清水先生の仏作文講座第2回の受講メモです。
この回は、まず目標(到達点)の提示として、課題は実際に過去出題された問題でした。「過去問をやってみて、自分に何が足りないのか、自覚せよ」、ということですね。
講義では、添削コースの生徒さんの答案から、先生が適宜ポイントをとりあげて、解説されています。
きょうは、22分の講義の前半11分の仏検の問題のところを聞きました。出題された和文の、最初の2つの文に使えそうな表現モデルをシェアします。
問題
わたしの数少ない趣味の1つが美術館めぐりだ。ぶらりと出かけ、ただぼうっと絵を眺めるのが好きだ、。何年ぶりかで見る作品との再会も楽しい。初恋の人や古い友だちと出会った気分になる。(2010年度)
仏検で作文が出るのは準1級以降です。
表現モデル
趣味
passe-temps, hobby, loisir, divertissement
goût は「あの人は趣味がいい」の「趣味」なのでここではふさわしくありません。
数少ない
rares, peu nombreux
少ない数でも複数、というところがフランス語らしいですね。
美術館めぐりをする
faire le tour des musées, visiter les musées, aller aux musées
ぶらりと
⇒目的もなく、行き当たりばったりに
sans but précis, à l’aventure, à l’improviste
3つとも私は思いつかなかったです。
précis 明確な
à l’aventure 行き当たりばったりに、当てずっぽうに、適当に
marcher à l’aventure 当てもなくぶらぶら歩く = au hasard
partir à l’aventure 目的なしに/行き先を決めずに出発する
aventureは意外な出来事、冒険。アバンチュールという日本語になってますね。今はあんまり言わないですかね?日本語では、特に「恋の冒険、火遊び」という意味で使われています。
à l’improviste 不意に、出し抜けに、即興で
Elle m’a rendu visite à l’improviste.
彼女は突然私を訪ねてきた。
improviste という単語は à l’improviste という形でしか使われません。動詞は improviser 即興で作る。improviser un repas ありあわせの食事を作る
ぼうっと
distraitement, d’un œil distrait, paresseusement, vagument
distraitement ぼんやりと、うわのそらで、うっかりと
répondre distraitement うわのそらで返事をする
distrait 放心した、うわのそらの、ぼんやりした
écouter d’une oreille distraite うわのそらで聞く
ぼうっと眺める⇒絵を見るのに没頭する、と考えると
se perdre dans ~に没頭する、夢中になる、を使って
Ils se perd dans la méditation. 彼は瞑想にふけっている
または
se plonger dans 没頭する
se plonger dans une lecture 読書にふける
を使って、
se perdre [se plonger] dans la contemplation d’un tableau
とも言える、と聞きましたが、絵をぼ~っと見てるときって、実施に絵を没頭して見てるんでしょうかね?
みんな、絵を見てるときって、あまり何も考えてないですよね?絵って何か感覚にうったえてくるものだから、絵から受けるものを言葉にするのはとても難しいと思います。
言葉にしてる人もいますけど。
たとえば水林先生とか。
関連記事⇒水林章先生の「メロディ」~翻訳講座第11回前半
きょうのポイント
問題の解答例
Un des mes rares loisirs est d’aller aux musées. J’y vais sans y réfléchir, et j’aime contempler distraitement des tableaux. Il est plaisant de revoir une œuvre que je n’ai pas vue depuis de longues années. J’ai l’impression de retrouver mon premier amour ou un vieil ami.
いかがでしたか?
仏検準1級の作文の問題をあまり見たことがないのですが、「ぼうっと」とか「ぼんやりと」とか「なんとなく」「知らないうちに」「うっかりと」といった表現がよく出てくる気がします。
こういう副詞や副詞句をせっせと仕入れなければいけませんね。
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