響きがかわいいフランス語を紹介しています。今回は、風にまつわる言葉を集めました。
フランス語で風は、vent ヴァン(ヴォン)ですが、ほかにも、いろいろな風があります。
風そのもの(名詞)、風で動くもの(名詞)、風の動き(動詞)の3つに分け、全部で26個紹介します。
いろいろな風
nordé, nordet ノルデ (海事)北東の風 (m)
tourbillon トゥルビヨン 旋風、つむじ風 (m)
☆tourbillon というタイトルの歌があります⇒ジャンヌ・モロー『つむじ風』~歌と訳詞
suroît スューロワ (海事)南西風 (m)
bourrasque ブーラスク(ブラスク) 突風 (f)
brise ブリーズ そよ風 (f)
risée リーゼ 突風、はやて (f)
bise ビーズ 寒風、北風、北東風 (f)
chinook シヌーク チヌーク、ロッキーおろし ☆ロッキー山脈から、アメリカ・カナダの草原に吹き降りる乾燥した暖かい風。 (m)
zéphyr ゼフィール そよ風 ☆文学的な表現です。
pas de zéphyr パ・ド・ゼフィール ダンス用語で、片足立ちしてもう片方の足を振ることです。
rafale ラファル 突風、一陣の風 (f)
courant d’air クロン デール すきま風 (m)
Le vent souffle par raffles. 風が突風となって吹きつける。
☆バレエ用語はこちら⇒バレエ用語~かわいいフランス語教えます(67)
風で動くもの
éolienne エオリエンヌ 風車、エアモーター (f)
☆éolien, éolienne という形容詞もあり、これは、風の、という意味です。 harpe éolienne アルプエオリエンヌ、エオリアン・ハープ
ballon バロン 風船、気球 (m)
cerf-volant セルヴォラン 凧(たこ)(m)
drapeau ドラポー 旗 (m)
voilier ヴォワリエ ヨット (m)
girouette ジルエット 風見鶏 (f)
bulles de savon ビュル ド サヴォン シャボン玉 ☆複数形で書いておきました。(f)
moulin à vent ムラン ア ヴァン(ヴォン) 風車(かざぐるま、ふうしゃ) (m)
風の動き
注意:1つの動詞にいろいろな意味がありますが、ここでは風に関係のある意味だけ書きます。
souffler スフレ (風)が吹く、吹き荒れる
voler ヴォレ 風で舞い上がる、風にひるがえる
virevolter ヴィルヴォルテ くるくる回る
onduler オンデュレ 波打つ、揺らめく
valser ヴァルセ 回る、揺れる
chatouiller シャトイエ くすぐる
ébouriffer エヴリフェ 髪を乱す
Le vent m’a ébouriffé. 風で髪が乱れた。
風が出てくる童謡
■Vent frai, vent du matin
タイトルを日本語にすると、「冷たい風、朝の風」となります。
フランス語の歌詞が表示されます。
2分7秒。
■Vive le vent (直訳:風よ、万歳!)
日本語で、「ジングルベル」と呼ばれるクリスマスの歌です。
2分36秒
Vive le ~のViveは、Vive le France の、Viveで、英語で言うところの Long live ~、つまり、~万歳、という意味です。
冬になってうれしいな、風がふいてうれしいな、クリスマスだからうれしいな、という歌ですね。
ventが出てくるときは、たいていsouffler という動詞が出てくることがわかります。
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続・春をイメージさせる言葉:かわいいフランス語教えます(124) 「春一番」のフランス語を書いています。
かわいいフランス語、教えます~その1自然篇 ネーミングにつかう時の注意を書いています。
これだけは知っておきたい。フランス語でネーミングするとき考慮すべき7つの文法事項。 こちらもネーミングに使うときの注意事項です。
カタカナで書いた読み方は参考程度にとどめてください。私は、an という鼻母音をよく「オン」と書いてしまうのですが(オンに近いと思うから)、フランス語の単語をもとに、カタカナ表記しているときは、たいてい「アン」になっています。
France を「フランス」と読む要領です。
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今回は、風に関する言葉を紹介しました。また、読書中などに、風に関係のある言葉を見つけたら追記しますね。
マーガレット・ミッチェルの小説、「風と共に去りぬ(Gone With the Wind)」は、フランス語では、Autant en emporte le vent といいます。
Autant en emporte le vent は、もともとはことわざです。主語と動詞が倒置されていて、風が、それ(en)を、すべてもっていく、つまり、風にさらわれてしまう⇒あとには何も残らない、という意味です。
村上春樹のデビュー作、「風の歌を聴け」は、フランス語では、Écoute le chant du vent です。こちらは原題をストレートに訳したものですね。
それでは、次回の「かわいいフランス語」をお楽しみに。
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