フランス語の暦シリーズ。今回は水曜日です。フランス語の曜日はすべて男性名詞、英語とは違い小文字で始まります。
水曜日:mercredi
語源 は« jour de la Mercure »「Mercureの日」。Mercure はローマ神話の神で、マーキュリーまたはメルクリウス。商売、盗賊、旅行者の神です。ギリシャ神話のHermès ヘルメスにあたります。
Mercure は「水星」です。mercure は「水銀」。なぜ水銀がマーキュリーなのか?神々の間を行き来する足の速いマーキュリーの姿が、水銀の動きに似ているから、という説があります。
英語の Wednesday はゲルマン神話の神、「ウォーデンの日」が語源です。
mercredi の発音はこちら
mercredi の例文
Le mercredi est le troisième jour de la semaine. Il vient après le mardi et avant le jeudi.
水曜日は週の3番目の日です。火曜のあとに来て、木曜の前に来ます。
Alexandre prend des cours de guitare tous les mercredis après-midi.
アレグザンダーは毎週水曜日の午後、ギターのレッスンを受けている。
mercredi des Cendres
灰の水曜日(四旬節carêmeの第1日目で信者の頭に灰をかけるカトリックの習慣がある。)
Le mercredi, en France, est le jour de congé scolaire des enfants.
フランスでは水曜日は子どもの学校は休みです。→ちょっと前のことです。
(間投詞として、merde の代わりに用いて)くそっ、ちくしょう。
昔はフランスの小中学校は水曜休みでした
昔は、フランスの小中学校は基本的に水曜日(と土曜日)休みでした。週4日学校へ行っていたのです(地域、学校によっては違うところもあります)。休みが多すぎて、学校のある日の授業時間が長く、生徒が疲れていることが問題になり近年改革されました。
2013年から幼稚園、小学校では、水曜日の午前中に授業をするかわりに、ほかの日の終業を早めました。
フランス全体でそうなっているわけではなく、各自治体によって導入具合は違います。パリではこの時間割です。
導入当初は先生や教室が足りなくて、混乱がありました。というのも、フランスの親は共働きが普通なので、仕事が終わるまで子どもたちに学校にいてもらう必要があるからです。
そこで、早く終る日は授業のあとスポーツなど、クラブ活動みたいなものが導入されました。しかしこういう時間を設けるためには、予算が必要なので、これに対応できない学校もたくさんあったのです。
現在はもう混乱がおさまっているでしょうか?
フランスはそれでなくても休みが多いので、ふだんのカリキュラムをこなすのは大変でしょうね。
イレテ・ユヌ・フォアの「水曜日の少女たち」
mercredi が 歌詞とタイトルに入っている歌を紹介します。
Il était une fois の Les Filles Du Mercredi。
イレテ・ユヌ・フォアは70年代のフランスのグループです。ちょっとABBAふう、あるいはアメリカのドーン(Dawn)に似た古き良き70年代ポップスです。
冒頭の歌詞:
Les filles du mercredi
Sont toutes restées dans leur lit
Cheveux blonds, cheveux bruns
Entremêlés jusqu’à midi
Les filles du mercredi
Ont délaissé leurs poupées
Cheveux bruns, cheveux blonds
Jusqu’à midi entremêlés
水曜日の少女たちは
みんなベッドでのんびりしている
ブロンドの髪、栗色の髪
お昼まで混じりあっている
水曜日の少女たちは
人形をほったらかし
栗色の髪、ブロンドの髪を
お昼まで混じりあっている
entremêler 混ぜる、混ぜあわせる
水曜日は休みだから、みんなベッドの上で横になり、髪がふとんの上にひろがっているのだと思います。
☆歌詞はこちら⇒Paroles Les Filles Du Mercredi – Il Etait Une Fois
今の子どもたちは、水曜日といえど、そんなにのんびりはできません。
この続きはこちら⇒木曜はユピテルの日:フランス語の暦(14)
このシリーズを最初から読む方はこちらから⇒春(季節の単語)~フランス語の暦(1)
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