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「殺意は薔薇の香り」後編~予告編のフランス語

殺意は薔薇の香り」というフランス映画スクリプトの後編です。原題はAvant l’hiver(冬の前に)。2013年制作、作家として有名な、フィリップ・クローデル監督の映画です。

この映画の詳細については前編をごらんください⇒「殺意は薔薇の香り」前編~予告編のフランス語

きょうは、45秒あたりから。

Avant l’hiver 予告編 スクリプト

C’est qui cette fille que tu raccompagnais ?

Et vous ? La vie à vous, c’est quoi ?
J’ai jamais rêvé de rien. C’est sans doute ça le problème. La vie m’a roulé comme un caillou. Je me suis laissé faire.

Ça peut venir de n’importe où. C’est quelqu’un qui connaît ton service et la maison.
Et en même temps, ce sont des bouquets hein, c’est pas des menaces de mort.

Tu vous me parler ?
Parler ? De quoi ?

Tu m’ appelles toujours dans les moments durs. Quand est-ce que tu penseras à moi pour les autres?

Tu me suis ?
C’est bien ce que j’ai fait pour toi depuis 30 ans !

Si je te disais, voilà demain tu peux faire ce que tu veux, tout ce dont tu as toujours rêvé et que tu n’as jamais pu faire, tu ferais quoi ?

スクリプト 和訳

君が送って行った女性は誰なんだい?

あなたは?どんな人生を?
僕は、今まで何も夢見てこなかった。たぶんこれは問題だろうね。石のように転がっていたんだ。流れにまかせていた。

誰からだってありうるわ。あなたの職場や家を知っている人よ。
それと同時に、これはただのブーケだ。「殺す」と脅されているわけじゃない。

話してくれない?
話?何について。

きみは困ったときにしか僕に電話してこないね。他のときは僕のことを考えないのか?

聞いているのか?

それが過去30年間、まさしく私があなたにしていることよ。

もし僕が、「明日、君はしたいことを何でもできる。いつも夢みてきたことで、これまで決して出来なかったことを」と言ったら、君は何をする?

単語、表現メモ

raccompagner 送ってゆく、見送る

sans doute おそらく

caillou 小石

Ça peut venir de n’importe où それ(バラ)はどこからでも来ることができる⇒送り主は誰とでも考えられる

des menaces de mort  死の脅迫⇒殺すと脅すこと

Quand est-ce que tu penseras à moi pour les autres ? 他のことで僕のことを考えるのはいつですか⇒別の件で、僕のことを考えるのはいつですか? を意訳して「他のときは僕のことを考えないのか?」にしました。

Tu me suis ?
suis は suivre で物理的に「後をついて行く、つきまとう」という意味とそこから派生して、「理論、考えなどについて行く、理解している」という意味があります。ここでは「話について行っている」という意味のほうを取り、「聞いているのか?」と訳しました。

きょうのお話

ポールの妻、リュシーは、園芸家としてちょっと知られてはいるものの、基本は家にいる専業主婦です。

仕事ばかりしているポールの代わりに、家庭のこと、親戚関係の問題などをすべて取り仕切ってきました。

そんなリュシーに、ポールの同僚の1人が、恋心を寄せています。

一方、ポールは誰から届くのかわからないバラの花や、謎の女の出現に、だんだん神経が参ってきます。

彼女はストーカーなのでしょうか?

ポールは脳外科医と成功し、地位もお金もあり、息子は独立して可愛い孫もいます。

仕事は大変かもしれませんが、好きな仕事だし、奥さんのリュシーがしっかり家を守っているのでとても恵まれた人生です。

その暮しが若い女性の出現で次第に狂って行きます。

これは奥さんをないがしろにした報いなのでしょうか?

この映画のタイトルは、Avant l’hiver (冬の前)です。実際に事件が起こるのが秋のようですが、ある夫婦の冬、つまり晩年の暮しの前に事件が起きるので、「冬の前」となっているかもしれません。

それでは、次回の映画の記事をお楽しみに。






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