原子力発電所

時事ニュース

福島で何が起きたのか?

福島で未曾有の原発事故が起きてから10年たちました。

この事故について、簡単なフランス語で伝えている1 jour 1 question の動画を紹介します。

タイトルは、Que s’est-il passé à Fukushima ? (福島で何が起こったのか?)

2015年に制作された動画です。



福島で起きたこと

1分42秒

トランスクリプション

Fukushima est le nom d’une centrale nucléaire située au Japon, à 250 km au nord de la capitale, Tokyo.

Le 11 mars 2011, Fukushima est devenue tristement célèbre car elle a subi l’un des plus graves accidents nucléaires de l’Histoire.

Ce jour-là, le Japon a été frappé par un tremblement de terre très violent, qui a ensuite entraîné un tsunami.

Un tsunami, c’est une vague géante qui dévaste tout sur son passage : elle a endommagé les réacteurs de la centrale nucléaire de Fukushima.

Mais, c’est quoi un réacteur de centrale nucléaire ?

Un réacteur est comme une cocotte-minute, à l’intérieur un combustible radioactif, l’uranium permet de fabriquer de l’électricité en dégageant de la chaleur mais, attention, le réacteur ne doit pas trop chauffer pour cela il est refroidi en permanence avec de l’eau sinon il peut exploser.

Et c’est ce qui s’est malheureusement passé pour 3 des réacteurs de la centrale de Fukushima.

Lors des explosions des produits radioactifs se sont échappés. Or cette radioactivité rend malade les hommes et pollue l’environnement pour des siècles, les populations des environs de Fukushima ont dû quitter leurs maisons.

Dans la centrale, depuis 2011, des équipes maintiennent les réacteurs au frais en y injectant de l’eau de mer.

Aujourd’hui, la centrale nucléaire et ses environs sont toujours en cours de nettoyage.

L’objectif est de faire baisser au maximum le niveau de radioactivité pour que la vie reprenne petit-à-petit dans cette région. Mais le chantier de nettoyage pourrait prendre 40 ans.

和訳

フクシマは日本の原子力発電所で、首都東京から250キロメートル北にあります。

2011年の3月11日、フクシマは、悲しいことに有名になりました。というのも、歴史上、もっとも深刻な原発事故の1つを被ったからです。

この日、日本は、とても大きな地震に見舞われ、津波が起きました。

津波とは、巨大な波で、通過するとき、あらゆるものを破壊します。津波は、フクシマの原子力発電所の原子炉をこわしました。

ところで、原子力発電所の原子炉とは何でしょうか?

原子炉は、圧力鍋のようなもので、中で核燃料(放射性の燃料)であるウランがが、熱をだしながら電気を作っています。

でも、原子炉は、熱くなりすぎてはいけないので、ずっと冷やさなければなりません。さもないと、爆発します。

不幸なことに、フクシマの発電所の3つの原子炉でこれが起きたのです。

爆発したとき、放射性物質がもれました。

放射能は、人を病気にし、何百年にもわたって環境を汚します。フクシマのそばの住民は、家から出なければならなくなりました。

発電所では、2011年以来、作業員チームが海水を投入して原子炉を冷やしています(pen注:現在は、使用済みの燃料などを取り出しているところです)

現在も、原子力発電所とその周辺は、いまも清掃中です。

目的は、放射能のレベルをできるだけ下げ、少しずつまたこの場所で生活できるようにすることです。

しかし、事故現場の清掃には、40年かかる見込みです。

単語メモ

une centrale nucléaire  原子力発電所

endommager  ~に損害を与える

un réacteur nucléaire  原子炉

un cocotte-minute  圧力鍋、ココット・ミニュトは商標。

un combustible  燃料

s’échapper  もれる

une radioactivité 放射能

une population  住民

現在は、海水で原子炉を冷却するというのはしていないと思います。

こちらの記事によると⇒福島原発事故から10年、遠い「廃炉」への道のり | 資源・エネルギー | 東洋経済オンライン

使用済の核燃料の取り出しと平行して、原子炉の中に落ちた核燃料を取り出しているそうです。これは、とても難しい作業だそうです。



福島、関連動画

事故から10年たったということで、フランスの複数のメディアが、福島の事故について報じています。短い動画を2つだけ紹介します。

Euronews 2分

France 24 1分53秒

YouTubeにはもっといろいろありますので、興味のある方はごらんください。

福島原発事故に関連するニュースはまた別の記事でも紹介するつもりです(あくまで予定です)。

原子力発電は、ウランを核爆発させて、熱を得て、その熱を使って、水を水蒸気にして、その蒸気を使って、蒸気タービン(羽根車)をまわして、発電します。

地震があったとき、発電所の稼働は自動的に停止しました。しかし、発電が止まっても、核燃料は熱を出しつづけるから、冷やし続けなければなりません。

冷やすのに使う機械は、電気で動きますが、津波で発電所や原子炉が壊れたから、電源がなくなって、冷やせなくなり、熱くなりすぎた核燃料が、原子炉の棒をとかして、下に落ちて、まわりに放射能が放出してしまった、

というのが私のざっくりとした理解です(違うかもしれません)。

核燃料は使用済みでも放熱しつつ、放射能を出すから掃除や除染がなかなかすすまないのでしょうね。放射能が目に見えないのも、扱いが難しい理由です。

原子力発電は、少ない燃料で大きなエネルギーを作り出せるし、CO2を排出しないクリーンエネルギーと言われています。

しかし、廃棄物の処理を考えると、とてもクリーンとは言えないし、少ない燃料で大きなエネルギーを得られるということは、今回のような事故が起きたとき、大きな被害がでるということなおで、取り扱いには重々注意すべきださい、事故が起きたときの対応なども、事前にしっかり考えておかなければなりません。

この事故の被害の全容がわかるまで、あと数十年かかりそうです。






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コメント

  • コメント (2)

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    • わた
    • 2021年 3月 13日 8:56pm

    penさん、こんにちは。

    月日の流れは早いもので大震災から10年が経ってしまいましたね。信じられない気持ちです。

    こちらのEuronewsのビデオ、日本とヨーロッパの原子力発電所について説明されていて面白かったです。サイトでも、日本に関する記事が沢山あって驚きました。これからチェックしてみようと思います。

    ところで、1 jour 1 question の動画の最初の1文(Fukushima est le nom d’une centrale nucléaire située au Japon)が少し気になりました。これは正しくないと思いましたが、フランス人にとって【フクシマ】は、原子力発電所の名前になってしまっているということでしょうか。
    個人的には、↓のように言ってほしいと思いました。
    Fukushima est le nom d’une préfecture au Nord de Tokyo au Japon, où se trouve une centrale nucléaire appelée Fukushima Daiichi.

    色々な日本の言葉が、フランスに渡り、意味が変わって使われているものが沢山ありますよね(penさんの記事にもありますね)【フクシマ】もその一つなのでしょうか。。。

      • pen(フランス語愛好家)
      • 2021年 3月 14日 5:20am

      わたさん

      こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      Fukushima est le nom d’une centrale nucléaire

      という文、私は間違ってないと思います。
      「フクシマはある原子力発電所の名前である」
      というのは、そのとおりですから。

      福島は、福島県を意味するときもあるし、福島市を意味するときもあるし、
      大阪市福島区のことを意味するときもあり、
      さらに、福島と呼ばれる地域にある、津波で大被害を受けた原子力発電所のことを意味することもある、
      と私は理解しています。

      つまり、1つの言葉にいろいろな意味があるだけではないでしょうか。

      この動画は、フランスの子供に向けたものだから、
      「福島第1原子力発電所」と、きっちり書く必要はないでしょう。

      これに類した言葉の使い方はほかにもよくあると思います。

      日本では、新型コロナウイルスのことを、「コロナ」と呼びますが、
      海外ではそういう呼び方はしません。

      COVID-19 か、Coronavirus と呼びます。

      Coronaという地名もあるし、コロナビールというビールもありますから。

      けれども、日本では、ちまたで、皆がこの感染症のことを「コロナ」と呼び、
      「そう呼ぶのは間違っている」という意見はあまり聞かれません。

      この動画に出てくるFukushimaも、厳密に言ったら違うと言えば、違いますが、
      通称だと考えてはどうでしょうか。

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