ノルマンディー

時事ニュース

なぜノルマンディー上陸作戦は伝説となったのか?(1)

ノルマンディー上陸作戦がテーマのミニドキュメンタリー(8分程度の動画)を紹介します。

長いので5回ぐらいに分けて、スクリプトを和訳します。

今年2019年は、ノルマンディー上陸作戦が行われてから75周年という節目の年です。

6月6日、フランスのノルマンディーで記念式典が行われましたが、この前後、いつにもまして、欧米のメディアで、この日のことが大きく報道されていました。

日本は、直接的にはあまり関係ないので、毎年たいして話題にならないと思いますが、欧米の人にとっては、ノルマンディー上陸作戦の行われた6月6日は、いまでも重要な日です。



ノルマンディー上陸作戦のごく簡単な説明

動画を紹介する前に、D-Dayについて、基本的なことを書いておきます。

第二次世界大戦中の1944年6月6日、連合軍が大挙してフランスのノルマンディー海岸に上陸し、ドイツ軍を撃退しました。

これをノルマンディー上陸作戦と呼びますが、正式な名称はネプチューン作戦です。また、上陸した日から、パリ解放をはたすまでをオーバーロード作戦と呼びます。

フランス語では、Le débarquement de Normandie とか、Le Débarquement と呼びます。débarquementは、乗客や罪にを乗り物から降ろすことで、軍事用語では、上陸作戦、という意味です。

戦争史上最大規模で行われたこの攻撃は、その後の戦線に大きな影響を与えました。

上陸が開始された1944年6月6日は、D-Day と呼ばれます。フランス語では Jour J です。

この作戦は、『史上最大の作戦』(The Longest Day)や、『プライベート・ライアン』(Saving Private Ryan)といった映画になっていますし、ゲームもたくさん作られています。

70周年のときに記事を書いています⇒エリザベス女王がフランスを訪問、ノルマンディー上陸作戦70周年式典 ノルマンディー上陸作戦についても書いているのでよかったら読んでください。

ノルマンディー上陸作戦は失敗だったのか?

13カ国から15万人の兵士を集めて行ったこの作戦のせいで、ドイツ軍は力を失ったから、成功したと言えますが、一方で、港湾の確保などに手間取り、連合軍の計画どおりには、侵攻できず、たくさんの兵士が命を落としました。

パリが解放されたのは、作戦が開始されてから2ヶ月後の8月25日です。

ほかの作戦と比べた場合、いまいち、威力がなく、作戦としては失敗だった、という見方もあります。

大規模だったわりには、実りが少なかった、というわけです。

この動画ではこのあたりのことを検証しています。

タイトルは、6 juin 1944 : pourquoi le Débarquement de Normandie est entré dans la légende (1944年6月6日:なぜノルマンディー上陸作戦は伝説となったのか?)

Le Mondeが制作した動画です。フランス語の字幕を表示させることができます。

8分15秒。

スクリプト

1分47秒あたりまで。

Quand on se promène près des côtes de Normandie, on remarque généralement une chose.

S’il y a des drapeaux partout et surtout des américains, c’est parce qu’ici s’est jouée l’une des plus grandes opérations militaires de l’histoire.

Un assaut de 7000 bateaux, 7500 avions et 150 000 soldats.

Mais le 6 juin 1944, c’est aussi l’histoire d’une légende, celle d’une bataille du bien contre le mal, un coup de génie qui aurait fait chuter Hitler et offert à l’Amérique une médaille sans tache : celle de sauveur du monde libre.

Aujourd’hui, quand on parle du 6-Juin, on pense généralement à ça, à ça ou ça…

Les documents de l’époque racontent pourtant une histoire assez différente.

D’abord parce qu’à l’initiative d’un débarquement, il y n’a pas que le président américain Roosevelt et le premier ministre britannique Churchill.

Il y a aussi lui.

Depuis 1941, Staline milite intensément pour assaut à l’ouest, un second front qui allégerait le fardeau soviétique et prendrait les nazis en étau.

Prudent, Churchill repousse l’échéance, plusieurs fois : son armée, dit-il, n’est pas prête.

Sauf qu’en 1943, la situation a changé.

L’Armée rouge a relevé la tête, gagné à Stalingrad.

À l’Est, elle engrange les victoires.

Pour les Américains et les Britanniques, il faut faire vite les soviétiques risquent d’écraser Hitler tout seuls et faire de l’Allemagne leur prise de guerre.

À Téhéran, les Alliés s’accordent secrètement sur un débarquement au printemps 1944.

Son nom : Opération Neptune.

和訳

ノルマンディー沿岸を散歩すると、あることに気づきます。

いろいろな国の国旗、とくにアメリカの国旗があちこちにあるのは、ここで、歴史上最大の作戦の1つが行われたからです。

7000の船、4500の飛行機、15万人の兵士による襲撃です。

1944年6月6日は、伝説の物語でもあります。

善が悪を退治する物語、ヒトラーを陥落させた巧みな攻撃、アメリカに輝くメダルをもたらした、自由社会を救う物語。

今日、6月6日の話をするとき、たいてい、人は、これや、これ、これを思い浮かべます。

このできごとに関する資料は、それぞれが違う歴史をものがたっています。

なぜなら、そもそも、この上陸作戦のイニシアチブをとったのは、アメリカのルーズベルト大統領とイギリスのチャーチル首相だけではないからです。

もう1人います。

1941年以来、スターリンはどんどん西部に侵攻していました。ここは、ソビエトの負担を軽くし、ナチスをがんじがらめにする二番目の戦線です。

用心深いチャーチルは、イギリスの軍隊はまだ準備ができていないと、期日を何回も延期していました。

しかし1943年に、事態が変わりました。

ソビエト赤軍が盛り返し、スターリングラードを占領しました。ソビエト軍は西部で続々と勝利していました。

アメリカと英国は、ソビエト軍がヒットラーを圧勝し、ひとりでドイツを手に入れてしまう前に、なんとかしなければなりません。

テヘランで、連合国は極秘に、1944年の春に上陸作戦をすることに同意しました。

その作戦の名前は、ネプチューン作戦です。



単語メモ

côte  沿岸、海岸 côtes 沿岸地方

assaut  襲撃

militer  活動する、運動する、闘う

alléger  軽減する

fardeau   負担、重荷

pris dans un étau   がんじがらめにする étau は、万力です。

repousser  延期する

échéance  期日、決着のつく日、最終期限

relever la tête  (再び)頭を上げる、自信を取り戻す

engranger   幸運に恵まれる、うまくいく

écraser  圧倒する、圧勝する

■ 第二次世界大戦に関する過去記事もどうぞ。

どうして第二次世界大戦が起きたのか?(子供むけの簡単な説明)

第二次世界大戦で起きた奇跡の救出作戦、「ダンケルクの戦い」とは?

5月8日、ヨーロッパ戦勝記念日(VEデー)の起源とは?

*****

ふだん、アメリカ、イギリス(BBC)、カナダ、フランス(RFI)のニュースのポッドキャストを聞いているのですが(いずれも短いポッドキャストです)、6月6日前後は、D-Dayの話ばかりでした。

あまりに、D-Dayのことばかりでてくるので、この時期にD-Dayの記事を書く気になれず、今、書いております。

今回の75周年は、実際に上陸作戦にかかわった人が参加できた最後の式典と言われています。

生き残っている人は、90代になっていますから。

時は確実に流れていきますね。






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