きょうはおもしろそうな映画の予告編を使ってフランス語の勉強をしました。
フランソワ・オゾン監督の最新作 Dans la maison 邦題『危険なプロット』 です。
タイトルの意味は「家の中」。
2012年の作品でまだ日本では公開されていないと思います。私も見ていません。去年の秋にフランスで公開されたとき、とても好評だった作品です。
オゾン監督の前作はカトリーヌ・ドヌーヴ主演の Potiche「しあわせの雨傘」ですが、こちらにくらべてもっとオゾン監督らしい、ぞわっとくる感じがあるらしいです。
Dans la maison 予告編
文学的ミステリと言えるでしょうか?
1分50秒足らずなのにしゃべりまくってます。いきなりこれが聞き取れれば苦労はしませんが、少しヒントを書きます。
1.主人公は高校の国語の先生
2.先生は生徒に作文(クリエイティブライティング?)を教えている
3.作文のテーマは「週末のできごと」
4.一人の生徒が友だちの家の中で起こっていることを書いた(だからタイトルがdans la maison)作文がとても上手である。
これだけ頭に入れてもう一度聞くと理解度が格段にあがると思います。
学校の先生という設定なので、聞き取りやすいフランス語を話しているはずです。
きょうは最初の1分間のフランス語をチェックしました。
スクリプト
スクリプトにざっと和訳をつけました。
Cette année sera donc l’occasion d’étudier les grands auteurs de la langue française et surtout vous inciter à vous exprimer, à raconter des histoires.
今年は、フランス語の偉大な作家の作品を学びます。特に物語を語ることをいろいろ試みてもらいます。
0 ! 6 ! 3 !… Ils sont si mauvais que ça, cette année ?
0,6,3 今年はこんなにろくでもない生徒ばかりなの?
C’est la classe la plus nulle de ma vie. Écoute ça: “Samedi, j’ai mangé une pizza et regardé la télé. Dimanche, je n’ai rien fait.”
僕の人生の中で最低のクラスだよ。聞けよ、「土曜日、僕はピザを食べて、テレビを見ました。日曜日は何もしませんでした。」
Je leur ai pas demandé de me faire un poème en alexandrins hein!
僕は生徒に、アレクサンドランの詩を書けと言ったんじゃないんだがね。
Je leur ai demandé de me raconter leur week-end.
週末のできごとについて書いてくれと頼んだんだ。
“Samedi, je suis allé étudier chez Raphaël Artole. Je découvrais la maison.Une odeur retint mon attention. L’odeur si singulière des femmes de la classe moyenne.”
「土曜日、僕はラファエル・アルトールの家に勉強に行った。家を見つけた。ある匂いに気づいた。中流階級の女たちのとても奇妙な匂いだ。」
(この作文が先生の目にとまったのですが、私の訳だとよさが出てないとおもいます。singulièreは「独特の」のほうがいいかもしれません。)
Tu ne trouves pas ça choquant qu’un élève de 16 ans écrive un truc pareil ?
16歳の生徒がこんなことを書くのは不快だと思わないの?
Non, non, moi, ça ne me choque pas.
いや、僕はべつに気にならないね。
T’as un don ?
きみは才能があるね。
Tu lui mets 17 alors qu’il se moque de son copain et de sa mère.
彼の友だちとお母さんのことをからかった文には17点をつけたのね。
(この17はたぶん成績だと思いますが間違っているかもしれません。フランスのテストや成績は一般に20点満点で17点はとてもいい成績です。)
“De retour dans la maison de la famille normale, j’aide à nouveau Rapha.”
「ごく普通の家族の住む家に戻ることで、僕はラファが変わる手助けをしている。」
(直訳は、新しいラファの手助けをしている。ラファはラファエルのこと)
Hé ! Hé !
ヘイ、ヘイ
Tu t’es lancé dans une parodie ?
パロディを書こうっていう気なのかね?
Ce qui est rare, c’est de s’approcher au plus près des personnages.
珍しいのは、こんなに登場人物に近づいているということだ。
この続きはこちら⇒映画 Dans la maison 予告編のフランス語 その2 邦題『危険なプロット』
★スクリプトはBande-annonce: Dans la maisonにあったのを借りて来ました。
単語メモ
inciter ~する気にさせる、励まして(そそのかして)~させる
alexandrins アレクサンドランの 詩の形式の一つで12音節詩句の、と辞書にありました。
retient < retenir 引き止める
singulière 奇妙な (古)特異な
choquant 不快な、気に障る
se lancer 身を投じる、やってみる
今回のお話
この先生は昔は作家を志していたのですが、途中であきらめて高校の先生になりました。
凡百の作文の中にひとつだけすばらしい作文を見つけたんですね。
そしてその生徒のライティングの指導を個別にします。
その生徒は自分の友だちの家族のことを書いています。
先生の家はなかなか素敵ですね。本がたくさんあるので、もしかしたら奥さんが売れっ子の作家とか、雑誌の編集長みたいな職についているという設定かもしれません。
ちなみに、原作はスペインの戯曲だそうです。
penさんは、これを一発で聴きとるんですか?
私は会話を聴くのが苦手・・・自分に話しかけられる分には問題ないんですが。ニュースやナレーションもわりと聴けるんだけど。
何か、コツがあったら教えてほしい~。
きれいな男の子が出てきて、おもしろそうですね。
いいえ、聞き取れませんよ。スクリプトはネットから拾ってきてるんです。これは、情報処理能力が全然追いつきません。
でも私、フランス語脳プロジェクトに入るまではフランス語は、Bonjourぐらいしか聞き取れなかったんで、まあずいぶん進歩したとは思ってます。
一応、この予告編の最初の1分は勉強したから、次に似たようなのがあれば、多少は処理速度があがってるだろうなとは思います。
コツねぇ・・私も英語を勉強してるときはニュースをよく聞いてました。ニュースはゆっくりはっきりだからわかりやすいでしょ?たぶんそういう自分がある程度わかるものをたくさん聞くのがコツかなぁ~と最近思ってます。あんまり難しいものを無理して聞いても意味がないような気がしてます。
待ってました!「予告編のフランス語」連載して欲しいなあ!!!!
まだ見てない映画の情報も得られるし、スクリプトや訳もあって
楽しくフランス語を勉強するには最高です! うれしい!
“Dans la maison” 面白そうな映画ですね。見たいです。
コメールさん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
連載するにはもう少しフランス語力がいるかも・・・。考えておきます。
オゾン監督は日本でも人気があるから、たぶん公開されると思います。
この映画見てみたいです。penさん、紹介して頂いてありがとうございます。
ディクテ、好きな勉強法なのでこういう素材なんかを一発で書き取れるようになりたいです。
サボさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ディクテ、時間かかりますけど、私も好きな勉強法です。私もこういうの、簡単に聞き取れるようになりたいです。