フランスのお菓子を紹介するシリーズ。今回はパンデピスです。パンデピスはアルザス地方のクリスマスのお菓子。日本ではそこまで知られていないかもしれませんね。茶色くて一見地味ですが、スパイスがたっぷり入っていて滋養があり、今の季節にぴったりのお菓子です。
作り方はとても簡単で混ぜて焼くだけです。
パンデピスとは?
pain d’épice 直訳はスパイスのパン。その名のとおり、スパイスがたくさん入っている茶色いお菓子。ケーキタイプとクッキータイプがあります。
もともと10世紀ごろ中国で作られていたと言われています。中国にはスパイスが豊富だったのでしょう。11世紀頃、十字軍によりヨーロッパに伝わりました。
ケーキタイプのパンデピスは、ブルゴーニュの名産品。パウンドケーキの形をしており、英語のジンジャーブレッド(ginger bread)とほぼ同じものです。ただ、ブルゴーニュのパンデピスの伝統的なレシピはライ麦粉を入れるので、こちらのほうが固く仕上がります。
ディジョンで香辛料の取引が盛んだったころの産物だとか。
アルザス地方のパンデピスも有名です。こちらは、ドイツのレープクーヘンに近い、ちょっと固めのクッキータイプが主流。長期間、保存できるので、パンデピスでお菓子の家を作ります。
アルザス地方では、パンデピスは、クリスマスのお菓子で、クッキータイプ、ケーキ対イプともプレゼントに使われます。詳しくは、記事の最後のニュースクリップをごらんください。
☆ドイツ、ニュルンベルクのパンデピス。レープクーヘンと呼ぶべきでしょうか。
簡単なパンデピスのレシピと作り方
ケーキタイプのレシピです。
パンデピスの材料
260g de farine 小麦粉
10g de levure chimique ベーキングパウダー
40g de sucre cassonade カソナード、粗糖、赤砂糖
1 c à s de cannelle シナモン
1 c à c de gingembre en poudre ジンジャーパウダー
1 c à c d’anis étoilé ou badiane アニスまたはシキミ*
2 oeufs 卵
100g de lait entier 全乳(ミルク)
350g de miel de fleur はちみつ
c à s = cuillère à soupe 大さじ
c à c = cuillère à café 小さじ
*シキミは種にアニサチンというケイレン性の神経毒がふくまれているので、日本では劇物に指定されていますから、たぶん販売されていないと思います。
作り方
下準備
オーブンを160℃に余熱
パウンドケーキの型に紙をしいておく
作り方はきわめて簡単で、まず粉類を混ぜあわせ、そこに液体を加えて全体を混ぜあわせればできあがりです。
粉類をまぜる
●ボールに小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖(カソナード)、シナモン、ジンジャー、アニス(またはシキミ)を入れ混ぜる
液体を入れて混ぜる
●卵を割り入れ、牛乳を入れ混ぜる。
●はちみつを入れしっかり混ぜ合わせる
型に入れて焼成
160度ぐらいで30分から35分焼きます。
もう少しかかるかもしれません。パウンド型は火のとおりが遅いので、時間がかかりますが、もっと背の低い、スクエア型などで焼くと早くできると思います。
生地に竹串をさして、ねっとりとした生地がついてこなければ焼き上がりです。焼きたてよりしばらくおいたほうがおいしいです。
もう一つパンデピスを作っている動画を紹介します。この人は、シリコン型を使っています。
スパイスの量はお好みで加減してください。入れすぎるととても薬っぽい味になります。
アルザス地方のパンデピス
アルザス地方のパンデピスのルポルタージュです。3分40秒。比較的ゆっくりしゃべっているので聞き取りやすいです。
☆penのつくれぽ。
実際に作って記事を書きました⇒混ぜて焼くだけパンデピスを作ってみた。 – penのフランス語日記 FC2出張所
☆トップの写真をお借りしました:photo credit: Christmas time in Colmar via photopin (license)
この記事へのコメントはありません。