今日、ご紹介するフランス語のことわざはこちらです。
医者に行くより製粉所に行くほうがいい。
Il vaut mieux aller au moulin qu’au médecin.
予防は治療にまさる
製粉所に何をしに行くのかというとパン(の材料)を買いに行きます。
パンを食べるほうが医者に行くよりいい。つまり、常日頃から栄養に気を配り、バランスのよい食生活をするほうが、病気になって医者に行くよりもいいということです。
予防のほうが治療より大事だという意味ですね。
moulin がそのものずばりのパン屋の言い方もあります。
Il vaut mieux aller au boulanger qu’au médecin.
医者に行くよりパン屋へ行くほうがよい。
予防より治療が大事なのは誰しも分かっていることです。医者に行けば、気力、体力、時間、そしてお金が失われます。
日々、ほんの少しだけ、健康に留意してバランスのよい物を食べたり、ちょっと運動すれば医者に行く回数が減るのです。
ところがなぜかみんなこれができません。健康のありがたみは病気になってみないとわからないのですね。
よくわかる!フランス語の文法解説
★単語の意味
Il vaut mieux ~したほうがよい
ひとかたまりで覚えるべき表現
aller à ~に行く
au ← à+le(男性名詞につく定冠詞)の縮約
他の例:café au lait カフェオレ
moulin (穀物の)製粉機、製粉所
que ~よりも
qu’au = que+à+le
médecin 医者
★直訳
「医者に行くより製粉所に行くほうがいい」
★moulin 製粉機のほかに、水車、風車の意味もあります。
Les Lettres de mon moulin「風車小屋だより」ドーデの小説
Moulin Rouge パリのミュージックホール
似ていることわざ
英語では、りんごが健康にいいと思われており、
An apple a day keeps the doctor away.
一日一個のりんごが医者を遠ざけておく。
ということわざがあります。
私が一番予防しておけばよかったな~と思うのが、以前もマウスウォッシュをフランス語で?で、書きましたが歯の健康です。
しかしこれに関してはもう手遅れで、現在はこれ以上悪化しないように、毎日フロスをかけるのを忘れないようにするのと、歯医者にまめに行ってクリーニングしてもらうぐらいです。
また、健康のために、数年前から毎朝ジョギングをしています。もともとそんなに不健康というわけでもなかったのですが、ジョギングを始めてから風邪をひきにくくなりました。
現代人は健康にすごく気を使っているようでいて、実は不健康な生活をしていることが多いです。
夜寝るのが遅くて、朝ギリギリになって起きるから朝食抜きで出勤したり、奥さんが健康によい食事を作って家で待っているのに、残業前にコンビニで添加物いっぱいのお弁当を買って食べてしまったり。
少し運動するのが健康にいいとわかってはいても「時間がないから」を言い訳に、どこに行くにも車で移動してみたり。
現代社会ではなんとなく「忙しいのがかっこいい」といった風潮があるので、目先のあれやこれやに追われて、自分の健康についてじっくり考えようとする人は少ないのでしょう。
さらに、一度からだをこわして、健康のありがたみがわかっでも、また喉元過ぎれば熱さを忘れるパターンで前のライフスタイルに戻りがちです
これはいったいなぜなんでしょう。やはり人間というのはもともと目先の楽しみ優先で、長期的な視野にたてないようにできているのかもしれません。
治療より予防が大事。そして行動が人を変えます。忙しい人ほど健康について考える価値があると言えます。
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