テレビコマーシャルのフランス語をチェックするシリーズ。今回は、ルノー(Renault)の電気自動車(EV)、ZOEのCMです。
2015年に公開されたものなので、最新型(2018年型)ではありません。
基本的な文法と語彙で対応できるCMです。
ルノーの電気自動車、ZOEのCM
33秒。
男の子がかわいいですね。
それでは、トランスクリプトと和訳を書きます。
En France, certains pensent que l’électrique, c’est compliqué.
Pas du tout !
Par exemple, brancher la musique, c’est simple !
Et bien, brancher Zoe, c’est tout aussi simple !
Et encore plus simple avec la nouvelle offre électrique Renault qui comprend la location de voiture et sa batterie.
L’installation de la prise, pour vous brancher chez vous, et le câble, pour vous brancher partout.
Pour plus d’information, appelez le 3023. C’est simple !
Et si je me sépare de mon diesel de plus de 14 ans, Renault ZOE est à partir de 99 euros per mois. C’est simple !
Dans ta chambre et sans apport.
ルノー、ゾエのCM:和訳
フランスでは、電気自動車は複雑だ、と思っている人もいますね。
全然そんなことありません。
音楽を聞く(接続する)のは、簡単ですよね。
ゾエを接続するのも、とっても簡単なんです。
さらに新しいルノーの電気自動車のパックは、車のレンタルも含んでいますし、バッテリーもあります。
自宅で接続するためのコンセントの設置も、どんな場所でもつなげるケーブルも。
さらに詳しいことは、3023番にお電話ください。
もし、私が14年以上のっていたディーゼル車を手放すと、ルノーのゾエは月額99ユーロからお求めいただけます。
あなたのお手元に。頭金は不用です。
単語メモ
brancher 接続する
offre 申し出、提供価格
prise 電気の差し込み口、コンセント = pride de courant, prise électrique
diesel ディーゼル、ガソリンで動く車
dans ta chambre あなたの部屋の中
sans apport 前金なし
☆フランスは電気自動車の導入に積極的で、フランス政府は、2040年までに、ガソリンで走る車の販売を停止する、と言っています。
発音ワンポイント:Renault
フランス語の学習を始めたばかりの人が最初にとまどうのは、文字の読み方だと思います。
今回は、Renault をチェックしてみましょう。
ルノーと書いてしまうと、ちょっと違います。
Renaultの発音はこうです。
辞書(ロワイヤル仏和辞典)によれば、Renaultの発音は、/rəno/ です。
このeが反対になった文字の音は、あいまい母音と呼ばれるもので、言葉が出ないとき、あ~と口の奥のほうでなんとなく出す音に似ています(口を大きく開けずに)。
。
Renaultは、パリに本社があるフランスの自動車のメーカーの名前ですが、創業者がルノーという名字だったので、ルノーなのです。
日本のトヨタ自動車と同じです。
トヨタの場合、豊田佐吉(とよださきち)という人が創業した、自動織機製作所内に、1933年、自動車部が作られたのが、いまのトヨタ自動車の始まりです。
で、ルノーですが、Louis Renault(ルイ・ルノー 1877~1944)という技術者が、マルセルとフェルナンドという兄弟と、1899年に、Société Renault Frères(ルノー兄弟会社)とういのを作ったのが始まりです。
ルイ・ルノーと書いてしまうと、ルイのルも、ルノーのルも、同じ発音なのかしらと思いがちですが、最初の名前のルはLの音で、名字はRの音です。
英語読みに慣れいると、なぜ、REがルなんだ、レじゃなくて、と思うものです。
フランス語は、つづりと音がわりと対応していますが、Eだけは、場所によって、音が変わるので、要注意の文字です。
開音節と閉音節
説明しだすとけっこう複雑(というか文にするのがめんどくさい)のですが、Eの音を解明したいときは、音節にわけて考えると納得しやすいです。
音節とは音のまとまりです。ひとつの音節に母音字が1つあります。
音節には2種類あります。開音節と閉音節です。
開音節は母音字で終わる音節、閉音節は子音字で終わる音節です。この区別を忘れたら、「日本語の単語は開音節しかない、なんて明快なんだ」と思っておくと忘れません(たぶん)。
くっきりはっきり丁寧に日本語を発音すると、みんな、ア・イ・ウ・エ・オで終わります(「ん」は除く)
Renault の場合、7文字もあるのに、2音節です。eとauが母音字です。
で、Eは、REという音節にあり、母音字で終わっているから開音節です。
このように、開音節にあるEは、「ウ ə」と発音します。場合によっては、もっと音が弱くなり、発音しない(実際は音が出ているけど)単語もあります。
開音節にあるEなのに、「エ」と読ませたいときは、アクサンをつけます。
たとえば、革命という意味の、révolution のように。
実際は、こんなふうに覚えなくても、つづりを覚えるとき、発音も覚えていけば、読み方がなんとなくわかるようになります。
ですが、こういうことを覚えておくと、スペリングを間違えにくくなるでしょう。
仏検を受ける人は、正しいスペルを書けたほうがいいので、つづりと発音のルールは、1回ぐらいは確認しておいたほうがいいです。
次に Renaultの au ですが、この2つで「オ」という読みです。フランス語の語末の子音字は読まないので、Tは発音しませんが、Renaultの場合、その前のLも発音しません。
かくして、Renault は ルノーとなります。
私のように検定なんて受けない人は、つづりは書けなくてもいいかもしれません。手紙を書いたら、スペルチェックをすれば、パソコンが直してくれます。
けれども、読めないとまずいので、やはりつづりと音の関係は勉強しておくべきですね。
これからも、ときどき、つづりと音に関する考察を書いていきます。
まあ、教科書や参考書、ラジオ講座のテキスト、辞書を見れば、つづりと音のルールは書いてあります。
以下は、私の使っている参考書です。
私の持っているのは古いほうです。
こんな本も持っています。
この本はお風呂でよく読んでいたので、本全体がぼこぼこになっています。
ところで、英語の単語は子音で終わるものが多いため、日本人は発音に苦労します。
一方、フランス語の単語は母音で終わるほうが多いです。もともと母音で終わる単語が多いので、語末の子音字を発音しないのでしょう。
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