質問サイトなどで、たまに「可愛いフランス語を教えてほしい」という文句を見かけます。
店の名前や自分のブログの名前にイメージのいいフランス語の単語を使いたい方がそうした単語を探しているのだと思います。
かわいい単語がいっぱいあると思われているのはフランス語だけではないでしょうか? あんまり「可愛い英語教えてください」とか「可愛いポルトガル語ありますか」とか「可愛い韓国語知りたいです」というのは見ませんから。
私は「これは発音難しすぎだろ」と思う単語はあるにしても、特にかわいいなという物にはまだ出会っていません。
しかし最近好きな言葉がひとつできました。
それは le Système D (ル スィステム デー)です。
le Système D
はじめてこの単語を知ったのは、「お風呂で読むフランス語 単語帳」を本当にお風呂でながめていたときです。
115ページのライフスタイルのグループにあります。
ちなみにこの単語のすぐ上は la qualité クオリティ、すぐ下がéquilibré(e) バランスのとれた です。
両方とも自分のライフスタイルにあればうれしい言葉です。
le Système D の意味は
「うまくやる (Dシステム)」
「うまく切り抜ける」débrouiller, またはくだけた表現 démerder のD。生活の工夫
です。実はこれを読んだだけでは今ひとつピンと来なかったので、あとでdébrouillerを辞書でひきました。
意味は(糸などの)もつれを解く、(紛糾した事態、謎などを)解明する
とあり、
代名動詞の se débrouillerは (話)なんとかやってのける、(困難を)なんとか切り抜ける
そして、Il se débrouillera tout seul. 彼はひとりでなんとかうまくやっていくだろう。
という例文がそえてありました。「おお、システムDのDはこれだな」と思い、私はこの説明をぐるっと鉛筆で囲っておきました。
生活の工夫とか、なんとかやってのける、というところが気に入りました。
てっきりこれは新しい言葉なのかと思っていたのですが、別の機会に実はとても古い表現だということを知りました。
またフランスには« Système D »という日曜大工や手作りの雑誌が存在していることも明らかになりました。なんとこの雑誌は1924年創刊です。
そして、きょう「フランスことば事典」という文庫本をお風呂で読んでいたとき、またこの言葉が出てきました。確か一度読んだ箇所なのに、前は気づかなかったみたいです。
「フランスことば事典」にも出てきた
有合せの物を工夫して切り抜けるのはフランス人の好むところで、得意でもあることは確かである。これをSystème D (débrouillard) といい、こういった名の雑誌も出ているほどである。(60ページ)
そうだったのか!
フランス人は日曜大工が好きだというのは知っていましたが、みんなけっこう器用なのかもしれません。
単語を覚えるにはその言葉に好意を持つことも効果がありそうです。
あなたは何か好きなフランス語の言葉がありますか?
語学学習の基本ですよね。
私の得意とするところですわー。
レベルは?と、訊かれたら、Dです、って、冗談で言ったりして。
アンさん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
D方式、私も得意になりたいです。
アンさんはAじゃないんですか?
パリの地下鉄にフランス人と一緒に乗ったとき、車内は相当混んでいた。
友人 「日本の地下鉄も混むか」
私 「Comme ça]
樋沼さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ああ、樋沼さんでも冗談言われるんですね。
しかも、この洒落、意味も文脈にあってますね。
さすがです。
学習している言語が、好きでないなんてそんなことが
あったら、ぜんぜん学習すすまなさそうですが、
私の好きなロシア語は最近寝るときに手放せない、
毛布の切れ端のような存在になりつつあります。
その中でもミャフキズナーク という発音しないのに
たんごのスペルのなかに忍び込んでいる 記号と文字の
あいだのような存在の文字にであって、一人で盛り上がってました。
花南さん、こちらにもコメントありがとうございました。
あなたは本当にロシア語がすきなのですね。
どこがそんなにいいんでしょうか?
キリル文字ですか?
たまにフランス語が大好きという方がいますが、私はそんなことありません。
ブログ書くのが好きなだけです。
こんにちは、
フランス語を学んでいる人がすべて、フランス語を愛しているという
レベルでなくても、人それぞれですね、きっと。
たしかに、ペンさんのブログはとても読み応えがあります、何ページか
まとまれば立派なマガジンにでもなりそうな感じがします。
ロシア語は、、つらいときとか、ストレスのある時に ちょっと冷やしてくれるというか、なぐさめてくれるというか、ちょっと甘えることができる
そんな言語です。
花南さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
学んでいる言語を愛している人も、もちろんいますが、
中にはいろんな検定を受けるのが趣味だとか、語学そのものが(学びの対象よりも)
好きである方もいるようです。
花南さんにそんなふうに愛されて、ロシア語は幸せですね。