フランスの子ども新聞で、最近、あるチェーンレストランで始まった清涼飲料水のおかわり飲み放題のサービスについて読みました。
たとえばペプシを注文すると、何杯でも飲めるサービスです。
清涼飲料水ってものすごく糖分が入っていますので、「健康によくない」といういわけです。
記事のタイトルは:
Santé : sodas à volonté, gare aux excès
清涼飲料水飲み放題、飲み過ぎに注意
それでは和訳しますね。
Santé : sodas à volonté, gare aux excès 清涼飲料水飲み放題、飲み過ぎに注意
チェーンレストラン「クイック」では、今後、清涼飲料水のおかわり自由のサービスを提供します。
砂糖でいっぱいなのが、無制限。これは本当にいいアイデアでしょうか?
こうしたサービスはアメリカ合衆国のファーストフード店で何年も行われていますが、ふつうのレストランでも見られます。
これは「フリー・リフィル」”free refill” と呼ばれます。英語で「おかわりは無料」という意味です。
客がいったん飲み物を買うと、それはたいてい清涼飲料水ですが、何倍でも自由に飲めるというもの。
「クイック」では、フランス全土で同様のサービスを始めたところです。炭酸水ファンは大喜び。でも医者は絶望的な気持ちです。
Attirer les clients 客を引き寄せる
なぜって?というのも、国中で肥満している人が増えている大半の原因は、このひじょうに甘い清涼飲料水にある、と言われているからです。
このようなフリーサービスのせいで、客がよけいに清涼飲料水を飲んでしまうと、医療陣は恐れています。つまり、よけい砂糖をとってしまうのです。
しかも、こうしたレストランをよく利用するのは、青少年やあまりお金を持っていない人たちです。
このような人々はあまりバランスのいい食事をとっていません。無料の清涼飲料水は、このような人たちの健康を害してしまうのではないかということです。
Santé ou chiffre d’affaire ? 健康か売上か?
レストラン側は顧客の健康を気遣っていると即答します。このような無料サービスを開始してから、特に清涼飲料水の利用が増えてはいない、とサービスを擁護しています。
でも、こうしたサービスのおかげで、客が増え、売上に貢献しているようにみえます。
元記事 → www.jde.fr : Tous les articles : Santé : sodas à volonté, gare aux excès ☆記事が削除されたのでリンクをはずしました(2020/08/05)。
単語メモ
remplissage (容器などを)満たすこと ← remplir
remplissage gratuit 無料のおかわり、おかわり自由
se resservir (自分で料理)をまた取る、おかわりする
craignent < craindre おそれる
craindre que (ne) + 接続法
Les médecins craignent que cette liberté ne pousse les clients à onsommer encore plus de sodas.
直訳:医者たちは、こうした自由化(フリーサービス)は、客がよりさらに多くの清涼飲料水を消費する可能性があることを恐れている。
Elle craint que sa fille ne tombe malade.
彼女は娘が病気になるのを恐れている
ne は「虚辞(きょじ)のne」という否定の意味を持たないneです。
くわしくは⇒TIPAの初アルバム紹介~「虎と小鳥のフランス日記」第145話
chiffre d’affaire 売上
constater 確認する、認める
se soucier de 気にかける、心配する
単語の意味の補足
soda 辞書には「ソーダ水」とあります。炭酸水のことです。英語でpopと呼ばれる飲み物。
記事の飲み物供給機を見たところ、すべてに炭酸が入っているのかどうかわからなかったので、一箇所をのぞいて、清涼飲料水としておきました。
たとえばアイスティーなら、炭酸は入ってません。激甘なのは変わりありませんが。
Quick こういう名前のチェーンレストラン。ハンバーガーショップのようです。
店の広告です。
ホーム・ページはこちら。
Quick
ホーム・ページの一番下に、
Pour votre santé, évitez de grignoter entre les repas. www.mangerbouger.fr
と記載されています。
「健康のために、間食は控えましょう」という意味。
éviter de + 不定法 ~しないようにする
grigonoter 少しずつかじる;ちびちび食べる
これは法律で入れるように定められているのでしょうか?
さて、実際どうなんでしょうかね?
清涼飲料水が健康に悪いのは自明ですが、こうしたサービスが客寄せになるのでしょうか?
私はハンバーガーショップを利用しないのですが、たとえばフードコートにある中華系のファーストフードの店にもこういう飲み物のマシーンが置いてあります(お代わり無料ではない)。
注文すると紙コップに入れてくれます。
ふつうの料理に甘いドリンクをあわせるのに最初ものすごい違和感がありました。もちろん別に頼まなくてもいいし、後ろのほうにミネラルウォーターなども置いてあります。
日本ではファミリーレストランで、ドリンクバーというのがありますが、「おかわり無料サービス」はこれと似ていますね。
私の場合、ドリンクバーで飲むものがないので、いつもふつうの水をもらっています。ふつうの水はたいていどこでも無料です。そして健康を害しません。おすすめです。
それでは次回の子ども新聞の記事をお楽しみに。
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