飲み過ぎ

名言

私がお酒を飲む理由~フランソワーズ・サガン(名言その13)

フランスの作家、劇作家であるサガンの名言をとりあげます。

サガンの経歴はこちらをどうぞ⇒名言その12~記憶は空想と同じくらい嘘つき

きょうの名言は

Avant, je buvais pour rejoindre les gens, maintenant je bois pour les oublier.
– Françoise Sagan (1935-2004)

昔は、人と知り合うためにお酒を飲んでいたものよ。今は、そういう人たちを忘れるために飲んでいるの。



昔は、人と知り合うためにお酒を飲んでいたものよ。今は、そういう人たちを忘れるために飲んでいるの。

人はなぜお酒を飲むのでしょうか?

私はその理由を7つ思いつきました。

1.食事をおいしくするために。
2.お酒そのものが好きで飲む。
3.ミュニケーションのツールとして。
4.儀式として。
5.ストレス解消や、気分転換に。
6.いやなことを忘れるために。
7.飲みたくないけど、中毒になってやめられない。

いろんなシチュエーションが考えられますが、3のコミュニケーションのツールとして飲む場合がとても多いですね。

「飲みニケーション」なんて言葉もあるぐらいですから。
「お酒は飲めないけど、雰囲気は好き」と言う人もたくさんいらっしゃいます。

お酒が入ると、ふだんは内気な人もおしゃべりになります。みんな、なんだかみょうに楽しい気分になって、すぐに打ち解けてしまいますね。いわゆる「楽しいお酒」です。

この言葉は、「昔は、そんなふうにみんなと楽しくお酒を飲んでいたけど、今はそうした日々を忘れるために1人で飲んでいる」、ということ。

サガンの小説の登場人物の言葉のようですが、サガン自身の気持を表しているとも考えられます。

以前はパーティでいろんな人と出会って、楽しくお酒を飲んでいたのです。でも、彼女に近寄って来た人々の多くは、サガンのお金だけが目当てでした。

今はそういうパーティで出会ったハイエナのような人たちを忘れたくて、お酒を飲んでいる、というわけです。

若くして大成功したサガンでしたが、もともととても感受性が強かったようですし、ストレスも多かったのでしょう。

ひどい交通事故にあいましたし、ギャンブルにのめりこんだりもしました。結婚、離婚を2度繰り返しましたが、求めていた心の平安を得ることができなかったようです。

そんなこんなでお酒に逃避しているうちに、アルコール依存症になってしまい、晩年はお金もなくつらい日々が続いていたのかもしれません。



よくわかる!フランス語の文法解説

単語の意味

avant 以前は

je  私は

buvais < boire 飲む の半過去形 飲んでいたものだった

pour ~するために

rejoindre 再び一緒になる。ここでは joindre 「つながる」 という意味で使われていると思います。

les  複数の名詞につく定冠詞

gens 人々

maintenant 今は

bois < boire 飲む の現在形 飲んでいます

les 彼らを (動詞 oublier の直接目的語)

oublier 忘れる

文法~半過去形

buvais は boire の半過去形です。

半過去にはいくつかの用法がありますが、ここでは、過去の習慣や、繰り返し行っていた行為を表しています。

また、avant ~、maintenant ~と、過去と現在を比べています。

例文
Avant j’habitais Paris mais maintenant j’habite Nagoya.
以前はパリに住んでいましたが、今は名古屋にいます。

★半過去についてはこちらの記事をどうぞ
船出

⇒「まいにちフランス語」33:L55 半過去

直訳

以前、私は人と知り合うために飲んでいたものだ。今は、彼らを忘れるために飲んでいる。

さすがにサガン、巧みな言い方をしていますね。

昔⇒今、という対比だけでなく、
大勢で飲むお酒⇒ひとり酒
楽しい⇒孤独

といった情景が、そのような言葉を使っていないのに、頭に浮かびます。

さて、私はお酒が飲めないので、こうしたことは無縁です。

でも、人生を味わいつくすためには、お酒が飲めたほうがいいのかもしれないな、と思うことがあります。

あなたは何かを忘れるためにお酒を飲むことがありますか?






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