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フレンチポップスの訳詞

アリゼ『わたし ロリータ』~歌と訳詞

きょうはアリゼのデビュー曲、『わたし ロリータ』 Moi… Lolita をご紹介します。2000年の夏、アリゼが16歳のときに発売され、アリゼ旋風を巻き起こした曲です。アリゼは1984年コルシカ生まれ。ダンスが得意です。

記事の後半で、ウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』についてふれています。



Moi… Lolita わたしはロリータ

小さな子どもをあんな酒場に連れていっては行けませんね。

それでは訳詞に挑戦!

Moi je m’appelle Lolita
Lo ou bien Lola
Du pareil au même
Moi je m’appelle Lolita
Quand je rêve aux loups
C’est Lola qui saigne
Quand fourche ma langue
J’ai là un fou rire
Aussi fou qu’un phénomène
Je m’appelle Lolita
Lo de vie, lo aux amours diluviennes

わたし、わたしはロリータ
ローでもローラでもいいわ
どれも同じだけど
わたし、わたしはロリータ
狼の夢を見る時
血を流すのはローラ
口をすべらした時
気が狂ったように笑うわ
私、ちょっとした話題になっているの
わたしはロリータ
ブランデーのロー、愛でいっぱいのロー

☆{Refrain:}
C’est pas ma faute
Et quand je donne ma langue au chat
Je vois les autres
Tout prêts à se jeter sur moi
C’est pas ma faute à moi
Si j’entends tout autour de moi
Hello, helli, t’es A (L.O.L.I.T.A.)
Moi Lolita

私のせいじゃないわ
私にその気がなくても
他の人たちが
みんな、私に身を投げようとするのよ
私のせいじゃないわ
もし私のまわりでハロー、きみはロリータだよね
と聞こえたとしても
わたし、ロリータ☆

わたし、わたしはロリータ
ブルージーンズをはいている
その中身は女子中学生
わたし、わたしはロリータ
怒りっぽいけど、怒りっぽくない
半分コットンで、半分ウール
しぃっ、口では何も言わないわ
ママにとっては私は
ちょっとした事件だってこと
わたし、わたしはロリータ
ブランデーのロー、愛でいっぱいのロー

☆~☆繰り返し

※歌詞はこちら⇒ALIZEE LYRICS – Moi…Lolita

単語メモ

C’est du pareil au même. それは同じことだ。

rêver aux loups 直訳は「狼の夢を見る」。つまり男性と過ちを犯すこと、だと思います。

saigner 血を流す

La langue lui a fourché. =Sa langue a fourché. [会話]
彼(女)はうっかり言い間違えた。

Lo de vie, lo aux amours diluviennes の Loは l’eau (水)にかけているようです。すると あとの lo aux amours diluviennes というフレーズとしっくりきます。

diluvien(ne) 大洪水の

donner sa langue au chat (なぞなぞなどが)わからないことを認める、兜を脱ぐ。クイズなどをやっていて「もう降参する」と言う時使います。

collégienne 女子中学生

bleus de méthylène méthylèneはメチルアルコールで青い物はトイレなどに流す薬品ですが、bluesが複数になっているのでジーンズとしてみました。

映画「ロリータ」でスー・リオンがはいていたタイトなやつ(下の写真参照)だと思います。と言っても、映画はモノクロです。

coléreuse 怒りっぽい 男性形はcoléreux

Mi-coton, mi-laine 半分コットンで、半分ウール。
mi-laine (ミレーヌ)の部分は、この曲の詩を書いた、ソングライターのミレーヌ・ファルメール(Mylène Farmer)のこと。

motus (間投詞) (古)しっ、黙れ

歌詞付き動画

いっしょに歌い方はご利用ください。

、ふつうのブロック体にしてもらえばもっと読みやすいのですが。



ウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』

この曲は言うまでもなく、ナボコフの『ロリータ』という小説(1955)に出てくるロリータにインスピレーションを得ています。

この小説は、中年の大学教授ハンバートが、13歳の少女ドロレス(ロリータは、ニックネーム)にめろめろになる話です。恋愛小説であり、ミステリーにもなっています。

この作品は世間に衝撃を与え、ロリータ・コンプレックス(Lolita complex)という言葉を産みました。ロリータ・コンプレックスは、大人の女性ではなく、幼い女の子、少女に性的興味を抱く心理のこと。略してロリコン。

また、ロリータ・ファッション(Lolita fashion)という言葉もあります。これは一般に、少女趣味のふりふりドレスを着る格好を言います。しかし、ナボコフの小説に出てくるロリータは、こんなふりふりドレスは着ていません。ロリータ・ファッションは日本独自のストリートファッションです。

ロリコンの人にとって(よくわかりませんが)幼い少女の魅力は、ふりふりした可愛らしさというより、大人の女性にはない、腰や足の細さ。ロリータ・ファッションは男性の視点からというより、若い女性の視点からみて「素敵な」ファッションなのではないでしょうか。

こちらは小説をもとにした映画(1962年)の予告編。ロリータを演じたのはスー・リオン
この映画の脚本はナボコフ本人で、監督はスタンリー・キューブリックです。

これは映画のシーンを編集したイメージビデオ

小説ではロリータは最初はもう少し若いです。ロリータのママはデブで醜い(ハンバートの視点)ということになっています。

原作の小説は文学であり、他の作品への引用や、言葉遊びがたくさんありやや難解です。文学的謎が多いのでさまざまな研究の対象になっています。

小説の冒頭

Lolita, light of my life, fire of my loins. My sin, my soul. Lo-lee-ta: the tip of the tongue taking a trip of three steps down the palate to rap, at three, on the teeth. Lo. Lee. Ta.

She was Lo, plain Lo, in the morning, standing four feet ten in one sock. She was Lola in slacks. She was Dolly at school. She was Dolores on the dotted line. But in my arms she was always Lolita.

書いてあることが気持ち悪いといえば悪いですが、リズミカルで、とてもうまい書き出しですね。

ナボコフ(1899-1977)はロシア生まれ。1919年に亡命して、1922年、ケンブリッジ大学を卒業。1940年に渡米。45年に帰化した亡命作家です。

彼は、3歳のときからイギリス人の家庭教師についていて、完全なロシア語と英語のバイリンガルだったそうです。

小説 Lolita, Google books で少し読めます⇒Lolita – Vladimir Nabokov – Google Books

YouTubeにもオーディオブックがあがっています。

キンドル版あり↓↓

関連記事もどうぞ⇒歌と訳詞:アリゼ Fifty-Sixty ウォーホルのミューズ、イーディのことを歌った歌

Moi Lolita が入っているデビュー・アルバム

アリゼは15歳のとき、「スター誕生!」みたいな番組で歌っているところを、ミレーヌ・ファルメールが発見して、この曲でデビューすることになったそうです。

確かに、とても魅力的だし、歌もうまいですね。






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