フランスの作家、劇作家、サガンの言葉を紹介しています。
きょうの名言は
Il n’y a pas d’âge pour réapprendre à vivre. On ne fait que ça toute sa vie.
– Françoise Sagan (1935-2004)
生きることを学び直すのに年齢なんて関係ないわ。
一生できることよ。
生きることを学び直すのに年齢なんて関係ないわ。一生できることよ。
サガンの人生は波瀾万丈という言葉で形容されます。
裕福な家庭に育ち、18歳のときに書いた最初の小説「悲しみよこんにちは(Bonjour Tristesse)が一夜にして国際的な成功をおさめます。
若くして富と名声を得たサガン。
ウィキペディアによるとその後は、こんな感じの人生です。
21歳(1957) フランスの北部のリゾート地でアストンマーチンを運転中、交通事故にあい重症をおう。頭蓋骨に怪我をして、しばらく意識不明でした。
映画によると、この時痛みを緩和するために麻薬を処方されたのがきっかけで、ドラッグとのつきあいが始まったとか。
22歳(1958) 20歳年上の編集者と結婚するが、3ヶ月で離婚。
27歳(1962) アメリカの資産家の息子(プレイボーイだったらしいです)と結婚。翌年離婚。直後に、この人とのあいだにできた男の子を出産。
妊娠中に別れたってことなんですかね?
子は鎹(かすがい)にならなかったのでしょうね。
その後は結婚せず、ファッション関係の女性(ペギー)と長いあいだカップルとして暮らす。同時に、男性の恋人もいました。
もう少しあとになってアニック(女性)という雜誌プレイボーイの編集者とカップルとなり、既婚の文筆業の男性ともおつきあい。
サガンはこのような入り乱れた(?)人間関係を「家族」と呼んでいたそうです。
一生を通じて、お酒、ドラッグ、ギャンブル、スポーツカーを愛好しており、どれも半端ではなかったので、失敗も多いです。
スキャンダルを起こすたびにメディアに追いかけられました。特に若いころは、ハリウッドのスター並の大騒ぎ。
いくらお金があっても、こんな人生疲れますよね?
と、一般人の私は思うわけですが。
何かあるたびに「大丈夫、やり直せる」と思って進んでいったのでしょう。特に、賭け事については。
私はギャンブラーではないのでわかないのですが、賭け事って引き際の見きわめが難しいですよね。
彼女の経歴はこちらにも⇒名言その12~記憶は空想と同じくらい嘘つき Saganの人生を描いた映画も紹介しています。
よくわかる!フランス語の文法解説
単語の意味
il n’y a pas ~はない
(il y a の 否定形
d’ = de いわゆる否定のde
「ある、ない」が問題になっている時、その名詞の前の不定冠詞はいつもdeになるというルールがあります。
詳しくはこちらを⇒L12 郵便局~フランスには宅急便がない!?と
âge 年齢
pour ~のため
réapprendre re-(再び) + apprendre(学ぶ) ~を再び学ぶ、学び直す
= rapprendre
réapprendre à + 不定法 ~することを学ぶ
vivre 生きる
on 人は、私たちは
ne … que ~ ~しか・・・ない
先日『虎と小鳥のフランス日記』に出てきたばかりです。
⇒パリのカフェでおしゃべり~「虎と小鳥のフランス日記」第150話
fait ça < faire ça そうする
toute sa vie その人の人生のあいだずっと、人生のいかなる時も toute は強調です。
直訳
生きることを学び直すための年齢は存在しない。私たちの人生のあいだじゅうが、そうする時である。
☆これまでのサガンの名言
⇒名言その12~記憶は空想と同じくらい嘘つき
サガンは本当に賭け事が好きで、しかも徹底的にやっています。
ものすごくお金をもうけたのに、晩年貧乏だったのは、ギャンブルのせいですね。一晩で1500万円以上すってしまったり。
「印税で得たお金を投資する」、というような発想はサガンにはありません。
こちらは、サガンが自分の好きなものをつづったエッセイ集です。
彼女が親しくしていた、サルトルやトルーマン・カポーティといった人たちといっしょに、ギャンブルやスピード(車の)、好きな本についても語っています。
私は読んだことないのですが、オリジナルと読み比べるといいかもしれません。エッセイのほうが、小説よりフランス語がやさしいはずですし。原題は Avec mon meilleur souvenir です。
さて、生き直すのに年齢は関係ありません。
語学も同じです。
たまに、「penさんと同じ年代ですが、もうフランス語をやるには手遅れですよね」、というお問い合わせをいただきます。
もし手遅れだったら、私はいったい?
大丈夫ですよ。
年齢関係ありません^^
Youth is not a time of life-it is a state of mind; it is a temper of the will,a quality of imagination, a vigor of the emotions, a predominance of courage over timidity, of the appetite for adventure over love ease.
you are yang as your faith, as old as doubt ;
as young as your self-confidence, as old as your fear;
as young as your hope, as old as your despair.
人は信念とともに若く、疑惑とともに老ゆる
人は自信とともに若く、恐怖とともに老ゆる
希望ある限り若く 失望とともに老い朽ちる
Samuel Ullmann 1840-1924
私もサガンより長生きし Samuel Ullmann と同じ年になってしまいました。
樋沼達雄さん、こんにちは。
サミュエル・ウルマンの詩のご紹介、ありがとうございました。
いい詩ですね。
サガンは69歳で亡くなりましたので、今の感覚でいうと
早かったですね。
私の母も先日、81歳になりました。
樋沼さんも、ますますお元気でお暮らしください。
コメント、ありがとうございます。