フランス映画の予告編のスクリプトでフランス語を学ぶシリーズ。今回は2004年のフランス映画、Les Choristes です。choriste は 合唱隊員。邦題は「コーラス」
フランスその他で大ヒットし第77回アカデミー賞の外国映画賞を受賞しています。
舞台は第二次世界大戦の直後の1949年。戦争孤児や問題児を集めた寄宿学校に舎監としてマチュー先生が赴任してきます。
舎監は surveillant 生徒の監督や生活指導をする先生です。
コーラス 予告編 スクリプト
では予告編をごらんください。
今回は40秒ぐらいまで。
Bonjour. Je suis Clément Mathieu, le nouveau surveillant.
Rassemblement
Tout le monde à la cour. Rassemblement! Silence! Silence!
Ils sont comment, les gamins, exactement…
On ne vous a pas dit?Rendez-moi ça. Silence!
T’as vraiment une gueule de connard, toi.
Qui est monsieur Morhange?
Morhange… il ne parle pas beaucoup, mais il faut s’en méfier.
Tête d’ange , mais le diable au corps.Mais Monsieur, j’ai rien fait.
Toi, tu es mort.
Ah oui?Monsieur Mathieu, action.
Réaction.
C’est peut-être mieux.
♪3 kilomètres à pied, ça use, ça use –
♪J’ai du bon tabac dans ma tabatière
Je te nomme pupitre.
スクリプト和訳
こんにちは。クレモン・マチューです。新しい舎監です。
集合!
みんな廊下に出て。集合!静かに!静かに!
えっと、子どもたちはどんな子なんですか?
聞いてないんですか?
返しなさい。静かに!
あんた、本当に間抜け面(づら)だな。
モロンジュくんは誰ですか?
モロンジュ・・・彼は無口だが、用心したほうがいい。
天使の顔をしているが、実は悪魔だ。
でも、先生。僕は何もしていません。
あんたは死んじまうよ。
そうかい?
マチュー先生。行動です。
もう一度。
こっちのほうがいいです。
♪歩いて3キロ、疲れる、疲れる
♪タバコ入れにおいしいタバコを持っている
譜面係をやりなさい。
単語メモ
rassemblement 寄せ集めること、収集、集合
gueule 口;つら、顔;外観、格好
connard 愚か者、ばか
tabatière タバコ入れ
nommer 任命する
「コーラス」きょうのお話
マチュー先生の学校の生徒は問題児ばかりです。学校の名前は« Fond de l’étang »(池の底) もうちょっといい名前はなかったのでしょうか?
校長やほかの先生は、生徒の悪さを権威で押さえつけようとします。
つまり厳しい規則を作り怒鳴りつけて指導するのです。もちろん体罰もあります。言うことを聞かない生徒は檻(?)に閉じ込め容赦なくお仕置きします。
マチュー先生はそんなやり方が好きになれません。
実は、マチュー先生はもと作曲家志望。そこで、生徒を集めて合唱団を作ることにしました。
生徒に歌を歌わせてオーディションをします。
この映画は1945年のLa Cage aux rossignolsのリメイクです。
監督はクリストフ・バラティエ(Christophe Barratier)。この人は、フランスの著名な俳優、ジャック・ペランの甥にあたります。
メインの製作者は3人いますが、ジャック・ペランはそのうちの1人。
ジャック・ペランは「ロシュフォールの恋人たち」で金髪の水兵、マクサンスを演じた人です。
関連:ロシュフォールの恋人たち⇒『双子姉妹の歌(ロシュフォールの恋人たちより)』~「虎と小鳥のフランス日記」第53話 その1
2枚目俳優のペランですが、27歳のときに自身のスタジオを作り、プロデュース業を始め、映画製作者としても成功。ペランには3人の息子がいます。
次男のマクサンスは、「コーラス」にわりと重要な役で出演しています。ジャック・ペラン自身もちらりと出演しています。息子の名前のマクサンスって映画からとったのでしょうかね。
この続きはこちら⇒映画『コーラス』(後編)予告編のフランス語
昔の問題児をかかえた学校ってみんなこんな体罰至上主義だったんでしょうかね?そんなことしたって、生徒には全くいい影響がないのに。
学校の先生って、「子どもが好きだから」とか「子どもによりよい未来への道筋をつけてあげたいから」という動機でなる人ばかりではないのですね。
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