シンデレラ pen

タイトルのフランス語

『シンデレラ』はフランス語で何と言う? 第11回

『シンデレラ』のフランス語のタイトルをご紹介します。

お伽話の中では最も有名な話と言えそうですが、まだこのシリーズで取り上げていませんでした。



シンデレラはフランス語で?

Cendrillon ou La Petite pantoufle de verre
直訳は「サンドリヨン またはガラスの小さな靴」

Cendrillon cendre(灰)から来た呼び名。;灰かぶり、灰まるけ

ou または

la 女性名詞につく定冠詞

petite 小さい(女性形)

pantoufle スリッパ、部屋ばき、フラットシューズ

de ~の

verre ガラス

英語は Cinderella(シンデレェラ 2つ目のeにアクセント)
ellaは女性の愛称を作る語尾

シンデレラは欧州の各地に似たような話が伝わっています。

童話としては、フランスのシャルル・ペロー、ドイツのグリム兄弟のバージョンが有名です。

シンデレラをご存知ない方はいないでしょうが、ごく簡単にあらすじを書いておきますね。

シンデレラ(灰まるけ)あらすじ:penバージョン

昔々あるところに、貴族の男性がいました。奥さんが亡くなったので、後妻をもらいました。

この後妻は、2人の娘を連れて、男性の家に入りました。

男性には亡くなった奥さんとのあいだにできた娘がいて、この娘がこの話の主人公です。きれいで気立てのよい子です。彼女は連れ子より若く3人姉妹の末っ子になりました。

お姉さんたちが18歳ぐらいで、末っ子が16歳ぐらいでしょうか?

後妻はとても性根が悪く、義理の娘をいじめ抜きます。

末っ子を蜘蛛の巣だらけの屋根裏部屋に追いやり、家事をすべて押し付け、お姉さんたちの世話をさせました。

末っ子は家事に疲れたのと、寒いのとで、いつも台所のかまどの前でうずくまっていました。ここならほんのりあたたかいですから。

しかし、そのせいで灰まるけでした。後妻と義理のお姉さんたちはその様子を見て、彼女をサンドリヨンと呼びました。これは「灰まるけ」という意味です。

さて、お父さんはいったい何をしていたのでしょうか?自分の子どもがそんなふうにいじめられていたというのに?

彼は後妻の側についていたのです。不思議ですね?

ある日お城でパーティが行われ、お姉さん2人は力いっぱい着飾って出かけました。

灰まるけも行きたくて、泣いていたら、名付け親であり魔法使いでもある女性が現れ、親切にも馬車や馬、御者などを魔法で用意してくれました。

馬車は元かぼちゃ、馬や御者はねずみです。魔法使いが杖で灰まるけをさわったら、ぼろぼろの服が素敵なドレスになりました。

きれいな靴を灰まるけに渡しながら、魔法使いはこう言います。

「魔法は夜中の12時にはとけるんよ。必ずその前にお城を出なきゃいけん。」

灰まるけはパーティで王子さまと楽しくダンスします。でも制限時間は覚えていました。

ギリギリまで踊っていたので、12時直前にバタバタとお城の階段を駆け下りることになり、靴が片方どこかに飛んでいきました。

灰まるけに一目惚れした王子さまは、その靴を従者に渡し、持ち主を探すように命じました。

従者は国中の若い娘の足に靴をあてがって歩きましたが、見つかりません。

最後に灰まるけの家に来ました。お姉さんたちは、無理やりその靴に足をねじこもうとしましたが、入りません。

灰まるけがはいてみたら、あらびっくり。あつらえたようにフィットして、従者は仕事が終わってほっとしました。

灰まるけはお城に呼ばれ、王子さまと結婚し、そのあとは灰だらけで家事をすることもなく、幸せに暮しました。



シンデレラの人気の秘密

今もってこの童話が根強い人気がある理由を考えてみました。

逆転の構図

1.シンデレラがはじめ文字通り、灰まるけで、とことんかわいそうであったのが、最後に逆転ホームランのように幸せになる。

2.魔女が杖をひとふりすると、かぼちゃが馬車に、ネズミが馬や御者に、ぼろぼろで灰まるけの服が美しいドレスに一瞬のうちに変わる。

ドキドキする場面

緊迫する場面が少なくとも3つ用意されています。
1.12時前に帰らなければならないというタイムリミット。
2.12時前に階段を駆け下りるアクション。
3.「靴が足にあうか、あわないか」というスリリングな場面

ボーナスポイント:きらびやかな場面、小道具

1.お城の舞踏会
2.ガラスの靴
シンデレラの靴をガラスとしたのはペローだと言われていますが、これもロマンチックな演出です。わらじみたいな靴だと、脱げるときもはかせるときも絵になりませんから。

★靴については以前の記事に書いています。
こちら⇒大事なのは自分の足にあう靴をはくこと

この物語はたくさんの映像作品になっています。
最も有名なのはディズニーの映画でしょう。

きょうはイタリア製のアニメ(だと思っていたけど実は日本のタツノコプロの作品)のフランス語版をご紹介します。

このアニメは、お父さんは仕事で遠くへ行ってしまい、そのあいだに継母にいじめられる展開。

フランス語は聞き取りやすく、日常よく出てくる表現が満載です。
これはエピソード1
お父さんが旅立ち、いじめがはじまりました。
22分13秒

灰まるけが夕食の支度をしているとき、ネズミ2匹が手伝って、塩とこしょうをスープに入れます。熱心に入れ物を振っていたら、蓋が取れ、全部スープの中に入ってしまうところが笑えます。

【関連サイト】
シャルル・ペローのサンドリヨン(音声付き、要Quicktime)
Cendrillon de Charles Perrault

「灰だらけ姫」(青空文庫)
ペロー Perrault 楠山正雄訳 灰だらけ姫 またの名「ガラスの上ぐつ」

★このシリーズを最初から読む方はこちらから
第1回『白雪姫』

☆上で紹介したアニメに特化したブログを作りました(2019/07/24)⇒シロツメクサの夢 | シンデレラ物語(タツノコプロのアニメ)を楽しむブログ

日本人にとって「シンデレラ」の「シン」も「デレラ」も音の響きとしては、きらびやかなイメージがありますが、「灰だらけ」という意味だったのですね。






黄昏時のパリ出発~ピアノレッスン「虎と小鳥のフランス日記」第1話 その1前のページ

かわいいフランス語、教えます~目次 その1次のページボンジュールのスペル

ピックアップ記事

  1. 『星の王子さま』~お役立ちリンク集
  2. 2023年版、フランス語学習用カレンダーの紹介:テーマは「食」

関連記事

  1. 人魚の像

    タイトルのフランス語

    『人魚姫』はフランス語で何と言う? 第4回

    「そのタイトル、フランス語だと?」、きょうは『人魚姫』です。人…

  2. 青い鳥

    タイトルのフランス語

    青い鳥・タイトルのフランス語第8回

    「そのタイトル、フランス語だと?」、きょうは『青い鳥』です。『…

  3. 猫の顔

    タイトルのフランス語

    第12回『長靴をはいた猫』

    『長靴をはいた猫』のフランス語のタイトルをご紹介します。この話は伝承童…

  4. 赤ずきんちゃん

    タイトルのフランス語

    『赤ずきんちゃん』はフランス語で何と言う? 第2回

    「そのタイトル、フランス語だと?」という連載の2回目です。きょ…

  5. かごに入ったリンゴ

    タイトルのフランス語

    そのタイトル、フランス語では何という?『白雪姫』第1回

    「そのタイトル、フランス語だと?」という連載を始めることにしました。…

  6. フランダースの犬

    タイトルのフランス語

    第13回『フランダースの犬』

    物語のタイトルをご紹介するシリーズ、第13回は『フランダースの犬』です…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

スポンサーリンク



更新情報をメールで配信中

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

お問い合わせはこちらから

お問い合わせはこちらからどうぞ

封筒
⇒お問い合わせフォームへ


お気軽に^^

☆和文仏訳、仏文和訳の無償サービスは行っておりませんので、ご了承願います。

アーカイブ

PAGE TOP