作品や店舗、ハンドルネームなど、ネーミングに使えそうな、響きのかわいいフランス語を紹介しています。
今回のテーマは模様と装飾です。
以前、107回で生地の柄の名前(水玉、ストライプ、チェックなど)を紹介しましたが、今回はその続きのような位置づけで、建築や工芸の装飾、織物・染色の伝統的な模様、そして模様にまつわる動詞や表現を集めました。
響きがきれいで、ネーミングにぴったりの単語がたくさんあります。
全部で25個です。
カタカナで読みも添えていますが、フランス語の発音をカタカナで正確に表すことはできません。参考程度にとどめてください。必要に応じて、発音ガイド Forvo(肉声)やGoogle検索などで確認するのがおすすめです。
(m)は男性名詞、(f)は女性名詞です。
建築・工芸の装飾
mosaïque モザイク モザイク装飾、小片を組み合わせた模様 (f)

mosaïque
古代ローマの床や、バルセロナのガウディ建築でおなじみです。色とりどりのかけらを並べて作る装飾のことです。
fresque フレスク フレスコ画、壁画 (f)
壁や天井に描かれた大きな絵。しっくいが乾く前に顔料をのせる伝統的な技法です。イタリアのシスティーナ礼拝堂が有名ですが、フランスの教会にも美しいフレスコがたくさんあります。
frise フリーズ 帯状の装飾 (f)
建物の上部や壁面に横長に施される装飾です。ギリシャ神殿の柱の上に見られるレリーフが典型的です。
rosace ロザス バラ窓、円花飾り (f)
ゴシック大聖堂の正面にある大きな円形のステンドグラスのこと。パリのノートルダム大聖堂のものが有名です。rose(バラ)から来ている言葉で、響きもきれいですね。
vitrail ヴィトライユ ステンドグラス (m)
色ガラスを組み合わせて作る装飾窓。複数形は vitraux(ヴィトロ)になります。教会で光を通して輝く vitrail は本当に美しいですね。
marqueterie マルクトリ 寄木細工、象嵌(ぞうがん) (f)
木や貝殻、金属などの小片をはめ込んで模様を作る工芸技法です。フランスのヴェルサイユ宮殿の家具にも使われています。
filigrane フィリグラーヌ 透かし細工 (m)

filigrane
金属の細い線を使って、レースのような繊細な模様を作る技法。紙の透かし模様(ウォーターマーク)もフランス語では filigrane と言います。
faïence ファイアンス 彩色陶器 (f)
白い釉薬(ゆうやく)の上に色鮮やかな模様を描いた陶器のこと。南フランスのムスティエやブルターニュのカンペールの陶器が有名です。
enluminure アンリュミニュール 装飾写本の彩飾 (f)
中世の写本に施された、金箔や鮮やかな色彩の装飾のこと。文字の頭を飾る美しい絵柄が特徴です。
織物・染色の模様
toile de Jouy トワル・ド・ジュイ トワルドジュイ (f)
フランスの代表的な布地模様。パリ郊外のジュイ=アン=ジョザスで18世紀に生まれた、田園風景や人物を一色で描いた模様です。インテリアや雑貨でよく見かけますね。
ikat イカット 絣(かすり)模様 (m)
糸を先に染めてから織ることで、にじんだような独特の模様を作る技法です。東南アジアが有名ですが、フランス語圏でもこの名前で呼ばれています。
batik バティック ろうけつ染め (m)
蝋(ろう)で模様を描いてから染める伝統的な染色技法です。インドネシア発祥で、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
jacquard ジャカール ジャカード織り (m)
複雑な模様を自動で織れるジャカード織機は、1804年にフランスのジョゼフ・マリー・ジャカールが発明しました。フランス生まれの言葉です。
damassé ダマセ ダマスク模様の
シリアのダマスカスに由来する言葉で、ダマスク織りの、光沢のある地模様が織り出された生地を表す形容詞。
テーブルクロスやナプキンによく使われます。名詞の damas(ダマ)もあります。
cachemire カシュミール カシミール模様、ペイズリー (m)

cachemire
涙のしずくのような形が特徴のペイズリー模様。フランス語では、インドのカシミール地方にちなんで cachemire と呼びます。ショールや高級生地の代名詞でもありますね。
tapisserie タピスリ タペストリー、壁掛け織物 (f)
模様や絵を織り込んだ大きな壁掛け。パリのクリュニー中世美術館にある「貴婦人と一角獣」のタピスリーが有名です。
broderie ブロドリ 刺繍 (f)
針と糸で布に模様を施す技法。ブロドリ・アングレーズ(broderie anglaise=穴あき刺繍)など、種類もさまざまです。
passementerie パスマントリ 飾りひも・房飾りの総称 (f)
カーテンや家具につける組みひも、タッセル、フリンジなどをまとめてこう呼びます。フランスの伝統工芸のひとつで、響きもエレガントです。
模様にまつわる動詞・表現
orner オルネ 飾る、装飾する
orner de 〜 「~で飾る」というかたちで使います。名詞 ornement(オルヌマン=装飾)もネーミングに使いやすい言葉です。
entrelacer アントルラセ 編み合わせる、絡み合わせる
ケルト文様のように、線や帯が互いに絡み合っている様子を表す動詞です。名詞は entrelacs(アントルラ=組み合わせ模様)。
parsemer パルスメ ちりばめる、散らす
星を空にちりばめる、花びらを散らす、というように使います。ciel parsemé d’étoiles(星がちりばめられた空)のように、詩的な表現に使われます。
chatoyer シャトワイエ 玉虫色に光る、きらめく
光の加減で色が変わるようにきらめく様子。chat(猫)の目が語源で、猫の目のように光が揺れ動くことを表しています。おもしろい語源ですね。
rehausser ルオセ 引き立てる、際立たせる
装飾や色を加えて、元のものをさらに美しく見せるという意味。rehausser d’or(金で引き立てる)のように使います。
motif récurrent モティフ・レキュラン 繰り返し現れるモチーフ (m)
模様の中で繰り返されるパターンのこと。壁紙やテキスタイルのデザインでよく使う表現です。
trompe-l’œil トロンプ・ルイユ だまし絵 (m)
直訳すると「目をだます」。壁に描かれた窓や奥行きのある風景など、本物に見えるように描く装飾技法です。フランスの建物の壁面でときどき見かけます。
模様と装飾・関連動画
フランスの装飾芸術に興味がある方には、こちらの動画もおすすめです。フランス語でarts plastiques (視覚的な造形芸術全般)に関する基本的な単語を紹介しています。
3分57秒。フランス語の字幕あり。
Les arts en français 🎨 partie 1/2 – Vocabulaire FLE B1(フランス語のアート)
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模様と装飾にまつわるフランス語を紹介しました。
個人的には filigrane(透かし細工)と chatoyer(玉虫色に光る)の響きが好きです。
たとえばこんなネーミングはいかがでしょう(普通すぎてすみません)。
Atelier Filigrane(アトリエ・フィリグラーヌ:透かし細工の工房)
Maison Rosace(メゾン・ロザス:バラ窓の家)
Mosaïque de Lumière(モザイク・ドゥ・リュミエール : 光のモザイク)
そういえば、小学校のとき卵のカラに色をつけて砕いたもので、クラス全員で大きなモザイクを作ったことがあります。
模様や装飾の世界は、ひとつひとつに歴史や文化が詰まっていておもしろいですね。
それでは、次回の「かわいいフランス語」もお楽しみに。












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