カブトムシ

フランス語脳プロジェクト

昆虫食は食糧難を救う

フランス語脳プロジェクトの翻訳講座、第6回の課題は昆虫食に関する本の一節です。

虫を食べることが注目されている

13日に国連食糧農業機関(FAO)が、カブトムシや芋虫などの昆虫を食べることを推奨する報告書を発表したので、にわかに昆虫を食べることが注目をあびています。

とはいえ、ほとんどの人は「え?虫を食べるの?」とびっくりするのではないでしょうか。

カブトムシは硬そうだし、芋虫はぷにぷにしていて柔らかいだろうけど、見た目がちょっと・・・と思いませんか?

だいたい、昆虫っておいしいのかな、とか。

FAOが推奨したというこのニュースも日本ではネタ扱いされてしまうかもしれません。

なぜ、FAOは昆虫食をおすすめしているのでしょうか?

それは昆虫が未来の食糧難を救うエースだと考えられているからです。

地球上の人口はどんどん増えて70億人を突破しました。国連の予測によれば、2050年には91億人(下位推計では78億人ぐらい)に達するとされています。

ところが、土地や水といった資源は無限ではないので、増加する人類の食料が足りなくなると心配しているのですね。

今でも、収入が一日1ドル以下で、満足に食べることができない人が地球上に10億人いると言われています。

人間が生きるのに不可欠なタンパク質の主要供給源は肉です。しかし、畜産業が環境破壊につながるので、肉に替わる食糧の研究がすすめられているのです。

昆虫食は食糧難を救う

FAOのサイトの昆虫食のページになぜ昆虫食が食糧難を救うのか書いてあります。

Les insectes comestibles issus de la forêt

見出しだけとりあげて、内容をごく簡単にまとめてみました。

Des ailments très répandus
ひろく普及している食糧

アフリカ、アジア、ラテンアメリカでは昆虫を食べることはめずらしくありません。

Quels types d’insectes ?
どんな種類の昆虫を(食べたらよいか)?

地球上に生息する1000種類以上の昆虫を食べることができます。

Des insectes comme nourriture pour le bétail et les poissons
家畜や魚のエサとしての昆虫

家畜のエサの値段は上昇しているので、昆虫をエサとして使う可能性が考えられています。

こちらは起業家であり、環境保護に熱心なジェイソン・ドリュー(Jason Drew)のプレゼンテーションです。

彼は魚のエサとしてハエを育てるアイデアについて熱く語っています。興味のある方はごらんください(英語)。

TEDxObserver – Jason Drew 7分17秒

Une bonne source d’aliments
昆虫は食糧のよい供給源

昆虫は人間、家畜、家禽、魚にとっても栄養のある食糧になります。特に良質のプロテイン供給源です。

Une excellence source de revenus
すばらしい収入源

特に、飢餓状態にある人にとって、昆虫はプロテインを供給するだけでなく、収入ももたらします。

昆虫を収集し、加工、販売することによって収入を得、最低限の生活が実現できる可能性があります。

Les insectes comestibles et l’environnement
食糧としての昆虫と環境

畜産業を推し進めることは、すでに負荷のかかっている土地や資源を使い尽くすことになります。

農薬、殺虫剤などが土地を汚染し、森林破壊は温室ガスを発生してしまいます。それに対して昆虫を食べることは環境にやさしいです。

授業で読んでいる本はこちら

昆虫はいっぱいいるのでうまく利用していきたいと考えているのですね。

飢餓人口の多い、アフリカや南アジアで昆虫食産業がすすめば、朗報となります。

でも、日本をはじめ、先進国では食べ物が余っていますよね? 残り物を捨ててますから。

結局のところ、現在は今ある食糧をこの地球でにうまく分配できてないんですよね。

ものすごく大雑把に言うと、今、恵まれている人、団体、国などが自分たちの儲けを手放したくないとか、生活の質を落としたくないという理由で、結果的に自分たちの食べ物を貧しい人たちに分けてあげることができていない状況だと思います。

一人ひとりがいじわるとかそういう問題ではなくて、社会のシステムがそういうふうにまわっています。政治がうまく機能していないのです。

Yahoo!ニュースでは、

会見したFAO担当者は「昆虫は栄養価が高い。既に世界人口の3分の1に当たる20億人が食べている」と強調。同席したガボンのヌチャンゴ水利・森林相も、カブトムシの幼虫や炒めたシロアリはおいしいと語り、「われわれは日常的に昆虫を食べている」と述べた。

とありました。炒めたシロアリなんて食べたいですか?

シロアリは害虫だから、食べてしまうのはよいアイデアですけどね。

今、おいしい牛丼を食べている人が、カブトムシの幼虫やシロアリは食べないと思います。何かよっぽど強い動機があれば別ですが。それこそ、一部のニュースでとりあげられているように、ダイエットにいいとかアンチエイジングに効果的とか、そういう豊かな国の人にとって魅力的な動機があれば食べてしまうでしょう。

先進国の人は、太りたくないからと、わざわざお金を払ってジムに行きますよね。ジャンク・フードを食べるのをやめて、そこらを走り回れば、ただでカロリーを消費できるのにもかかわらず。

翻訳講座で読んだ課題には昆虫を乾燥させてパウダーにし、機能性食品のプロテインとして混ぜる製品を開発中とありました。

そういうふうにサプリメントの一種として、昆虫食がすすむのはいいと思います。

以前グルテンフリーダイエットについて書きましたが、『昆虫ダイエット』という言葉もそのうち聞かれるようになるのかもしれません。

ビデオで紹介した、ジェイソン・ドリューの会社のハエを使って飼料を作る技術が、最近、イノベーション・プライズ・フォー・アフリカ(Innovation Prize for Africa)という賞を受賞しました。

⇒ハエを使う飼料生産、アフリカ革新技術賞を獲得 (AFP=時事) – Yahoo!ニュース⇒Yahooのニュースの掲載が終わったのでリンクをはずしました。

こういう研究も今後すすんでいくのでしょうね。

貧しい国の人ばかりが昆虫を食べるのではなく、昆虫産業で収益があがり、生活の質もあがれば理想的ですね。






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