クリスマスにちなんだ曲をご紹介します。
1960年代に発売され、今も歌いつがれている Petit Garçon (小さな男の子)というシンプルな歌。
歌詞を見ると、petit garçon は呼びかけで使っているので、「ぼうや」と訳したほうがいいかもしれないのですが。
Petit Garçon (小さな男の子)
まずは聞いてください。
歌はGraeme Allwright(グレアム・オールライト)
ノスタルジックですね。
それでは訳詞に挑戦!
Dans son manteau rouge et blanc
Sur un traîneau porté par le vent
Il descendra par la cheminée
Petit garçon, il est l’heure d’aller se coucher
赤と白の服を着て
風に運ばれるそりに乗って
彼は煙突を降りてくるよ
ぼうや、もう寝る時間だよ
Tes yeux se voilent
Écoute les étoiles
Tout est calme, reposé
Entends-tu les clochettes tintinnabuler
★君は目をつむる
星の音を聞きながら
すべては静かで穏やかだ
鈴の音が聞こえるかい?★
☆明日の朝になったら
上履きの中に
きみが夢見たおもちゃが全部入ってる
ぼうや、もう寝る時間だよ☆
★~★ 繰り返し
☆~☆ 繰り返し
単語メモ
porter 運ぶ
se voiler ヴェールをかける この場合はまぶたがおりるという感じかと思います。
tintinnabuler 鈴のような音をたてる、チリンチリンと鳴る
chausson 上靴、上履き、スリッパ
室内履きのことです。
クリスマスプレゼントはツリーの下に置かれるのが一般的だと思いますが、地方や家庭によっては、暖炉の前に自分の靴を置いておくと、そのまわりにだーっと置かれるらしです。
文法ワンポイント dont
Tous les jouets dont tu as rêvé
君がほしいすべてのおもちゃ
dont は 前置詞 de (~の)を含む関係代名詞です。
この場合の dont = (as rêvé) de tous les jouets
rêver de ~を夢みる、渇望する
société dont je rêve 私が夢に描く社会
dont 他の例
Voilà le livre dont je vous ai parlé.
これがあなたに話していた本です。
le médicament dont j’ai besoin
私が必要な薬
(avoir besoin de ~が必要)
補足
サンタクロースのそり
歌詞を見ると、まるでサンタクロースがそりごと、煙突からおりてくるように思えるかもしれませんが(そんな人はいないでしょうか?)、サンタは、屋根の上にそりを置いて、煙突を降りてきます。
Graeme Allwright(グレアム・オールライト)
Graeme Allwright(1926-)は、ニュージーランドのウエリントンの生まれで、22歳のときにフランスに引っ越してきました。
1960年代に、レナード・コーエンや、ピート・シガーなどのたくさんの英語の曲をフランス語に訳して歌っていました。
この曲のオリジナルはアメリカのカントリー・シンガー、ロジャー・ミラーが1967年に出した、Old Toy Trains(おなじみのおもちゃの汽車)という曲です。
それをグレアム・オールライトがフランス語に訳したのがPetit Garçon.彼はもともとはフランスの人ではないので、名前がイギリス風なのです。
ところで、Graemeというイギリスの男性の名前ですが、カタカナで書くのがひじょうに難しい名前の1つ。
私は「グレアム」としましたが「グレーム」と書かれる場合もあります。グラエムとグレアムのあいだみたいな音です。
発音例⇒ ▲マークを押すと音が聞こえます。
Petit Garçon 歌詞つき動画
一緒に歌う方はこちらをどうぞ
歌詞に出てくる物の画像もあり、わかりやすいです。
オリジナル Old Toy Trains
ロジャー・ミラーのオリジナル
歌詞の内容はだいたい同じ。
冒頭は
Old toy trains
Little toy tracks
Little boy toys
Coming from a sackCarried by a man
Dressed in white and red
Little boy, don’t you think it’s time you were in bed?
おなじみのおもちゃの汽車
小さな線路
男の子のおもちゃ
袋から出てくるよ
白と赤い服を着た
おじさんが運んでくる
ぼうや、もう寝てる時間じゃないのかい?
グレアム・オールライトはフォーク、ロジャー・はカントリー風ですが、どちらもいい感じですね。
RMは当時2歳の自分の息子のためにこの曲を書きました。ディーンという名前のこの息子さん。後にカントリーシンガーとなり、今も現役ですが、父親ほど成功はしていません。
Petit Garçonはホンワカした歌で、こんな歌もあったのかと感じいって何度も聴き入ってしまいました。歌詞付動画でフンフンなるほどこう言っているのかと大助かりです。(毎々初心者向けのご配慮有難うございます)attendreもiが入るか入らないかで、ヒャーぁこんな意味が違うの?とこの先の勉強を思い知らされた次第です。カエルも鳩もgrenouilleとpigeonしか知らず。。。でも、日本語でもアマガエルもいれば、トノサマガエルもいる訳でフランスでもカエルの種類によって呼び名が違うよなと変に納得しましたが、違いが日本語のように何とかグルヌイユ、何とかピジョンであったら助かるよなと思ったりして。
また、クリスマスシーズンに相応しい話題(単語)、本当に有り難うございます。(冬のオリンピックの種目のリュージュ、そうだよなぁあれは橇だよな、フランス語だったの?と初めて知り、これまた感謝しております)
うさぎのぎいさん、こんにちは。
そうですね。とってもほんわかした歌ですね。
心がほっこりしますから、私も好きです。
attendre atteindre 外国人から見るとそっくりですが、
日本語でもそういうのいくつもありますよね。
ようかんと旅館とか。
日本語ネイティブならまず間違えませんが。
きょう、明日もクリスマスの話題にしました。
また読んでいただけますとうれしいです。
Pen さん ご覧になったかもしれませんが、Petit garcon の思い出を綴ったフランス人のエッセーです。
(pen追記:リンク先が間違っていたので削除しました 2014/12/26)
樋沼さん、こんにちは。
あの、リンク先、ペイパルになっているのですが。
ご希望があれば、コメント編集してリンク消しますが。
よろしくお願いします。
pen
リン先がペイパルがなっていましたがこれは間違いです。消していただけないでしょうか。
https://www.culture-chronique.com/
にPetit Garcon のエッセーが出ています。 すみませんでした。
樋沼さん
こんにちは。エッセイのご紹介ありがとうございました。
この人は6歳のとき、もうサンタがいないことを知っていたのですね。早熟ですね。
娘は何歳まで信じていたか聞いてみようと思います。今の子どもはまわりに情報があふれすぎているので、サンタマジックがすぐにとけてしまうでしょうね。
最初のリンクは削除しました。
コメントありがとうございます。