ノルマンディー上陸作戦が、欧米で必要以上に称賛されているのではないか、と疑問を投げかけている Le Monde の動画の紹介、最終回です。
タイトルは、タイトルは、Débarquement de Normandie : l’exploit du 6-Juin est-il un mythe ?
ノルマンディーの上陸:6月6日の偉業は神話か?
8分15秒 フランス語の字幕を表示させることができます。
今回は6分40秒から最後まで。
トランスクリプション
Probablement… moins qu’on le croit.
Des documents déclassifiés montrent qu’en mars 1944, 62% des officiers américains en Europe se demandaient si la guerre méritait d’être livrée.
Et seuls 18% des soldats américains déclaraient vouloir détruire le Reich, alors qu’ils étaient à 70% favorables à l’anéantissement du Japon.
Ce qu’il faut retenir c’est que l’étendue des crimes nazis, dans toute leur horreur, n’a vraiment été découverte et rendue publique officiellement que dans les tous derniers mois de la guerre.
Reste une question.
Que fête-t-on de nos jours, chaque 6 juin ?
Le débarquement des Alliés ?
La victoire du bien contre le mal ?
Ou l’image que chaque pays veut, aujourd’hui, faire paraître de lui même ?
Chaque pays, chaque participant, a pu trouver dans cette narration presque sublimée de l’évènement, de quoi satisfaire son orgueil national. Pour les pays anglo-américains, et tant que libérateurs. Et puis même pour la France. Se remémorer c’est en même temps oublier. À la fois la défaite de la France en 1940.
Et puis le rôle de la France et de la Grande-Bretagne face à la montée du péril hitlérien dans le courant des années 1930. Des attitudes qui sont, elles, balayées sous le tapis de l’histoire.
和訳
おそらく、そう思っていた人は、私たちが考えているより少ないでしょう。
公開された、当時の機密文書によると、1944年の3月、ヨーロッパにいたアメリカ人将校の62%が、この戦争は戦う価値があるのか疑問に思っていました。
アメリカ兵士の18%だけが、ドイツ帝国を滅ぼしたいと宣言していたのです。一方、70%の兵士が日本の滅亡を望んでいましたが。
忘れてはならないのは、実は、ナチスの犯罪の恐ろしさは、この戦争の最後の数ヶ月になって、ようやく公式に公開されたことです。
1つ疑問が残ります。
毎年、6月6日に私たちは何を祝うのか?
連合国の上陸?
悪に対する善の勝利?
それとも、それぞれの国が、今日、見せたいと思っている自国のイメージ?
それぞれの国、それぞれの参加者が、この浄化されたできごとの物語の中に、自国の誇りを満足させるものを見つけることができたのです。欧米諸国は、解放者として。そしてフランスですらも。思い出すことは、同時に忘れることです。1940年のフランスの敗戦も(忘れられてしまった)。
1930年代、ヒトラーの台頭の危険を前にしたフランスとイギリスの役割も。両国の姿勢は、歴史のじゅうたんの上に、一掃されてしまったのです。
単語メモと補足
déclassifier 機密扱いを解除する、公開する
livrer (戦いなどを)始める、交える
le Reich ドイツ帝国
un anéantissement 消滅、滅亡
et tant que + 無冠詞名詞 ~として、の資格で
se remémorer 思い出す
un péril 危険
hitlérien ヒトラーの
1930年代に、ドイツが強引に領土を拡大していったとき、フランスとイギリスはわりと放置していました。
ドイツとの戦争を避けるために、ヒトラーのむちゃくちゃな要求を認める宥(ゆう)和政策を取っていたからです。
また、ファシズムの勢力に、ソ連を倒してもらいたいという気持ちもありました。
そういうふうにヒトラーの暴走を許したくせに、ノルマンディー上陸作戦で、「悪の権化、ドイツを成敗したのだ。我々は民主主義を救ったのだ」と主張するのは、おかしいのではないか、というのがこの動画で言っていることだと思います。
ノルマンディー上陸作戦・関連記事動画
Débarquement de Normandie : l’opération Overlord
この作戦を説明する1分半のニュースクリップです。
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ノルマンディー上陸作戦は映画にもなっているし、悪を打ち倒すヒーローの物語と捉えられている部分はありますね。
この戦争で、ものすごくたくさんの人が死んでいるから、勝者は、自分たちのやったことを正当化したいのかもしれません。
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