少女

フランス映画・テレビ・動画

壁に気づくことに意義がある。『パリ20区、僕たちのクラス』の予告編(4)

パリ20区、僕たちのクラス』の予告編フランス語を学んでいます。今回はようやく最終回です。

この映画の原題は Entre les murs  直訳は「壁の間」です。この壁、学校の壁とも取れるし、生徒と先生のあいだの壁とも取れるし、移民が多い生徒とフランス社会の壁とも取れます。



『パリ20区、僕たちのクラス』予告編とスクリプト

今回は1分30秒あたりから。

Si, il y a La République, le livre La République.
La République de Platon. Mais alors, quels genres de questions il pose, sur quel sujet ?
Sur tout. Sur l’amour, sur la religion sur Dieu, sur les gens, sur tout.
Ben, c’est très bien que t’aies lu ça.
Ouais, je sais. C’est pas un livre de “pétasse”, hein ?

はい。「国家」(共和国)です。国家の本です。
プラトンの「国家」ですね。この本ではいったいどんなトピックについてどんな質問をしていますか?
すべての質問です。愛や、神への信仰、人民についてとかみんな。
君が、この本を読んだなんて素晴らしいね。
ええ、この本は「pétasse」に関する本じゃないですし。

※映画の概要は初回の記事をごらんください⇒『パリ20区、僕たちのクラス』で接続法半過去を学ぶ:予告編のフランス語(1)

このシーンだけ見てるとよくわからないのですが、実は予告編でもすごく目立っているこの少女はエスメラルダといって、とても口の達者な女生徒です。

彼女は、先生たちが生徒の成績を決める会議に生徒代表として出席し(そういうシステムのようです)、この会議の内容をほかの生徒にばらします。

怒った先生は、きみは pétasse のような口の聞きようをする、と言ったのです。先生としては、きみは、人をアジテートするアバズレのような口を聞く、と言いたかったのです。しかし、この言葉はスラングで「売春婦」という意味があります。

そこで、エスメラルダは「先生は私のことを売春婦と言った」とみんなにいいふらします。会議で起きたことをほかの生徒にばらすのは、売春ではないのですが、まあ、そういうふうにとったのです。

映画ではこのフランソワ先生の発言が大きな波紋を呼びます。



『パリ20区、僕たちのクラス』予告編いろいろ

こちらは日本で公開されたときの予告編です。

日本市場むけの予告編を見るとよく思うのですが、いつも「感動を呼ぶ、さわやかな佳作」的な演出がしてありますよね?

そうしないと、お客さんが入らないのでしょうか。

こちらはアメリカの予告編。
英語版のタイトルは The Class 「教室」です。

こちらはイギリスでの予告編です。

微妙に編集が違いますね。成績が6とか8とか言ってますが、フランスの評価は20点満点なので、これは半分もないわけです。

生徒たちはフランス語での日常会話は大丈夫。しかし、本に出てくるような接続法過去などは全くわからないし興味もありません。

自分のことを書かせてみれば、「私たちの人生ほどつまらないものはない」「文章に書くほどのものでもない」と希望のない作文が続々。日本の中学生はどんな感じでしょうか?

「壁」は自分がいるところから出ようとしないと気づきません。よって、壁を感じるというのは、ポジティブなことなんだと思います。

壁を取り去ることはできないかもしれませんが、乗り越えようとしたり、迂回したり、外の様子を伺ったり。壁の外に出たり、中に入ったり。いろいろやってみるところに、価値があるのではないでしょうか?

それでは、次回の映画の記事をお楽しみに。






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