毎週1話ずつ受け取っているフランスダイレクトスクールの動画教材『不思議の国のFrance』第12話の受講メモです。
今週からまた舞台が変わりました。今回は東京、新宿にあるレコーディングスタジオです。
このスクールの生徒さんでモガブティック◆スパンコールさんという方がいます。若い女性なのですが、この方はアコーディオンを演奏しながら歌う歌手で、イベントで歌ったり、アマゾンでデジタルミュージックを販売しています。
「パリでコンサートを開く」という夢をお持ちで、フランス語を勉強されているみたい。そこで、次のCDはフランス語で歌を歌って、フランスでデビューしちゃおう、という企画が始まりました。
モガブティックさんが作った曲の歌詞をティファニーが訳し、今回はその歌詞をちゃんとしたフランス語で歌えるように発音矯正しているエピソードでした。
フランス語で歌を歌う
曲のタイトルは『雫 遊色ブローチ』
雫はしずくですが、遊色は造語ですね。「ゆうしょく」と読むのでしょうか、それとも「あそびいろ」「ゆうじき」?
タイトルから、雨のしずくに太陽光線があたって、虹の色みたいにさまざまな色が見えて、きれいだな、という歌、と想像しております。
モガブティックさんがフランス語の歌詞をひとつひとつ発音し、ティファニーが直します。いろいろ直されていたのですが、特に、日本人の苦手な発音を4つほどピックアップしてご紹介します。
まず、発音をチェックされた単語が出てくる箇所の歌詞をご紹介しますね。
雨上がりに
無邪気にたくさんの雫が落ちていってLa pluie s’affaiblit
Et candides, innocentes
Toutes ces gouttes qui du ciel tombent
歌詞のフランス語訳については、後のエピソードで解説があるそうなので、今回はしません。
ただ言えることは、日本語は2行(単語は助詞をいれて10個)なのに、フランス語は3行(単語は13個)。見た目、単語が増えている、ということです。
日本人の苦手な発音
子音 B の音
s’affaiblit ← s’affaiblir 弱くなる、弱まる の 3人称単数の活用
カタカナで書くと サフェブリ。この単語は難しい音がいっぱい入ってます。f も ai も b も bと lをつなげて読むのも難しいですね。
不定法 s’affaiblir の発音を聞いてみてください。
▲マークを押すと聞こえます。
動画では特に B の音を直されていました。
ティファニーは
… la lève fait un peu comme ça. Elle rentre à l’intérieur et elle ressort : «BLIT»
唇が中に入って外にでるのよ。
と説明。
Bの音は唇を合わせて出します。日本語の「ばびぶべぼ」は、軽くふれあわせて発音するのでちょっと違います。私的にはBは唇をしっかりつけて震わせる感じ、日本語の「ばびぶべぼ」を大げさに発音することを意識しています。
フランス語のBと英語のBはよく似ていると思います。この音ってみんな苦手ですね。私なんて、いまだにBとVの音の区別がつきません。
Vは唇をかんでヴァヴィヴゥヴェヴォとよく書いてあるけど、自分でちゃんと発音できてないのか、聞き取りが困難です。
練習用の動画をつけておきます。
母音 EN の音
「雫が無邪気に落ちていく」、の「無邪気な」という形容詞 innocentes
このcent のところを集中的に直されていました。
innocent の発音は inɔsɑ̃
innocente は女性形で、inɔsɑ̃:t
まず en (ɑ̃)という鼻母音
ケン先生は、「口をたてに大きく開いて発音せよ」、と説明。
発音はこちら
これは名前の発音を教えてくれる動画なので最初が大文字になっていますが、形容詞の innocent と同じ発音です。このつづりだと語末のTは発音しません。
ちなみにInnocent は歴代のローマ教皇の名前で、インノケンティウスのこと。
innocentes の T の音
歌詞の innocentes の最後に es がついているのは 雫 gouttes が女性形の名詞の複数だから。形容詞も女性形 innocente にし、複数のsをつけます。
男性形だと最後のTを発音しませんが、女性形にすると、最後にeがつくので、その前のTの音をトゥと発音します。日本人はこのTの音が弱すぎるので、しっかり発音します。
子音 S の音
「空」という意味の単語 ciel カタカナで書くとシエル。そのせいかどうか、chien (犬)のch シュ ʃ の音で発音しがちです。
ciel は sjɛl なので S の音。
大雑把に書くとSはス。chはシュ なのですが、あとに続く子音によって、そっくりに聞こえるんですよね。きっちり区別して発音できないとしても、「違う音である」と意識するといいと思います。
練習用
発音の仕方はこちらを参考にしてください。
⇒東外大言語モジュール|フランス語|発音|実践編
モガブティック◆スパンコール
私はずっとモガブティック◆スパンコールってバンド名だと思っていたのですが、谷川理恵子さんというソロシンガーの芸名です。
谷川さんは着物を来て、アコーディオンをひきながらポエティックで、幻想的な世界を展開。和洋折衷でちょっとレトロな世界観です。洋服を着て歌っているときもあります。
今回はあまりモガブティックさんの歌を聞くことができませんでしたが、フランス語で歌っているサンプル動画をアップしてもらえるといいですね。
現在は、自分で音源を作ったり、ビデオを作ってYoutubeに流し、話題になれば、メジャーデビューできる道がありますので、世界進出も不可能ではありません。
モガブティックさんのフランスデビューの成功を応援しています。
発音は口の形や舌の形、位置を同じようにすれば、同じ音が出ないまでも、近いものが出せるので、舌の位置までしっかり説明している本などを読んで練習するといいと思います。退屈ですけど。
フランスダイレクトスクールでは発音矯正セミナーを実施したり、母音と子音の音を1つずつ練習する「美しい発音のための音声学」という5分ぐらいの動画もシリーズで配信されています。発音にこだわりたい方はご利用ください。
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