACHET GRAVEUR という動画はいくつかに分かれているので、興味のある方はぜんぶ見るといいと思います。

    銅版は西洋美術の世界でもっとも広く用いられた版画の技法です。

    日本の浮世絵は木版画の一種で、版の出っ張っている部分にインクをつけて刷るので凸版画です。

    きょうのアルバム 銅版印刷のアトリエの様子

    印刷所

    いかがでしたか?

    銅版画を彫るのはとても細かい仕事ですね。今は、顕微鏡のようなツールがありますが、昔の人はどうやっていたんでしょうね?酸を使うから危険でもあります。






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