フランスダイレクトスクールの動画教材の受講メモ。今回から、新しいシリーズです。タイトルは
「秘密のパリへ連れてって」
Emmène-moi à la découverte des secrets de Paris
2016年の3月から配信が始まっていますが、私は、まるっと3ヶ月遅れてしまっています。少しずつキャッチアップしたいと思います。
新シリーズのコンセプトは、パリに住む5人の男女に、それぞれがよく知っているパリを案内してもらう、というものです。
プロローグ1では、3人がレストランに集まり、自分はどんなところを案内するのか、順番に語っています。
字幕なし動画が一般公開されていますのでごらんください。
3人はDino(ディノ)さん、Raïssa(ライサ)さん、Charlotte(シャルロット)さんです。Dinoさんはモロッコ出身の方で、すでに、「不思議の国のFrance」で登場しています。
Dinoさんはマイクに近いのか、聞き取りやすいですが、他の方の声はあまりよく聞こえませんね。私も、最初は何を言ってるのか、さっぱりわかりませんでした。
まあ、そんなにたいしたことは話していません、自分はこういうところを紹介するよ、と言ってます。だから地名がたくさん出ています。
☆きょうのメニュー
●3つのキーフレーズ
●自分がよく知っている場所について話す時に使える便利な表現
●おまけ:映画『モン・パリ』
3つのキーフレーズ
あまり観光地っぽくないとところ
On a un peu visité quelques endroits qui ne sont pas justement touristiques.
あまり観光地っぽくないところを訪れました。
始めのほうでディノさんがしゃべっている言葉です。
「観光地じゃないところに行った」というのは、よく使いそうなのでとりあげてみました。
この文章のポイントは、endroits (場所)のあとに、関係代名詞をつけて、どんな場所か説明しているところです。ポイントというか、きわめてフランス語に多いパターンの文章です。
関係代名詞 qui について
touristique 観光の
guide touristique 観光案内
région touristique 観光地
ディノさんは、よい意味で、「観光地じゃないところ」と言っていますが、
Ce n’est pas un endroit très touristique.
と言うと、「そこはあまり見るものがない。おもしろくない」というニュアンスになります。
偶然見つけた
On est passés, on est tombés sur une petite librairie.
通りがけに、小さな本屋さんを見つけました。
ポイントは tomber sur 「偶然出会う、見つける、話題などが及ぶ」です。tomber sur はとてもよく使われるのでご存知の方も多いでしょう。
このブログでも、以前、「上野でたまたま骨董市があった」というフレーズで紹介しています。
そのように、有名なフレーズのtomber sur ですが、助動詞にêtre を取る、という事実は意外と忘れてしまいがちです。être を使うときは、過去分詞が性数一致します。
Je suis tombé par hasard sur un vieil album. 私はたまたま古いアルバムを見つけました。je が女性だったら、tombée となります。
罪悪感を持たずにすむ
…c’est aussi une manière pour moi de me déculpabiliser…
私にとっては、罪悪感を持たずにすむやり方なのよ。
ライサさんがハンバーガー屋さんである、Big Fernand (ビッグ・フェルナン)という有名な店について語っているところででてきました。
déculpabiliser という単語を知らなかったので取り上げました。ここでは代名動詞で使っています。 se déculpabiliser 罪悪感から開放される、という意味です。
罪悪感はフランス語で
sens du péché
sentiment de culpabilité
形容詞は coupable
です。
culpabilité 有罪、罪、という意味。culpabilité を動詞の形にして、dé という分離を示す接頭語がついた単語が、déculpabiliser です。
「罪悪感」はよく使う単語だと思うので、覚えておくといいのではないでしょうか?
ちなみに、なぜこのハンバーガーに罪悪感を感じないかというと、とてもよい材料を使ったグルメなハンバーガーなので、「ジャンクフードを食べている」という罪の意識を感じないのだと思われます。
次の「秘密のパリへ連れてって」の記事はこちら。
自分がよく知っている場所について話す時に使える便利な表現
3人ともやはり、自分がよく知っている場所を紹介するようです。そこで、「私はこの場所に精通している」という言い方がいくつか出てきました。
解説でもまとめて紹介されたので、シェアします。
1.所有形容詞を使う
「場所」という単語に、所有形容詞をつければ、その場所をよく知っていることを表せます。
所有形容詞がわからない方はこちらをどうぞ。
C’est ton quartier ? そこ、よく知ってるの?
直訳すると、「そこは君の場所なの?」となりますが、所有形容詞をつけると、その人がよく知っている場所、という意味で使えます。
Opéra, c’est mon quartier. オペラ地区なら、よく知ってるわ。
2.所有形容詞を使うけど、1とはちょっと意味が違う
Tu vas leur présenter ton Paris ? 彼らにあなたのパリを紹介するの?
この所有形容詞は、「あなたにとってのパリ」という意味になります。パリについてすごく知っている必要はなく、自分なりに、こんなところがパリらしいな、とか、パリのこういう場所がいいな、と思うスポットを紹介するということです。
もし、ton をつけずに、Tu vas leur présenter Paris ? とすると、ふつうに、「パリを紹介する」となり、このパリは、誰が紹介しても同じパリ、というニュアンスになります。
3.定冠詞+空間を表す名詞
Je connais les coins. その場所をよく知っています。= Je connais les endroits.
場所を表す名詞に、定冠詞をつけると、その場所をよく知っていることを表せるそうです。これは、解説を聞いて始めて知りました。
所有形容詞も定冠詞も短い言葉ですが、微妙なニュアンスを表すことができます。このあたりは、ノンネイティブにはなかなか難しいですね。
映画『モン・パリ』
本題とは関係ないのですが、おまけとして、1973年の映画、「モン・パリ」を紹介します。
モン・パリ (mon Paris 私のパリ)という言葉、昔の美容院の名前みたいですが、これは、「私にとってのパリ」という意味ですから、歌の題名などによくなっています。
「モン・パリ」は、1970年代にジャック・ドゥミ監督がパリを舞台にして作ったコメディー映画です。
主演はカトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニ。マストロヤンニは、男性なのになぜか妊娠してしまう、という話です。
実は、この映画の原題は、「モン・パリ」ではなくて、
L’événement Le Plus Important Depuis Que L’homme A Marché Sur La Lune
「人類が、月の表面を歩いて以来、もっとも重大なできごと」
という長いものです。
もちろん、重大なできごとは、男性が妊娠したこと。
日本版のタイトルが、シンプルに「モン・パリ」となったのは、ミレーヌ・マチューが歌っている主題歌に「モン・パリ」と出てくるからでしょうね。
こちらが予告編です。
マストロヤンニを診察する産婦人科医を、ミシュリーヌ・プレールが演じています。とてもおしゃれなお医者
さんですね。
「モン・パリ」のポスターにはこんな言葉が書かれています。
パリだから
カトリーヌだから
ふたりの心が結ばれているから
だからこんな楽しい
愛の物語が
できたのです
う~ん、イメージ先行型のコピーです。
日本でカトリーヌ・ドヌーヴの人気が沸騰していたころの映画ですね。ちなみに、英語のタイトルは A Slightly Pregnant Man(少し妊娠している男)です。これはこれでおもしろいタイトルです。
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