今回は「おやゆび姫」のフランス語のタイトルを紹介します。
「おやゆび姫」のあらすじ
おやゆび姫は、親指ぐらいの大きさのお姫様です。
日本には一寸法師とか鬼太郎の父とかアリエッティとかいますが、そういう極小の妖精の仲間です。
しかし「小さい」ということは有名でも、おやゆび姫の話の筋を覚えている人は少ないのではないでしょうか?
白雪姫やシンデレラのように、毒リンゴをかじってぱたっと倒れたとか、階段を焦ってかけ降りるときに片方の靴が脱げた、といった印象に残るエピソードが話の中にありません。
おやゆび姫は、彼女の森の中での冒険譚なので、記憶のひっかかりがないのですね。
とはいえ、最初にひきがえるに誘拐されたときは、私はドキッとしましたが・・。
話の内容を簡単に書くと、あるところに、子どもができなくて悩んでいる女性がいます。どうしても子どもが欲しいので、魔女に頼みます。
どんなに小さな子でもいいから、と頼んだら、魔女が、大麦の粒(un grain d’orge)をくれます。
それを植えたら、チューリップのような花が咲き、中から女の子が生まれます。
それがおやゆび姫、しかし生まれてほどなく、彼女を気に入ったひきがえるに誘拐されます。その日から彼女の森の中での冒険と苦難の日々が始まります。
このお話はアンデルセンの童話の一つです。デンマークで、最初のアンデルセン童話が出版されたとき、彼の童話集は不評だったそうです。
というのも、話に教訓がないから。
アンデルセンは伝承童話をまとめたというより、創作した童話が多いので、説教くさくないのですね。
そういう意味では、より夢があり今日的ではないでしょうか。
そのせいか、映画やアニメにたくさんなっていますね。
「おやゆび姫」のフランス語のタイトル
おやゆび姫
La Petite Poucette
petite 小さい(女性形)
pouce 親指
-ette は女性の名前の語尾。小さいことを表す接尾辞でもあります。
英語は Thumbelina (サムベリーナ)です。
★いっしょに覚えられる基本的な単語
fleur 花 ・・・から生まれる
crapaud ヒキガエル・・・に連れ去られる
souris ねずみ・・・に冬場泊めもらう
絵本の朗読の動画をご紹介します。
一番最初にタイトルが読まれます。9分ほど。
★次回はこちら
⇒第4回『人魚姫』
penの「おやゆび姫」の思い出
私はこの童話は絵本で読みました。花の中にお姫さまがいた絵をよく覚えています。花びらの重なってる感じがとてもきれいでした。
おやゆび姫は、最初はきれいな花から生まれ、その後は舞台を森に移し、いろんな虫、動物に出会い、季節の移り変わりにもさらされます。
自然がたくさん出てくるので、絵本にしがいのある童話だと思いますし、私も大好きな話でした。
お城や舞踏会などが出てこないので、それもあんまり話を覚えてもらえない理由かもしれません。
一応最後に、自分と同じ花の妖精の王子様と結ばれますが、そこは野原。でも花がいっぱいでとても美しい場所です。
アンデルセンは「おやゆび姫」をほぼ創作しましたが、古いイギリスの伝承話、Tom Thumb(トム・サム)や、ガリバー旅行記の小人の話などにインスピレーションを受けているそうです。トム・サムは小さい男の子の話です。
トム・サムをヒントにしたテレビアニメで『001/7親指トム』というのがあるのですが、私はこれが大好きでした。
タイトルは「ゼロゼロ7分の1」と読みます。もちろん、007のパロディです。ちびっ子光線をあびた親指トムが大活躍する話です。
テーマソングの動画を貼っておきます。
1分22秒 親指トムは40秒あたりから。
このアニメ、夕方放送していて、弟と毎日楽しく見ていたのを覚えています。日米合作のアニメで(当時はそんなことは知りませんでしたが)おしゃれですね。英語のタイトルはTOM of T.H.U.M.B.です。
「おやゆび姫」関連リンク
以下は参考リンクです。
La petit poucette フランス語版テキストがこちらから読めます。
⇒⇒Hans Christian Andersen – Wikisource
La petit poucette 朗読です。
⇒ANDERSEN, Hans Christian – 18 contes | Litterature audio.com
おやゆび姫(青空文庫)
⇒ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 大久保ゆう訳 おやゆび姫 Little Tiny or Thumbelina
トップの画像はお友達のmasausaさんに描いていただきました。おやゆび姫penでございます。とてもかわいいのでお気に入りです。
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