フィアドン

フランスのお菓子

コルシカ島名物、フィアドンの作り方:フランスのお菓子(20)

コルシカ島の郷土のお菓子、フィアドン(le fiadone)をご存知ですか?

日本ではあまりなじみがないと思います。私もつい先日知ったばかりです。きょうはこのお菓子を紹介します。

フィアドンはコルシカ名産のヤギの乳から作るフレッシュチーズ、ブロッチュ(brocciu)を入れたチーズケーキです。

ブロッチュが手に入らないときは、リコッタチーズで作ることが多いです。日本でも専門店でブロッチュを手に入れることができるみたいですね。ただ、数量は限られていると思います。

それでは、今回は、Marmitonの動画を紹介します。



フィアドンの作り方

Ingrédients (pour 8 personnes)  材料 8人分

– 1 brocciu (brousse fromage frais de brebis) de 500 g ブロッチュ 500グラム
– 5 oeufs 卵 5個
– 150 g de sucre en poudre グラニュー糖 150グラム
– 1 zeste de citron レモンゼスト、レモン1個分 ゼストはレモンの皮を削ったものです。

☆ brousse は、ヤギの乳か羊の乳で作るプロヴァンス地方のフレッシュチーズのこと。

作り方

材料を順番に入れてかきまぜるだけなので簡単です。

- オーブンを200℃に予熱

- ブロッチュ(チーズ)をフォークでかきまぜなめらかにする。

- チーズをボールに入れ、卵を割り入れフォークでかきまぜる(泡立て器を使ってもいいですが)。

- 砂糖を投入してなめらかになるまでかきまぜる。

- レモンゼストを入れ(皮の直下の白い部分はすごく苦いので入れないこと)かきまぜる。

- 長方形の型に流し入れる。
生地がくっつく型は、バターをぬるか、パーチメントペーパーを敷いてから。

- 200℃のオーブンで35分~40分、表面に焼き色がつくまで焼く。

- 焼けたら、しっかり冷ましてから、四角く切り分ける。

もう1つレシピを紹介します。

本場のフィアドンの作り方

材料 6~8人分

- 500g de brocciu ブロッチュ 500グラム
- 180g de sucre 砂糖 180グラム
- 4 œufs 卵 4個
- les zestes de 2 citrons レモンゼスト レモン2個分
- 1 c à s d’eau de vie 蒸留酒 大さじ1

作り方は、Marmitonと同じで材料を順番に混ぜるだけです。

180度で25~30分ほど焼きます。

この動画は、材料が大写しでよくわかるのと、フランス語が聞き取りやすいから選んでみました。

ブロッチュのつぶつぶをわりとそのまま投入していますので、口当たりは、そんなになめらかではないと思われます。いずれにしてもレモン風味のさわやかなチーズケーキです。

コルシカのチーズ、ブロッチュについて

ブロッチュはヤギの乳、あるいは羊の乳、または両方を混ぜたものから作るフレッシュチーズですが、コルシカ島では、ヤギの乳から作っているようです。

熟成させるチーズではなく、ふつうのチーズを作ったあとに残るホエー(乳清)から作ります。

ホエーを温め、乳を足して、かき混ぜていると白い固まりができてきます。これがブロッチュです。

こんなふうに作ります。

私は食べたことがありませんが、豆腐みたいな味らしいです。

ブロッチュのシーズンは11月から6月ごろまでですが、フランスであれば、年中スーパーマーケットで手に入ります。

フレッシュチーズなので、買って1~2日のうちに食べるのが理想です。



コルシカ島について

ナポレオンの生地として有名なコルシカ島は、地中海西部にあるフランス領の島です。島だから、ビーチがありますが、山や森もあり、その風景はとても美しいことで有名です。

フランスでは、 l’Île de Beauté 「美の島」と呼ばれています。人の手の入っていない自然がたくさん残っています。イタリアに近いのでイタリア文化の影響を強く受けています。

地中海地方なので気候は温暖。

いいところですね。

☆きょうのお料理単語: bien doré こんがり焼けた、焼き色がついた

Il faut que le gâteau soit bien doré sur les cotés. はしっこがこんがりするまで焼く。
Faire cuire à four chaud jusqu’à ce que le gâteau soit bien doré. ケーキに焼き色がつくまでオーブンで焼く。

☆トップの写真のクレジット
Photo credit: marina▲na via Visualhunt.com / CC BY-NC-ND

ブロッチュはナポレオンのお母さんが大好物だった、という逸話が残っています。

ナポレオンと一緒に島を出て、フランス本土に住んでいたお母さんは、ブロッチュ食べたさに、コルシカ島の羊を呼び寄せたのです。ですが、お母さんが好きなチーズの味になりませんでした。

ナポレオンのお母さんは、マリア・レティツィア・ボナパルトという名前です。

レティツィアは、もともとはナポレオンのお父さんのカルロとコルシカ独立のために戦っていましたが、いろいろ事情があったのか、ナポレオンが生まれるまえに、カルロは、フランス側に転向します。

そのおかげでフランス貴族と同等の身分になれたカルロは、ナポレオンとそのお兄さんをフランスで教育を受けさせることに成功しました。

コルシカ独立戦争後、親仏派ナポレオン一家はコルシカから追放され、一家でマルセイユに移住します。

このとき、すでにナポレオンのお父さんは亡くなっていました。

マルセイユで、レティツィアは1人で8人の子どもを育てあげます。8人みんな出生しますが、もちろん、ナポレオンの没落とともに落ちぶれます。

レティツィアは長生きしたので、ナポレオンのほうが先に死んでいます。

レティツィアは、フランスにいても、「私はコルシカ人」という気持ちが強かったので、ずっとコルシカ語を使っていたそうです。かなり気丈な女性だったみたいです。

そんなレティツィアが好きだったチーズを使ったチーズケーキ。機会があったらぜひお召し上がりください。






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