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フランス語脳プロジェクト

前置詞+lequel (とその仲間)~翻訳講座第9回後半

翻訳講座の受講メモです。きょうは第9回の後半を学習しました。後半と言っても、1時間17分ある講義のうちの54分以降の部分なのでそんなにボリュームはありません。

第9回の内容については前回書いています。
使役動詞~翻訳講座第9回前半

後半は

  • 関係代名詞
  • 比較級
  • でした。

    この記事では、関係代名詞の説明に出てきたlequel(とその仲間)につついて基本から書きます。

    疑問詞のlequel

    「どちらの」という意味のlequel(とその仲間)

    たとえば
    Lequel préférez-vous ? Le rouge ou le bleu ?
    どちらがお好みですか? 赤それとも青?

    のような使い方です。

    関係代名詞のlequel(とその仲間)

    関係代名詞として使うときは、前に前置詞がついています。
    ※関係代名詞というものがわからない場合はこちらを⇒「まいにちフランス語」39:L61 関係代名詞 qui と que

    例文1 女性単数 laquelle

    La société pour laquelle je travaille est à Paris.
    私が働いている会社はパリにあります。

    この文を関係代名詞を使わずに二つにばらすと

    Je travaille pour cette société.
    私はこの会社で働いています。

    Cette société est à Paris.
    この会社はパリにあります。

    pour cette société を pour laquelleと、関係代名詞にして二つの文をくっつけると例文のようになります。

    関係代名詞を使わない、ばらした文の共通の名詞をlequel(とその仲間)という関係代名詞で受けて、ひとつの文にするのです。

    代名詞ですので、受けている名詞の性別と数によって形が4種類あります。

    例文2 男性複数 lesquels

    Les clients pour lesquels je travaille sont exigeants.
    私の仕事のクライアントは要求の多い人たちです。

    pour les clients = pour lesquel なので男性複数形のlesquel

    会話ではこういうふうに名詞のすぐあとにlequel(とその仲間)をつけて、その名詞の説明を加えるパターンが多いです。 

    例文3 男性単数 lequel

    Le fauteuil dans lequel vous êtes assis est-il confortable ?
    あなたが座っているひじかけ椅子はすわり心地がいいですか?

    dans lequel = dans le fauteuil なので男性単数形のlequel

    lequel (とその仲間)とは?

    見てわかるようにこの単語は定冠詞+quel(とその仲間)です。

    男性単数 lequel = le+quel
    女性単数 laquelle = la+quelle
    男性複数 lesquels = les+quels
    女性複数 lesquelles = les+quelles

    そこで、この定冠詞部分の直前に前置詞 à や de がくると縮約して(laは縮約しない)、auquel,auxquels,auxquelles; duquel, desquels, desquelles となります。

    例文4 auquel

    C’est un problème auquel je n’avais pas pensé.
    それは私の頭にはなかった問題だ。(penser à)

    例文5 auxquelles

    Il m’a écrit plusieurs lettres auxquelles j’ai répondu.
    彼は私に何通も手紙をくれ、私はその手紙に返事を書いたのです。(rependre à)

    ここまで理解して、以下は授業の内容です。

    複合前置詞のあとのlequel(とその仲間)

    複合前置詞はいくつかの前置詞がいつも同じ並びで出てきて、ひとつの前置詞の意味をもつもの。

    そのような前置詞のあとに関係代名詞が続くときはdont(de+名詞を受ける関係代名詞)ではなく、lequel(とその仲間)を使います。

    例文6 duquel

    Le monument près duquel j’habite est une cathédrale.
    私が住んでるところの近くにある歴史的建造物は大聖堂です。
    près duquel= près de le monument

    près de が「~の近くの」といういう意味のひとつの表現なので、dontを使いません。

    例文7 duquel

    Ce chemin au bout duquel on voit une église est long.
    端に教会が見えるこの道は長い。

    au bout duquel = au bout de ce chemin

    au bout deで「~の端の」という決まった形なので、dontを使いません。

    例文8 desquelles

    Toutes les personnes avec le concours desquelles j’ai lancé une entreprise sont mes amis.
    事業を開始するにあたって、私が助力を得た人々はみな私の友人です。

    avec le concours desquelles = avec le concours des personnes

    avec le concours de qn で「~の協力を得て」という表現なので、ここでも dont ではなく desquelles を使用。

    フランス語の関係代名詞というと、que,qui,où は初級文法の範囲でラジオ講座でも説明があります。それに対して、lequelの仲間の説明はあまり出てきませんね。

    でも前置詞+lequel, laquelle, lesquels, lesquelles は読み物にはもちろん、話し言葉でもたまに出てきます。

    前置詞+lequel(とその仲間)は慣れておかないと「なんのこっちゃ?」となってしまうかもしれません。
     
    授業ではほかにquoiやdontにもふれられていましたが、この記事ではlequel(とその仲間)に焦点を当てました。

    このあたり、かなり難しいですね。

    会話では出てくるパターンがある程度決まっています。どれが複合前置詞であるか、ということは、その表現を見てピンとくるかどうかにかかっています。

    まあ、基本的な文法がわかるようになったら、あとは表現のストック、語彙の知識の勝負でしょうか。そのうえで翻訳をしたいなら、日本語の力をつけることが大切ですね。こう書くのは簡単ですけど^^;






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