「虎と小鳥のフランス日記」のバックナンバー、今週は第22話の復習をしました。
第21話 ブドウ収穫祭・その1の続きで、2011年のモンマルトルのブドウ収穫祭(les Vendanges)が舞台です。
この回はモンマルトルの丘の登り始めぐらいのところにあるアベス広場で行われていた「非結婚式」の様子。
非結婚式というのは、カップルが、「法的には結婚しないけど、ともに人生を歩みます」という式で、なんともフランス的エスプリのきいた催しです。
式を執り行うのは18区の区長さん。この人がまた冗談が好きみたいで、ジョークが炸裂しておりました。
よって、彼のしゃべるフランス語は難しいです。でも、むっつりした区長さんより、こういう方のほうが断然いいですね。
きょうのメニュー
それでは、復習、行ってみよう!
3つのキーフレーズ~すべて区長さんの言葉
それは~だからです
新婦の髪型が話題になっています。
新郎が「彼女の髪型がうらやましい」と言うと、区長さんも「わかりますよ」と同意します。
というのも、あなたには櫛は必要ありませんね。かわりにボディタオルがいりますが。
C’est que vous avez pas de peigne, il faut un gant de toilette, carrément.
ちょっと聞いていいですか?
新婦の仕事がウエブデザイナーだと知り、区長さんが
ちょっと聞いていいですか?
Ben dites-donc avec là…
いずれにせよ
インタビューをしめて、非結婚式に移ろうとするときの言葉です。
いずれにせよ
En tous cas …
キーフレーズの解説
C’est que …
C’est que はたまに「虎と小鳥」に出てくるのですが、C’est parce que の略で「それは~だから」と理由を強調するときの表現です。
C’est que je suis tout seul et que je commence à fatiguer.
1人なので、疲れてきました。
これは、第92話のキーフレーズで、歌手が言った言葉。
ビストロのライブで1人で歌い続けていたので、疲れてきた、という意味です。
詳しくはこちら
⇒「虎と小鳥のフランス日記」第92話 ベルヴィルの大衆的なビストロ
gant de toilett というのはトイレ掃除をするときするゴム手袋をさすこともありますが、この場合はからだを洗うときに使うボディタオルとかウォッシュクロスで、手袋になっているものだと思います。
dites-donc
これは、「ちょっと聞いてもいいですか」とか「つかぬことをお聞きしますが」という決まり文句。
ここでは、vousを使って話しているので、vousの活用ですが、tuの相手なら、dis-donc となります。
文脈によっては「ちょっと待って」と訳したほうがいいときもあります。あるいは、「あ、そういえばさ~」とか、ちょっと話の流れを変える間投詞ですね。
en tous cas
これは、もう何度も出てきてます。「とにかく、いずれにしても」と話をまとめる、切り上げるときに使う表現です。
きょうの豆知識~アベス広場
アベス広場のあたりは、映画『アメリ』のロケで使われたので、おなじみの方が多いかもしれません。
広場はパリ12号線の、地下鉄アベス駅の周辺です。
この駅の天井はガラスになっています。これは、エクトル・ギマール(Hector Guimard)のデザインした、パリに現存する3つのアール・ヌーヴォー様式の天蓋の1つです。
METROPOLITAIN という文字もギマールのデザインです。
こちらは、モンマルトル、アベス広場、駅、サン ジャン ド モンマルトル教会の歴史を紹介しているビデオです。アベス広場にある「ジュテームの壁」も出てきます。
Les secrets de la place des abbesses
モンマルトルの名前の由来は、第21話 ブドウ収穫祭・その1で書いているので、参考にしてください。
誰も知らないと思いますが、1980年代のハワード・ジョーンズのヒット曲、What is love ? のビデオで、彼は、アベス駅の前で歌い始めていました。
「虎と小鳥のフランス日記」を139話全部見ていると、「あ、これ、あそこじゃん」とわかるパリの名所がいろいろと出てきます。
30年前は、全く気づいていませんでしたが。
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