慣れないと難しいフランス語数字を毎週1つずつチェックしています。今週第22回は「20」です。
数字 «20»
20 は vingt ヴァン
発音はこちら
in は鼻母音 g と t は読みません。
母音で始まる語の前と、21~29を言う時はTを読み、ヴァントと発音します。
vingt ans 20年 ヴァントン 発音はこちら ▲マークを押すと聞こえます。
■語源はラテン語のviginti→vinti vint
vi は bi(2回) gint は10という意味。
■派生語
vingtaine ヴァンテーヌ およそ20
vingtième ヴァンティエム 20番目、20分の1
vingtième siècle 20世紀
vingtième arrondissement (パリ)の20区
歌 『20歳』
vingt がタイトルに入っている歌をご紹介します。
Vingt Ans
1987年 Pierre Bachelet (ピエール・バシュレ)のヒット曲
自分が20歳のときは、こんなふうだった、と歌っています。
彼は1944年生まれですから、激動の60年代に青春を過ごしていたわけですね。
80年代ふうのアレンジです。
歌詞にving ans が8回出てきますが、一番初めに出てくるところを訳してみます。
En ce temps là j’avais vingt ans
Sur la télé en noir et blanc
On découvrait le rock and roll
Elvis Presley et les idoles
Fauteuils cassés dans tous les music halls
En ce temps là c’était Paris
C’était la guerre en Algérie
Dans les bistrots de la banlieue nord
On était pas toujours d’accord
Ira ou pas, d’accord ou pas d’accord
あの時、僕は20歳だった
白黒テレビで
ロックンロールを初めて見たのさ
エルヴィス・プレスリーと、彼のアイドルたちを
コンサート会場で壊された椅子を
あの時、それはパリでのできごと
アルジェリアでは戦争
北の郊外のビストロで
いつも意見があわなかった
行くのか行かないのか、賛成なのか反対なのか
歌詞はこちら⇒Paroles Vingt Ans – Pierre Bachelet
vingt ans は「青春」という意味もあります。
ピエール・バシュレ Pierre Bachelet
ピエール・バシュレ(1944-2005)は、フランスのシンガーソングライター。日本では『エマニュエル夫人』(1974)のタイトル曲で知られています。
彼がフランスでメジャーになったのは、80年代に入ってから。82年に Les corons(邦題がわからなかったのですが、coron は北フランスやベルギーの鉱夫の住宅、鉱夫街です)という歌が大ヒットします。
バシュレはパリ生まれですが、すぐに、父親の故郷であるフランスのカレー(Calais)に引っ越し、ここで大きくなります。
カレーは19世紀の産業革命をささえた炭鉱地帯でした。石炭産業の街だったわけです。
バシュレは10代のときには、パリに戻って、映画の勉強をします。始めは映画関係の仕事をしていたので、歌手活動の開始は遅く、30歳近く。『エマニュエル夫人』のテーマを歌ったのはこの頃。
幼年時代を過ごしたカレーの街が生涯好きで、その思いを歌ったのが Les corons。厳しい北の生活や炭鉱夫への賛歌です。
その後ヒット曲を連発し、オランピア劇場にも何度も立つ大スターとなりました。残念ながら、2005年、がんで亡くなっています。60歳でした。
vingtを使った表現、文章
les années vingt 20年代
vingt-quatre heures 丸一日
On ne peut pas s’amuser vingt-quatre heures sur vingt-quatre.
四六時中遊んでいるわけにはいかない。
le vingt du mois dernier
先月の20日
この続きはこちら⇒フランス語の数字【第23回】~0 – 20の復習
★このシリーズを最初から読む方はこちらからどうぞ⇒フランス語の数字【第1回】~0(ゼロ)
ベルギーの国境に近いノールパドゥカレーの炭鉱地帯は世界遺産になっています。Les coronsはとてもいい歌なので、そのうちまた訳詞のコーナーで取り上げます。
「Vingt Ans」で8回vingt ansが出てくるというので、最近では思い出せないくらいの集中力で聴いて、指を折りながら数を数えました。前半には余り出てこないので、ありゃぁこれで8回あるの?と思いましたが、後半に次第に出てきて、ここまで6回出てきたよなぁ、もう曲も終わりそうなのに後2回出てくるのかぁ?と仕舞いにはクイズ感覚で数えておりまして、何となく8回だったよなと・・・。韻を踏んでいるような?ところもあり、こりゃぁ引っ掛けだなぁなんて思ったり。歌詞の内容などは全く理解出来ず、ここレーヴって聞こえたぞ、夢のことを言っているのか?と好き勝手に思ったりした次第です。でも、クイズみたいで大変面白かったです。
うさぎのぎいさん、こんにちは。
はい、曲の後半にたくさん出てくるんです。
僕は20歳だった、きみもの同じぐらいだったね、
ということろで韻をふんでいます。
楽しんでいただけたようでよかったです。
なかなかいい曲ですよね。
コメントありがとうございます。