青みがかった銀色のシートですっぽり包まれてたたずむ凱旋門。これは芸術作品の1つです。
シートに包まれた凱旋門を見た街の人々の感想を伝える1分のニュースクリップを紹介します。
2021年の9月18日から10日3日まで、パリの観光名所の1つである凱旋門を包むアートプロジェクトである、 L’Arc de triomphe, Wrapped が行われていました。
動画のタイトルは Arc de Triomphe emballé: l’œuvre d’art de Christo fait (déjà) beaucoup réagir (包まれた凱旋門:クリストのアート作品はすでに話題になっています)。
凱旋門をラッピング
L’Arc de triomphe, Wrapped・トランスクリプション
C’est une œuvre d’art éphémère à 14 millions d’euros, qui nécessite 95 cordistes.
L’Arc de Triomphe entièrement empaqueté ; inauguration prévue samedi.
C’est Christo et sa femme Jeanne-Claude qui sont à l’origine de ce projet fou.
Tous les deux sont décédés, c’est leur neveu qui a permis d’accomplir le projet.
Une œuvre qui divise forcément, et qui dans tous les cas ne laisse pas indifférent.
– J’ai l’impression que ça va être un tour de magie et que quand ils vont enlever les draps, il n’y aura plus rien. Non je trouve ça assez intéressant, c’est impressionnant, j’aime bien…Tant que c’est temporaire…
– C’est très bien, c’est joli, c’est une bonne façon d’appréhender l’art, changer un peu les bâtiments…J’aime bien ce côté gris, lumineux, c’est sympathique.
– C’est très emballant. Je trouve ça magnifique. C’est vraiment de l’art pur.
– C’est de l’art ça ?
– Je trouve qu’il est plus beau sans mais…
– Ça m’angoisse, quand je vois ça regardez, c’est moche.
– Pourquoi couvrir l’Arc de Triomphe ?
– J’aime beaucoup, c’est vraiment spécial. Nous on l’avait déjà vu avant, mais je comprends que ça puisse être décevant pour les touristes qui le voient pour la première fois.
– Ça a coûté 14 millions ?
– Mais on aurait pu en construire un tout neuf !
– C’est vraiment décevant.
☆トランスクリプションの引用元⇒Ilini | The Arc de Triomphe, Wrapped
ラッピングされた凱旋門・和訳
これは、1400万ユーロ(本日のレートで18億円ぐらい)の、つかの間のアート作品で、ロープを扱う人が95人要しました。
凱旋門は完全に包装され、土曜日に開会式が予定されています。
クリストとその妻、ジャンヌ=クロードがこの気違いじみたプロジェクトを考えました。
2人とも亡くなり、彼らの甥が、このプロジェクトを実現させました。
当然、賛否が分かれる作品ですが、いずれにしても、無関心ではいられません。
- 手品のように、シートをはがしたら、そこには何もないって気がしますね。いえ、なかなかおもしろいし、感動的で、好きですよ。一時的なことならば。
- とてもいいですね。きれいです。芸術を理解するいい方法です。建物を少し変えてみることはね。グレーの明るい面がとても好きです。いい感じだわ。
- とてもエキサイティングです。すばらしいと思います。真の純粋なアートですよ。
- これって芸術なんですか?
- ないほうがずっときれいだと思うけど。
- 不安になりますね、見ると。醜悪ですよ。なぜ、凱旋門にカバーをかけるんですか?
- 大好きです。本当に特別で。僕たちは、前に凱旋物を見たことがあります。でも、はじめて見にくる旅行者はがっかりするかもしれませんね。
- 1400万もかかってるの?
- (それだけあれば)新しいのを作ることができたでしょうに。
- がっかりですよ。
単語メモ
forcément 必然的に
tant que + ind. ~する限り
appréhender (真理など)を把握する、理解する
emballant 熱中させる、興奮させる
いろいろな反応があっておもしろいですね。
凱旋物を包むプロジェクト・関連動画
クリスト(1935-2000)は、いろいろなものを包むアーチストで、1985年には、奥さんと、ポン・ヌフ橋を包んでいます。
長年彼は凱旋門を包む作品を、構想しており、かなり準備も進んでいましたが、実現は果たせず、2020年の5月に亡くなっています。
今回のプロジェクトは、彼へのオマージュを捧げるものだそうです。
L’Arc de triomphe empaqueté par Christo & Jeanne-Claude(クリストとジャンヌ=クロードによる包まれた凱旋門)
2分29秒。発話はなくキャプションでプロジェクトの概要を語っています。
この動画によると、費用はほぼ自前です。自分の作品を売って、お金を作ったそうです。
最後の作品、見たかったでしょうね。
■凱旋門に関する過去記事もどうぞ⇒凱旋門(がいせんもん)から見たパリ
芸術って、こういう一見ばかばかしいことに、時間やお金、エネルギーを注ぐことですね。
遊び心というか。
どんなことにも、遊びや余裕は必要ですね。
この記事へのコメントはありません。