アンジェリーナ・ジョリーが国連の仕事でミャンマーを訪れたことを伝える短いフランス語のニュースをご紹介します。
Aung San Suu Kyi et Angelina Jolie : deux icônes pour défendre les femmes
アウンサンスーチーとアンジェリーナ・ジョリー:女性を擁護する2人のイコン
動画のあとにスクリプト、和訳、単語メモをつけます。
Aung San Suu Kyi et Angelina Jolie ensemble pour défendre les droits de l’Homme.
アウンサンスーチーとアンジェリーナ・ジョリーはともに、人権擁護のために戦っています。
L’actrice hollywoodienne est en Birmanie depuis mercredi à l’invitation de l’opposante, prix Nobel de la Paix.
ハリウッド女優のジョリーは、野党のリーダーで、ノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチーの招きで水曜日からミャンマーを訪れています。
Après avoir rencontré des femmes Rohingyas, victimes de violences sexuelles dans le nord du pays, elle s’est rendue dans la banlieue de Rangoun pour parler des conditions de travail des femmes dans l’industrie textile.
ミャンマー北部で性的虐待にあったロヒンギャの女性たちと面会したあと、ジョリーはラングーン郊外に出向き、縫製工場の女性労働者の状況について話しを聞きました。
Angelina Jolie, envoyée spéciale pour l’agence des Nations unies pour les réfugiés, a fait de nombreux déplacements en Asie.
国連難民事務所の特使であるアンジェリーナ・ジョリーはアジアで数々の任務を務めています。
Elle dénonce les persécutions visant la minorité des Rohingyas depuis plusieurs années et tente ainsi d’intercéder en leur faveur auprès des autorités birmanes.
ジョリーは数年前から少数民族のロヒンギャに対する迫害を告発しており、ミャンマー当局に働きかけ、事態を改善しようとしています。
Aung San Suu Kyi est, elle, candidate aux législatives du mois de novembre, des élections qui font figure de test démocratique pour le pays.
アウンサンスーチーは、11月の議会選挙の候補者です。この選挙はミャンマーの民主化の試金石となると見られています。
元記事 → Aung San Suu Kyi et Angelina Jolie : deux icônes pour défendre les femmes | euronews, monde
単語メモ
se rendre ~へ行く
parler de ~について話す
envoyée spéciale pour l’agence des Nations unies pour les réfugiés
アンジェリーナ・ジョリーは
United Nations High Commissioner for Refugees (UNHCR) Goodwill Ambassador
フランス語では Haut Commissariat des Nations unies pour les réfugiés Ambassadrice de bonne volonté です。
日本語の正式名は 国連難民高等弁務官事務所特使
déplacement 出張、旅行
viser ~を対象とする
intercéder en faveur de ~のために仲介に入る、とりなす
auprès de ~のところへ、~のもとへ
faire figure de ~とみなされる
同じニュースの英語版
タイトルのwelcome のスペルが間違ってますが、そのまま引用しています。
スクリプトはこちら⇒Aung San Suu Kyi welcoms Angela Jolie to Myanmar | euronews, world news
少数民族ロヒンギャの問題
ロヒンギャ族はミャンマーのラカイン州に住むイスラム教徒の少数民族(ベンガル人)です。現在80万人いると推定されています。ほかにサウジアラビヤやバングラデシュにも多く住んでいます。
彼らはアラブ系民族の末裔と言われています。
ロヒンギャの人々は、ラカイン州に植民地時代以前から住んでいると主張していますが、ミャンマーの多数派民族である仏教徒に迫害されています。
1980年代後半に、アウンサンスーチーらの民主化運動を支持したので、軍事政権によって徹底的に弾圧されました。
このとき多くのロヒンギャの人々がバングラデシュに難民として亡命しましたが、バングラデシュには歓迎されませんでした。
以前から迫害されていましたが、2010年、民政になったので、イスラム教徒であるロヒャンギャはさらに迫害を受けるようになりました。
2012年6月にロヒンギャとミャンマーの仏教徒の衝突があり、多くのロヒンギャが死亡。また、13万人ぐらいのロヒンギャが住居を終われ、政府は難民キャンプに幽閉。
今もミャンマーから市民権を否定されていて、医療、雇用、教育を受けることができません。さらに仏教徒に暴力的に迫害され続けており、大勢のロヒンギャが難民船の上で暮しています。
母国を逃れて国外に出ても、バングラデシュ、タイ、マレーシアでは不法移民扱いで行くところがないため、過密状態でボートで暮らすボートピープルとなっています。
ミャンマー政府はロヒャンギャの問題を放置していますが、それは、仏教徒が圧倒的多数なので、ロヒャンギャを助けると、選挙で不利だからです。
アウンサンスーチーもこの問題に沈黙していることで海外から非難されています。
アンジェリーナ・ジョリーはロヒャンギャの視察をしたかったようですが、滞在は4日だけだったので、できなかったようです。しかし、ロヒャンギャの女性に話を聞くことはできました。
関連記事:
アウンサンスーチーについて⇒アウンサンスーチーとは誰でしょうか?
バングラデシュはイスラム教徒が多いので、長い間、非公式にロヒャンギャを受け入れてきましたが、最近は人も多くなり、自国の政治経済が不安定なので受け入れなくなってきています。
またマレーシアやインドネシアもお金がないので、受け入れを拒否しています。
ミャンマー政府が、国民として認めれば1番いいのですが、こうした民族的対立はそんなに簡単には解決できないのでしょうか?
それでは次回のニュースの記事をお楽しみに。
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