フランス語の達人養成講座に先立って行われたスカイプミーティングから、DELF合格のためのアドバイスをまとめます。
達人講座とは?
わたしの受講しているフランス語脳プロジェクトで、今週から仏語の達人養成講座というものが始まります。
これはDELFのB1とB2の対策講座で、隔週でB1が6回、B2が6回で半年にわたる講座です。講師は翻訳講座の清水先生。
DELF(デルフ)とはフランス語の試験の一種です。フランス国民教育省が認定した公式フランス語資格(ディプロム)を得るもの。B1、B2は級の名前です。ちなみにB2のほうが難しいです。
日本でこの試験を受ける場合は、DELF・DALF試験管理センターというところのサイトを見ると、詳しい情報がのっています⇒日本フランス語試験管理センター
10月の終わりに、この講座の受講生の質問に講師が答えるスカイプミーティングが3回に渡って行われました。
月末だし、時間も微妙にあわなかったので私は参加しませんでしたが、音声が配信されましたので、きょうはその内容から勉強法などをシェアします。
ミーティングは生徒がチャットで質問しており、それに先生が基本的に音声で、チャットを交えて回答をしていました。
このチャット部分のログがなかったのと、音声が不鮮明な箇所があったので、内容を100%聞き取れたわけではないのですが、DELFを受験しなくとも、フランス語の学習一般で参考になりそうなところを書いてみますね。
きょうは、概論として、すべての技能を磨くのに必要な考え方と、アウトプットの強化法(作文と口頭表現)をご紹介します。
概論 フランス語力をあげて達人になるために
表現モデル(言葉のネットワーク)の習得を
フランス語を単語単位ではなく、語の連なりとして意識することが必要。たとえば、「影響を与える」という表現の「与える」はdonner ではなく、exercer である。よって、単語集や構文集は確認用に使うのはいいが、これで単語を覚えようとするのは無駄。地道に読解して、文章の中で出会うべきである。
表現モデルとは決まったことばの並びです。英語でいうところのコロケーションですね。
ある名詞にどんな動詞が使われるか、自分で作文をするときに調べるのに便利な辞書は、以前も作文講座の記事で書いたことがありますが、Dictionnaire Des Combinaisons De Mots という本です。
名詞中心の世界
フランス語は名詞中心の言語だということを意識する。ある種の動詞は、名詞(主語)と名詞(目的語など)の関係を表す機能的なものであるから、これをいちいち日本語に訳そうとしていると読解、リスニングとも処理が遅くなる。例えば provoquer, permettre, causer etc.
名詞中心の構造を理解するには、上記辞書、そして日本の「フランス語名詞化辞典」などがおすすめ。
この参考書、私も持っていますが、辞典といっても小さくて薄いコンパクトな本です。
仏検の1級や準1級を受験する人は中身を暗記したりするかもしれませんが、考え方を理解するのに使うのなら、ぱらぱら読めばいいと思います。
アメブロにレビューを書いています⇒『フランス語名詞化辞典』を買いました。|penのフランス語日記
また、フランス語の構造を理解するために、「書きながら考えるフランス語」という本もおススメ。
この本は絶版で、中古本は高価です。図書館などで見つけたら、手にとってみるといいでしょう。
自分で書いて、間違えて、そこから学ぶ
言葉のネットワークの中で、特に自分の弱い部分を知るには、作文して、ネイティブの添削を受けることが有効。間違えたら、どこが間違いなのか、考えること。
よく添削を受けて、受けっぱなしという場合がありますね。
私は英語を学んでいたとき、半年ほど毎日英語で日記を書いて、先生に添削してもらっていました。
でも、自分でもあきれるほどたくさん書いていたし、改めて自分の日記を読むのがどうにもつまらなかったので、間違いをそれほどつきつめて考えることがありませんでした。
つまり添削してもらったのにほぼほったらかし状態という、ひじょうにもったいないことをしていたわけです。もっと間違いを掘り下げるべきだったと思っています。
主体的な学習を
講師の言うことを丸暗記するのではなく、彼の思考を学び、それを自分の思考に昇華できるように努力する。自分のやっていることを俯瞰(ふかん)でとらえる。
この講座では、学んだことを人に教えられるように、なるべく先生の考え方を伝えていく、とのことです。
思考を学び、自分の思考にしていくためには、ノートをとることが有用とのこと。先生は手書きにこだわっています。
手書きは消滅してしまうのでしょうか?という記事で書きましたが、手を動かすことによって、覚えるという利点もありますが、私は、脳になんらかの作用があるのではないか、と思います。
手書きをすると、創造力がふくらむのは確かですね。
「俯瞰でとらえる」というのは、実は読解の話で出てきたのですが、これは自分とフランス語の関係にもいえます。
「何のためにこれを学習しているのか、自分はこれを学習したらどうなるのか」、といったことは時々考えるべきだと思います。そして、そこに意義が見い出せなければ、人にやらされているような気になって、学習がつらくなるものです。
作文の学習方法
授業で重点的にやる。というのも、読解は独学できるけれど、作文は自分でやるのが難しい分野だから。そのさい、課題を自分の頭で考えて、自分で書いて提出することが大切。
課題の提出が大事な理由は概論のところで書きました。
話すこと~エキスポぜ対策
エキスポぜ(exposé)は、与えられたテーマに関して自分の意見を述べるものです。プリゼンテーションです。
日本はあまり、この方面の教育に力を入れませんが、外国では盛んですね。私の娘なんて、3歳と4歳のときに通っていたプレイスクールで、すでにありました。
テーマは「私のコレクション」。自分の集めているものをみんなに見せながら、それについてしゃべるのです。
彼女は集めるのは得意ですから、テーマにはことかきません。その時は、たくさんあった磁石について話しました。テーマ選びや話すことは私が考えたのでよく覚えているのです。
もちろんDELFのエキスポゼのテーマはもっとアカデミックです。
いかがでしたか?
フランス語のアウトプットである作文や口頭表現の力は、どちらも実際に書いたり、話すことでしかのばせない部分があります。
「知識は覚えるものではなく使うものである」とは、先生の弁。
盲目的にやっていると、覚えることが目的になってしまう罠にはまるので注意しなければなりませんね。
それでは、次回は読解とリスニングというインプットについて書きます。
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