雪の女王

タイトルのフランス語

第14回『雪の女王』~アナと雪の女王の原作

「虎と小鳥のフランス日記」の最新エピソードの学習メモを書く日ですが、お正月なので、一回お休みです。

かわりに物語のタイトルを紹介するシリーズの記事です。

第14回は『雪の女王』。



「雪の女王」はフランス語で

La Reine des neiges 

といいます。

la 女性名詞につく定冠詞

Reine 女王 ここでは雪の女王その人をさしているので大文字で始まっています。小文字で書いてある場合もあります。

des de (~の)+les(複数の定冠詞)の縮約

neiges 雪 
雪はふつう単数ですが、雪の女王の家来は雪です。女王は軍隊を持っており、兵士はひとつひとつの雪の結晶です。だから、雪が複数になっています。

英語では The Snow Queen

『マッチ売りの少女』、『人魚姫』、『赤い靴』、『みにくいアヒルの子』と同じ、アンデルセン(1805-1875)の作品です。1844年に出版されました。

この話は、マッチ売りやらにくらべるとややマイナーかもしれません。

というのも、童話にしてはちょっと長いんですね。だから絵本にしにくいのではないかと思います。

しかし、物語を読み込んでいくと、この中間の一見関係なさそうな話のディテールがなかなかおもしろいのです。

ここではごく簡単に内容を紹介します。

『雪の女王』あらすじ~penバージョン

ある日、魔法学校の主催をしている悪魔が、魔法の鏡を作りました。この鏡は美しいものや良質なものを映すと、それがろくに映らず、反対に汚いものや悪いものを移すとその汚さや邪悪な要素がまるで拡大鏡のようにパワフルになって映るというものでした。

魔法学校の生徒の悪魔の見習いが、みょうにこの鏡を気に入って、世界中に持ち歩き、いろんなものを映して大喜び。

悪魔ですからね、邪悪なものがこの世界に増えていくのはうれしいわけです。

ついに空の上の神様のところにも持っていこうとしたところ、手がすべって鏡が地上に落ち、粉々になりました。そしてその鏡の細かい、細かい粒子のようなかけらが風に乗って、そこら中に散らばりました。

もしこのかけらが人間の目に入ったり、心臓にささると、心は冷たく凍りつき、目は鏡がそうだったように、邪悪なものばかりが、大きく見えるようになるのです。

さて、ある所にカイという男の子とゲルダという女の子がいました。家が隣同士でとても仲良しです。お互いの家に箱に植わっているバラの花があるのも共通点。

バラ

ふたりとも貧しかったのですが、とてもいい子たちで、夏はバラの花を愛でたり、野菜を育てたり、絵本を一緒に見て遊んでいました。

その日も2人は仲良く絵本を見たり、賛美歌を歌ったりしていました。夕方の5時頃、カイが「あれ?今なんか目に入ったみたい。それに胸のところに何かささった…」と言いました。「え、大丈夫?」「うん、大丈夫、もう何ともないよ。」

でも、大丈夫ではありませんでした。カイの目と心臓をチクっとしたのは、もちろん例の鏡です。ほどなく、ふだんはとてもやさしいいい子のカイがいきなり人が変わったようになってしまいました。

「それにしても、きったならしいバラだなあ~。葉っぱは虫食いだしさ。へっ、こんなバラ、クソくらえだ!」と、大事にしていたバラの植わっていた箱に蹴りを入れ、いきなりバラの花を引っこ抜きました。

びっくりするゲルダ。カイはさらにバラを引っこ抜き家に帰ってしまいました。次の日、ゲルダが絵本を持って遊びに行くと、カイは「そんなのは赤ん坊の見るもの!」と相手にしてくれません。彼は家族にも悪態をついてばかり。

カイは人の変な癖を真似して遊ぶ子になり、ゲルダとは疎遠になりました。

冬になり、カイは広場にソリ遊びに行きました。手頃なソリに自分のソリを結んで手抜きしてすべるカイ。

実はそのソリは雪の女王のものでした。女王のソリはいきなりスピードをあげて、広場はもちろん、街も突っ切って、いつしか空たかくカイのソリと一緒に、飛んで行ってしまいました。

春になり、街の人々は「カイは川に落ちて死んでしまった」とうわさしましたが、ゲルダはカイがまだ生きているような気がしました。というのも、お日さまも、ツバメも「死んでないと思う」と言うからです。

ゲルダは新しい赤い靴をはいて、川に行き、「赤い靴をあげるからカイを返して」と言いました。靴を脱いで川に投げたのですが、うまく川に届きません。

そこで、そのへんにあった小舟に乗って、ちょっと川に入ってから、靴を投げ込みました。靴はうまく投入できましたが、カイは帰ってきません。そりゃあそうです。川にはいないのですから。
雪の女王 ゲルダ

ゲルダの小舟はどんどん川を流れていきました。彼女ははだしで小舟の中でうずくまります。さて、ここから彼女のカイを探す冒険が始まります。

原作は副題が「7つのお話でできている物語」です。1が鏡、2がカイとゲルダのこと。そして3から6まではゲルダがカイを探し求める旅です。きょうはここをはしょります。というのもすでに、1と2だけで1400文字も書いてしまいましたから。いきなり7に行きます。

冒険の末、ゲルダは雪の女王の住むお城にたどりつきました。たまたまそのとき雪の女王は留守だったのです。ゲルダはお城でカイを発見。

彼は生きてはいましたが、女王さまに命じられた文字を作るパズルをやっており、ゲルダを見ても無視。

ゲルダはカイに抱きつき「やっと、会えたよ」と喜びの涙を流します。この熱い涙が彼の胸にしたたり、心臓を覆っていた氷がとけ、魔法の鏡のかけらも流れていきました。

もとの自分に戻ったカイとゲルダは無事家に帰ります。

ゲルダが雪の女王の城にたどりくつまでに、いろいろ助けてくれる人がいたのですが、その中に、ラップランドの女の人がいます。彼女が言った言葉が印象的だったので、最後に書いておきますね。

「ゲルダのような、靴もはいてないか弱い女の子がここまで来れたのは、彼女にパワーがあるから。そのパワーとは、彼女のどこまでも無邪気な子どもの心なのよ。」



関連動画~ディズニーの¨『雪の女王』

2013年にディズニーがこのお話をベースにFrozen(邦題:アナと雪の女王)というアニメーションを作りました。ディズニーの53番目のアニメ映画です。

予告編をごらんいただければわかるように、かなり原作と違います。別のお話と思ったほうがいいかもしれないですね。

フランス語吹き替え版です。

☆「アナと雪の女王」の歌⇒歌と訳詞:アナと雪の女王「レット・イット・ゴー」のフランス語版

雪の結晶

【参考】
フランス語のテキストと朗読⇒La reine des neiges – Hans Christian Andersen – livre audio gratuit à télécharger

日本語版~青空文庫⇒ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 雪の女王 SNEDRONNINGEN

このお話は「雪の女王」という題名ですが、実は雪の女王はそんなに出てきません。主役はやっぱりゲルダという少女だと思います。

それでは、次回の「タイトルのフランス語」の記事をお楽しみに。






ピックアップ記事

  1. 『星の王子さま』~お役立ちリンク集
  2. 2020年版、フランス語学習用カレンダーのレビュー。
  3. ぜんぶ無料:あなたのフランス語学習に役立つサイト16選

関連記事

  1. カラスとキツネ

    フランス語を読む練習

    カラスとキツネ(タイトルのフランス語:第7回)

    『カラスとキツネ』というお話のフランス語のタイトルを紹介します。…

  2. 不思議の国のpenアリス

    タイトルのフランス語

    第15回『不思議の国のアリス』

    誰もが知っているこのお話、でも、題名はフランス語でどう言うんだろう?…

  3. フランダースの犬

    タイトルのフランス語

    第13回『フランダースの犬』

    物語のタイトルをご紹介するシリーズ、第13回は『フランダースの犬』です…

  4. タイトルのフランス語

    眠れる森の美女・タイトルのフランス語第5回

    「そのタイトル、フランス語だと?」、きょうは『眠れる森の美女』です。…

  5. 猫の顔

    タイトルのフランス語

    第12回『長靴をはいた猫』

    『長靴をはいた猫』のフランス語のタイトルをご紹介します。この話は伝承童…

  6. 白鳥の子とアヒルの子

    タイトルのフランス語

    『みにくいアヒルの子』第10回

    『みにくいアヒルの子』のフランス語のタイトルをご紹介します。『…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

新しく書いた記事です。

  1. フランスを代表する漫画、アステリックスの人気の秘密
  2. マクロン大統領の15日間の外出禁止令(抜粋)
  3. T’as vu (見えるでしょ)クリオ:歌と訳詞…
  4. セントパトリックデー(聖パトリックの祝日)の由来。ラッキーア…
  5. なぜ13日の金曜日は運がいいとか悪いとか言われるのか?
  6. やさしさ、思いやりに関する言葉:かわいいフランス語教えます(…
  7. 国際女性デーが生まれた背景とは?
  8. 勝手にしやがれ:予告編のフランス語(初心者向け)
  9. 3月の第1日曜日は、『祖母の日』。この日、フランス人は何をす…
  10. うるう年はなぜあるの?(簡単なフランス語の説明)。

更新情報をメールで配信中

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

おすすめ記事いろいろ

  1. 歌と訳詞:プレヴェールに捧ぐ~セルジュ・ゲンズブール 前編
  2. 「殺意は薔薇の香り」前編~予告編のフランス語
  3. フランス語を習得するには自分を信じて忍耐強く学び続けるしかな…
  4. フランス語のことわざ30~割れ鍋にとじぶた
  5. クリスマスの単語 その5 ビュッシュ・ド・ノエル
  6. 東京の3Dカフェアートは海外でも話題に
  7. フランス人の大晦日とお正月の過ごし方。
  8. エリザベス女王2世が在位最長記録更新、記念コイン発売へ
  9. 「まいにちフランス語」50:L72フランス語6文型 その3
  10. 夏時間と冬時間。年に2度の時間の変更は、意味があるのか、ない…

おすすめのまとめ記事

  1. フランス語のことわざ~目次 その2
  2. 『不思議の国のFrance』関連記事の 目次その2
  3. ファッション、モード、おしゃれに関する記事の目次(1)
  4. 『不思議の国のFrance』関連記事の 目次その3
  5. 2013年4月開講のNHKのラジオ講座のラインナップ
  6. 『百合のFranceウォッチング』~目次 その3(L51~L…
  7. かわいいフランス語、教えます~目次 その3
  8. 歌の訳詞を書いている記事の目次~その2
  9. フランス語のニュースの記事のまとめ(3)
  10. 翻訳者養成講座関連記事の目次

フランス語の勉強法とか

  1. 日めくりとpen
  2. 星の王子さまの本
  3. 黒板

スポンサーリンク



お問い合わせはこちらから

お問い合わせはこちらからどうぞ

封筒
⇒お問い合わせフォームへ


お気軽に^^

☆和文仏訳、仏文和訳の無償サービスは行っておりませんので、ご了承願います。

アーカイブ

PAGE TOP