2015年11月13日の夜(現地時間)、パリで同時多発テロが起きました。今回はこの事件を伝える子ども新聞記事を紹介します。
フランス時間、11月14日朝、7時52分に投稿された記事です。
Plusieurs attentats frappent Paris 複数のテロがパリを襲撃
Vendredi soir, plusieurs attentats ont été commis dans Paris et à côté du Stade de France. Il y a plus de 120 victimes. Le président a annoncé que la France allait porter au maximum ses moyens de défense.
金曜の夜、パリとスタッド・ド・フランスのそばで、複数のテロが発生し、120人以上の犠牲者が出ました。オランド大統領は、フランスのセキュリティを最高レベルにあげると発表しました。
C’est un événement très grave et sans précédent en France qui s’est produit hier soir, vendredi 13 novembre à Paris. Au moins 6 attaques terroristes ont fait plus de 120 morts.
11月13日の金曜の夜、パリで起こったことは、とても深刻で、前例のないできごとでした。少なくとも6箇所でテロリストの襲撃があり、120人以上が亡くなりました。
Que s’est-il passé ? 何が起こったのでしょうか?
最初の警報が発せられたのは午後10時頃です。パリで銃撃があり、スタッド・ド・フランスのそばで爆発がありました。
すぐに、事態はエスカレートし、テロリストのしわざだとわかりました。同時に6箇所の違う場所を襲撃したのです。
パリの街角では、武装した男たちが、バーやレストランで飲食する人に向けて銃撃しました。何人かのテロリストは、バタクランというホールで、コンサートをやっている最中に侵入。大勢の犠牲者が出ました。
パリの近くのスタッド・ド・フランスのそばでは、爆発が3件起こりました。爆弾を持った男たちが、爆発を起こし、周りにいた人々は殺され怪我をしました。
土曜の朝の段階で、死者127人、けが人は200人近く出ています。
Qui sont les auteurs des attaques ? 襲撃の犯人は?
警察は犯人のうち8人が死亡したと発表しています。彼らのうち何人かは、爆弾を自分で持って、爆発させ、自らも亡くなりました。
このような人を「カミカーズ kamikaze」と呼びますが、このタイプの襲撃が起きたのはフランスでは初めてです。
犯人の身元はまだ明らかになっていませんが、ダーシュ(Daech イスラム国)のテロリストグループの犯行だと思われています。
彼らはフランスを脅威におとしいれました。こうしたジハーディスト(聖戦主義者)[暴力を使って、イスラム教のきびしい考え方を押し付けたがっている戦士]はすでに、今年の1月、シャルリ・エブド誌を襲撃しています。
彼らはシリアとイラクを攻撃するフランスを非難しているか、権力を握りたいと思っているのです。
Comment la France se protège ? フランスはどう自衛するのでしょうか?
フランス共和国のオランド大統領は態度を明確にしています。フランスはテロリストと戦います。大統領は、国中に警戒態勢を敷きました。
警察や軍隊が国を守るために数々のアクションを取ることができる措置です。たくさんの軍隊が援軍として到着しました。
フランスの国境は閉鎖され、もう検閲なしには越えることができません。
諸外国が今回のひどい事件について、フランスをサポートするとメッセージを送ってきています。
何よりも、大統領はフランス国民に恐怖に負けるなと言っています。国を守るためできる限りの措置は取られ、警戒態勢も敷かれています。テロリストに屈するべきではありません。それが彼らの狙いなのですから。
元記事 → www.jde.fr : Tous les articles : Plusieurs attentats frappent Paris ☆記事が削除されたので、リンクをはずしました(2020/08/10)
自爆テロのこと
記事にもあったように今回のテロはイスラム国(ISIS)のテロリストが起こしました。彼らは、フランスがアメリカと一緒にシリアとイラクに空爆をしているのが気に入らないのです。
自爆テロを「カミカゼ(発音はフランス語ふうにカミカーズになると思います)」と呼ぶのですね。記事によれば、自爆してしまうテロリストはこれまでフランスにいなかったとのこと。
イスラム国のテロリストになるために、自分の国を出ていく若者がたくさんいて、フランスからも行っているそうです。
自爆テロは、イスラム原理主義を心から信じているとは思えません。自分の国でなんとなくいけてない毎日を過ごしているところに、「理想の国を建国しよう」とかなんとか、たくみに誘われて、シリアやイラクに行って、洗脳されてしまうのだと思います。
オウム真理教と同じです。人を殺すのも、もちろん問題ですが、自分の命をこんなに粗末にしてしまっていいのでしょうか?
ISISは、これは序の口で、今後もテロは続くと言っていますね。
パリでは11月末に、COP21が行われるので、世界から人々が集まってきます。COP21について⇒地球温暖化対策の正念場、COP21は11月30日からパリで開催
これ以上民間人に被害が及ばないことを願うばかりです。
犠牲者の方の冥福を心よりお祈りしています。
関連記事:
●シャルリ・エブドの襲撃事件⇒シャルリ・エブド(フランスの風刺週刊誌)での銃撃
●フランスがアメリカの援軍に行ったニュース⇒シャルル・ド・ゴール(船)がイラク沿岸へ
●同じ事件を扱った、1jour1actuの記事はこちらで訳しています⇒パリの同時多発テロ:何が起きたのか理解するために
この記事へのコメントはありません。