金魚

フレンチポップスの訳詞

ポワソン・ルージュ(サン・プリヴァ)の歌と訳詩、映画「シンプル・フェイバー」のサントラ曲

ポワソン・ルージュ(poisson rouge 意味は「金魚」)というフレンチ・ポップスを紹介します。歌っているのは、Saint Privat (サン・プリヴァ)というオーストリア出身の音楽ユニットです。

この曲は、2007年に発売されたアルバム、Superfluに収録されている曲です。2018年にアメリカ映画、「A Simple Favor(邦題:シンプル・フェイバー)」のサントラに使われ、話題になりました。

映画「シンプル・フェイバー」は日本でも3月に公開されます(記事の後半で予告編を紹介します)。



ポワソン・ルージュ

歌詞つきの動画です。難しい単語は出てきません。

2分29秒

それでは和訳に挑戦。

ポワソン・ルージュ

子供のとき、私は花のようだった
隅っこが好きだったけど
端っこにいくと怖かった

金魚が大好き
金魚は昼も夜も私を呼ぶ
金魚は私のために、丸く回る
そして私はだまる、金魚だけのために

バラの庭が好き
その香りは私を幸せにする
沈黙が私に語りかける
まるでシャルルのように

私達が愛し合うとき
言葉はない
私達が愛し合うとき
言葉はない
私達が愛し合うとき

ああ、人生はどんどん過ぎていく
知らないうちに
私は限界を越えてしまう
でも、そのことを口にしたことはない

私が儀式が好き
ほとんど身動きのいらない儀式が
音楽が楽しいの
すべてはリズムの中に
すべては早く過ぎていく
それとわからないうちに
すべては早く過ぎていく
それとわからないうちに
それとわからないうちに

単語と表現メモ

limite  limite は、境(さかい)、境界、限界ですが、隅という意味もあるので、最初に出てくるlimites は「隅っこ」と訳してみました。ですが、momentsと出てくるから、限界や制限と訳したほうがいいのかもしれません。

2つめのlimites は「限界」と訳しました。

rien que … ただ…だけ、たったの…

faire l’amour セックスをする、寝る ☆訳詞では、「愛し合う」と美しくしておきました。

hélas ああ

sans que + subj ~することなしに
この表現は、sans qu’on aperçoit と、sans qu’on comprenne の2つ、出てきます。

ne … toujours pas いまだに ~していない

contiennent < contenir 含む

この曲の歌詞に、そこまで深い意味はなく、情景を楽しむ歌だと思います。

サン・プリヴァについて

Saint Priva については、あまり情報がないのですが、Wikipediaによれば、2002年に Valérie Sajdikという女性シンガーと、エレクトロニカのミュージシャン、Klaus Waldeckが結成した音楽ユニットです。

最初に書いたように、オーストリアのウィーンで結成されました。このWaldeckという人はオーストリアの音楽シーンでは有名な人のようです。

現在の、Saint Privaのメンバーは、ヴァレリーと男性3人となっています。

Saint-Privatは、南フランスにあるコミューンの名前です。ヴァレリーがここに住むことに決めたから、この名前になったそうです。現在、ヴァレリーは、サン・プリヴァとウィーンを行き来しながら、活動しているようです。

サンプリヴァは、過去に、Riviera (2004)、Superflu (2006)の2枚のアルバムを発売しています。

Poisson Rouge の収録されているSuperflu。

近年アルバムの発売はありませが、もともとこのバンドは音楽ユニットなので、ゆるいつながりかと思います。

ヴァレリーは、ソロ活動もしており、オーストリア、ドイツ、フランスでさまざまなプロジェクトにかかわっています。オーストリアでは有名なシンガーのようです。



映画「シンプル・フェイバー」について

上に書いたように、サン・プリヴァは、エレクトロニカが好きな人以外には、あまり知られていないと思うのですが(日本でもデビューしていないと思います。輸入盤は手に入ります)、2018年に、Poisson Rougeという曲が、A Simple Favor のサントラに使われたので、「あら、何、この曲、いいじゃない?」と注目を集めました。

A Simple Favor は2018年秋に公開されヒットしたアメリカ、カナダ制作のサスペンス映画です。

予告編でも、ポワソン・ルージュが流れています。

アナ・ケンドリック演じるステファニーと、とブレイク・ライブリー演じるエミリーは、ママ友であり、親友。ある日、エミリーが疾走し、スレファニーがその行方を追う、というストーリーです。

監督はポール・フェイグ。

この映画のサントラにはほかにも何曲かフレンチ・ポップスが使われています。みんな有名な曲で、このブログでも紹介している曲がいくつかあります。

たとえば、

さよならを教えて~フランソワーズ・アルディ(歌と訳詞)

夏の終わりにしんみり聴きたいラ・マドラグ~ブリジット・バルドー:歌と訳詞

Laisse tomber les filles~フランス・ギャル(娘たちにかまわないで)歌と訳詞

クール・ドゥ・ピラートやZAZの曲も使われており、また順番に訳していこうかなあ、と考えています。

なお、A Simple Favorの原作は、Darcey Bell(ダーシー・ベル)の同名の小説です。本の邦題は、「ささやかな頼み」です。

*****
シンプル・フェイバー、劇中、使われている衣装が50着以上、などと言われています。

けっこうおもしろいらしいのですが、私は見たことはありません

AmazonのMovieに入っていて、4ドル99セント出せば見られるのですが(私はカナダに住んでいます)、主演の2人があまり好きなタイプではなく、いまひとつそそられません。それに、待っていれば、そのうちNetflixで見られるだろうし。

ですが、フレンチポップスがどんなふうに使われているのか、そこは興味があります。






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