Le Hérisson ハリネズミ というフランス映画の予告編をご紹介します。
フランス語はHを発音しないので、hérisson は エリソン です。
この映画、日本で公開されていないようですが、原作の翻訳が『優雅なハリネズミ』というタイトルで出ているので、本と同じタイトルをつけておきました。
2009年、Mona Achache(モナ・アシャシュ)監督。名前からわかるように女性で、1981年生まれ。若いですね~。
では、まず予告編をごらんください。
主人公は、高給アパートの管理人の女性、もう1人の主役がアパートに住んでいる女の子。
このアパートにあるムッシュが引っ越してきたことで、2人の、特に管理人のおばさんの生活に変化が起きます。
たくさんしゃべっていますので、本日は最初の30秒だけ。ここは、2人の自己紹介です。
名前と年齢を聞き取るのを目標にしたい箇所。
Le Hérisson 予告編 トランスクリプト
Je m’appelle Renée. J’ai 54 ans. Je suis veuve, petite, laide, grassouillette.
Bonjour Mademoiselle.
Je corresponds parfaitement à l’archétype de la concierge d’immeuble.
Je m’appelle Paloma. J’ai 11 ans.
Paloma!
Depuis très longtemps, je sais que la destination finale…
Oh, Paloma, mais pourquoi est-ce que tu te caches comme ça?
C’est le bocal à poissons.
Mais ce qui est certain: c’est que dans le bocal, j’y irai pas.
管理人:私はルネ。54歳す。未亡人で、小柄、ブスで小太り。
管理人:「おはようございます。」
管理人:私は、アパートの管理人の典型に、ぴったり合っているわ。
パロマ:私はパロマ。11歳。
パロマのママ:「パロマ!」
パロマ:ずいぶん前から、私は運命の結末を知ってるの。
パロマのママ:「パロマ、ほんとに、なぜあなたはそんなふうに隠れるの?」
パロマ:それは金魚鉢よ。でも確かなことは、私は金魚鉢には入らないってこと。
スクリプトはこちら⇒Le hérisson: transcription
この続きはこちら⇒『優雅なハリネズミ』(2)~映画の予告編のフランス語
単語メモ:
veuf, veuve やもめ、配偶者を亡くした
homme veuf 男やもめ
femme veuve 女やもめ、寡婦、未亡人
être veuf[veuve]de qn 妻[夫]と死に別れている
grassouillett, grassouilette ぽってりと太った、丸ぽちゃの
correspendre à ~に対応する
Le mille anglais correspond à 1609 mètres.
1マイルは1609メートルに相当する。
archétype 原型、基準;理想型、模範、手本
日本語で「アーキタイプ」と呼ばれるものです。
concierge 建物の管理人、守衛、門番
loge du concierge 管理人室
se cacher 実を隠す、隠れる
Il se cache derrière un arbre.
彼は木の影に隠れる。
今回のお話
金魚鉢のくだりは、人を金魚にたとえています。金魚鉢の中で暮し、さいごは、鉢に入ったまま死ぬ、ということです。
こんなことを言ってるパロマは天才少女で、いろいろなことが見えすぎ、すでに達観しているようです。
原作はMuriel Barbery (ミュリエル・バルベリー)のL’élégance du hérisson 直訳:ハリネズミの優雅さ
2005年に出版されたベストセラー。特に本屋さんに評判がよく、フランスの本屋大賞(prix des libraires)に選ばれています。ほかにも賞をいくつかとり、各国語にも訳されています。
ハリネズミとは、管理人のルネのこと。本性を隠して、わざと人をよせつけないのですが、その鎧の中には、実は優雅なものがある、ということです。
オリジナルのフランス語版、日本のアマゾンに1点在庫あり。
表紙に椿があしらってあり、日本的なのですが、実は、この小説(よって映画も)、日本文化に関するくだりがたくさん出てきます。
翻訳はこちら。
本の説明やレビューを見ると、内容がわかってしまっておもしろくないので、ご使用は自己責任で。
レビューはおおむね好評です。
インターネットができて便利になりましたが、たとえばアマゾンなどで先に書評や映画評を読んでしまうと、意外性がなくなってつまらなくなってしまいますよね。
それはあたかも、夕食の前におやつを食べて、夕食の楽しみを損なってしまうようなもの。
自分で紹介しておいてなんですが、私は、書評はあまり読まないようにしています。
いつも楽しく拝見しています。
penさんの話題の豊富さ、キャパの広さにいつも驚かされます。
早速『優雅なハリネズミ』読みました。
もちろん日本語訳ですが。
主人公の設定にとても親近感あり!
読み始めてつぼにはまり一気に読みました。
映画、日本公開気長に待つことにします。
ラッコさん、こんにちは。
いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。
『優雅なハリネズミ』、もう読んでしまったんですか。
速いですね。
つぼにはまる人とはまらない人がいるのですが、
文学趣味のある人には、いいんじゃないでしょうか。
作者は京都に住んでいるらしいのに、
なぜ、日本で公開されなかったのでしょうかね?
監督か主演している人が何かの理由で、急に
ものすごく話題になるということがない限り
公開はないと思うけど。
映画、今のところ、YouTubeで見られますけど。
字幕とかありませんが。原作読んでるなら
わかるんじゃないですかね。
http://youtu.be/qDor22m0fjc