きょうご紹介するフランス語のことわざはこちらです。
Un peu de honte est bientôt bue.
ささいな恥はすぐに飲まれる⇒忘れ去られる
ささいな恥はすぐに忘れ去られる
何か失敗したり、不名誉なことをしでかすと恥ずかしいです。
しかし、そのようなちょっとした恥は、しばらくすると忘れ去られてしまう、気にすることはない、ということわざです。
その「恥」にもよりますが、意外と早く、人は忘れてしまいますね。特に現代は、次から次へと新しい情報が流れてきますから。
ちょっと前のことなんかにかまちゃいられない、というわけです。
bientôt は bien (とても)+tôt (すばやく)からできた言葉で、辞書には「やがて、まもなく、もうすぐ;短時間のうちに、たちまち、すぐに」とあります。
この単語、別れの挨拶の À bientôt(アビヤント)「またね」のbientôt。
本当にすぐです。
人の噂も七十五日
ことわざのニュアンスは、日本の「人の噂も七十五日」と似ています。
75日は「すぐに」と呼べるほど長くはないのですが、過ぎてしまえばわりとすぐ。今年もあっという間に1年たとうとしています。
なぜ75日なのかは諸説あるそうですが、有力なのは、1年365日を5で割った日数から来たという説。
なぜ5で割るかというと、季節が5つあるから。
春夏秋冬の4つの季節のほかに、土用という季節があるのです。
土用は、立夏、立秋、立冬、立春の直前の18日間。この季節は連続していないのですが、18×4で72日となります。
昔の人の感覚では1つの季節はだいたい72~75日あたり、ということだったようです。10週間ですね。
季節が巡って新しい季節になれば、もう忘れてしまう、ということ。
よくわかる!フランス語の文法解説
単語の意味
un peu de 少しの~、少量の~
honte 恥
Il n’y a pas de honte à être riche.
金持ちであるのは恥ずべきことではない。
bientôt まもなく、やがて
est < être ここでは受動態を作っています⇒文法ワンポイント
bue < boire(飲む)の過去分詞
文法ワンポイント 受動態(じゅどうたい)
~される、という文。
ふつうに「~する」という文は能動態(のうどうたい)といいます。
動作をする側に焦点を当てるか、その動作を受ける側に焦点を当てるかの違いです。
Un peu de honte est bientôt bue.
の場合、恥を忘れる誰かより、恥のほうを話題にしている感じ。
受動態は être + 過去分詞 の形になります。
過去分詞は主語によって性数一致。
honteが女性名詞なので、性数一致してbuにeがついています。
★受動態については詳しくはこちらをどうぞ
⇒「まいにちフランス語」38:L60 受け身(受動態)
直訳
少しの恥はすぐに飲まれてしまう。
バリエーション
boire(飲む)という動詞を使っているのは、bientôt のBと合わせていると思われます。
別バーションで
Un peu de honte est bientôt passée.
少しの恥はすぐに過ぎてしまう。
というのもあります。
人がうわさをする日数なのですが、フランス語では
On ne parle d’une nouvelle que pendant neuf jours.
人は9日間しか新しい知らせについて話をしない
⇒ニュースは9日間しか続かない
という表現があります。
ただ、これは英語の
A wonder lasts but nine days.
驚きは9日しか続かない
ということわざから来たものだと思うので、ニュアンスが違います。
「すごい」「すばらしい」と思ったことも、9日たつと、新鮮味がなくなり「ふつう」になる感じ。
nine days’ wonder という言葉もあります。
「ナインデーズワンダーになる」というのは、驚きは9日しか続かなかった、一発屋であった、というニュアンスです。
関連記事もどうぞ:
うわさに関することわざ
⇒ことわざ60~オオカミの話をするとそのしっぽが見える(うわさをすれば影)
★ことわざの記事の目次を作りました。ご利用ください。
その1⇒フランス語のことわざ~目次 その1
人生に失敗はつきもの。
ちょっとぐらい恥ずかしい思いをしても、人はすぐに忘れます。
自分だって、昔やった恥ずかしいこと、忘れていますよね。
それでは次回のことわざの回をお楽しみに。
こんにちは、いつも楽しくお勉強させてもらっています。
1つ質問させて下さい。
特に関係代名詞について理解を深めたいと思っています。
過去の記事も読ませて頂きましたが、読んだ時は分かる分かる!となるのですが、実際にネットなどで問題を見つて解いていくと???となる事が多々です。
仏険2級は受かったのですが、実はまだ関係代名詞やジェロンディフを使った文章が苦手です。例文によく出るパターンなら分かるのですが、実際に文章で書こうと思ってかけなかったり、そもそもどんな時に使うのかを理解できていないように思います。
一通り手持ちの文法書やネットでは調べてみたりしました。ある程度は分かるけど深く理解する為には、問題を解きまくる方がいいのでしょうか?
このような場合どんな勉強方法が有効だと思いますか?
penさんは英語にも長けてらっしゃるので、語学を習得した方に一度聞いてみたいと思っていました。もし宜しければ教えて下さい^^
ゆのすけさん、こんにちは。
仏検2級レベルは「最低限の文法事項は理解できた」、
という感じだと思います。
だから、関係代名詞やジェロンディフが自在に使いこなせないのは
ふつうです。
私なら問題を解きまくるより、ディクテをします。
ディクテをすると自分の弱点がよくわかるので。
私が記事にしているEuronewsにはふつうに
関係代名詞や分詞が出てきて、しかもさほど
難しくないのでディクテの教材にオススメです。
またこちらの記事に書いているNHKワールドのフランス語のニュースも
いいと思います。
⇒http://furansu-go.com/expeert-3/
すべての基礎は読解だと思うので、たくさん
フランス語を読むのも有益かと思います。
やさしくリライトしてある小説や子ども新聞など
あまりストレスにならないレベルで、大量に
読んでいくといいのではないでしょうか。
がんばってください(・∀・)
pen
penさん こんにちは
アドバイスありがとうございます。
早速お勧めのサイトに見てみますね。
少しずつでも毎日続けられるように、コツコツやっていきたいと思います。
子供新聞も毎日読んでいて、やっと最近、辞書なしで読める事も多くなってきて(話題によっては)、自分でもやり続ければ変わるんだなぁと実感が出来た感じです。
ディクテは苦手で避けていたので、これからは率先してやってみます。
お陰でやる気が出ました!ありがとうございます^^
ゆのすけさんへ
こんにちは。
再度のコメントありがとうございます。
子ども新聞、毎日読んでるんですね。えらいです。
ディクテをやり始めるともっと伸びてる実感が
感じられると思います。
お役に立てれば何よりです。
私もがんばります^^
pen